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「現段階で取り得ると考えられる環境保全措置」は瓦解している。沖縄県はただちに埋立承認撤回すべき。

琉球新報が、昨日(1月29日)報じた【国監視委 内部で疑義】の大見出しを付した記事で明らかになったことはなんなのか。

 

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(画像は同日の特集・7面)

 

沖縄防衛局が、非公開で行っている事柄がデタラメで、内部でも専門家から疑義が出ている。それを沖縄防衛局は無視し、強引にコトを進めようとしている。それぐらいのことは読み取れる。これらの問題の根幹はなんなのか。

 

沖防が設置した「環境監視等委員会」は、仲井真県知事が埋立承認する際に附した「留意事項」が根拠になっている。

 

 

沖縄県建部は埋立承認申請書では「現段階で取り得ると考えられる環境保全措置が講じられており、基準に適合していないとはいえない」とした。そのうえで「留意事項を附すことが必要となる」とした。

 

この留意事項が根拠になり設置される「環境監視等委員会」に対して、沖縄県は基本的にその中身を経過を知らないし、沖縄・生物多様性市民ネットワークや日本自然保護協会の度重なる要請や非公開であることの問題の指摘に対しても、事業者である沖縄防衛局の問題として無視し続けてきた。沖縄県の主体的責任は皆無の如くである。

 

日本自然保護協会の安倍真理子さんが、昨年行った沖縄県との面談を報告してくれているので、引用する。

 

沖縄県 面談報告】
沖縄県辺野古の埋め立てに対する環境保全への姿勢について面談してきました。面談の相手は海岸防災課課長、副参事の松田さん、前川さんと環境政策課環境評価班長です。
面談の結果、埋立承認の際に沖縄県自らが留意事項にふした環境保全について、(県が)全く現状を把握しておらず、把握する意向もないことがわかりました。
環境保全の一環である普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会という委員会は、仲井真県知事による埋立承認の際に「留意事項」として政府に求めたことを受けて設置されたものですが、この委員会のことさえ放置している状態です。
一番の大問題は、こちらの「現状を事業者に報告させないのか?」と言う問いに、「今は事業者が忙しそうだから、配慮して、聞いていない。」と答えたことです。
沖縄県が沖縄防衛局に「配慮」してどうするのでしょう?「配慮」はジュゴンをはじめとする自然環境にすべきです。(保護・研究部 安部真理子より)

 

この無責任さは、言語道断である。沖縄県の埋立承認がもたらした現状に対して、すべてほっかむりし沖縄防衛局に配慮さえしている。

 

「環境監視等委員会」の内部から「第三者委員会設置」が求められている事態は、「現段階で取り得ると考えられる環境保全措置が講じられる」か否かに対する疑義であり、判断そのものが事業者側(が用意する専門家)ではなく第三者(としての立場と権能を持つ専門家)でなくては出せないという専門家の指摘である。このままでは、「現段階では取り得ると考えられる環境保全措置が講じられ」るかどうかも定かではない。

 

建部が書面上で「基準に適合していないとはいえない」としたことの根幹が、承認にあたって「留意事項」として附した結果設置された「環境監視等委員会」の内部から瓦解している。

 

ただちに沖縄県は埋立承認を撤回し、埋立事業にかかる事業者の行為の一切を中断させる必要がある。

 

※これは選挙時の翁長県知事の公約、「承認を検証し、法的瑕疵あれば「取り消し」なくても「撤回」」とはまた別の状況が屹立していると認識すべき。法的瑕疵云々以前に、事実として起きている事態に対処するということだ。そのためには承認を「撤回」し、すべての行為を止めさせて検証する必要がある。もう一刻の猶予もない。「仮設桟橋」が仮設などではない埋立行為そのものだということは自明である。この事態に不作為でいることは罪が重いと認識すべき。