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防衛汚職 北部振興で談合疑惑(追記あり)

Sansin_center名護市には北部振興費で約23億円を注ぎ込んで、「名護市産業支援センター」(左写真)という施設が完成している。

週刊朝日の記事を皮切りに、これが談合疑惑にまみれており、週刊朝日では名護市の末松文信副市長の関与が実名で記事になっている。

いろいろごちゃごちゃ書けることは書いておこうと思うが、なにはともあれ、今日たまたま見つけた西日本新聞の11月30日の記事を紹介して、《続き》に追記でゆっくり諸々をコメントします。

防衛汚職 基地の島恐々 北部振興で談合疑惑
10年で2000億円 業者「捜査波及か」
西日本新聞11月30日)

 「汚職事件捜査は沖縄に波及するのか」。前防衛事務次官逮捕で揺れる中央政界から遠く離れた沖縄北部で、建設業者が戦々恐々としている。広大な米軍基地を抱える沖縄北部には、米軍普天間飛行場移設計画や既存基地負担の見返りなどとして、10年間で2000億円もの国家予算が注ぎ込まれた。前次官の汚職で発覚した防衛利権をめぐる政官業癒着の温床が、ここにもある。

 日米同盟に絡む「聖域」だった国の振興事業に、沖縄県警が初めて踏み込んだ。国頭村発注の農作物被害防止施設整備をめぐる指名競争入札の談合容疑で16日、3業者が逮捕されたのだ。

 工事は北部12市町村に10年で1000億円を投じる国の「北部振興事業」の一環。談合容疑のある入札3件はすべて落札率(予定価格に対する落札価格の割合)99%以上。予定価格が漏れた疑いは濃厚で、役場の関与も疑われる。

 北部の中心・名護市が国の振興事業で建設した「産業支援センター」にも談合疑惑が浮かぶ。昨秋、3億円で落札された「機械設備2期工事」の指名競争入 札。ただし関係者によると、落札したのは事前調整で決まった業者とは別。調整より安い価格で落札する「談合破り」だったという。

 「業界のペナルティーを受けても見合うくらい破格の高利益率だった」。ある関係者は、談合破りの業者からそう聞いたという。入札に参加した別の業者も 「通常なら利益率はよくて30%だが、あれは60%。こんな工事は最初で最後」と断言する。つまり、役所が算定した予定価格が法外な水増しだったというの だ。

 疑惑はまだある。同センターの「電気設備2期工事」入札に参加した業者は「典型的な官製談合だった」と証言。「特定業者に落札させるため、市はAランク の業者をBランクで指名した」と指摘した。警察関係者は「名護の工事の大半は談合。落札業者から業界実力者や役所幹部にバックマージンが流れている疑いが 極めて強い」と語る。

 これに対し、入札参加業者の選定委員長を務める末松文信副市長は、市長室を通じて「談合の事実はない」とコメントするだけだ。

 防衛省によると、北部12市町村(総人口12万8000人)に対する基地絡みの振興予算などの国庫支出は、1996年度から10年間で総額2066億円 に上る。95年の米兵による少女暴行事件後に政府が創設した「北部振興事業」や「米軍基地所在市町村活性化事業」は国の9割補助。残りも地方交付税で補て んされ、地元負担は事実上ゼロだ。

 昨秋まで3期務めた宮城康博元名護市議は「9割補助だから自分のカネだという感覚がない。多年の補助金漬けで当局は公金感覚が薄れ、議会も緊張感がなくなった」と自戒を込めて語った。

---引用ココマデ

先週金曜日に「なかのひと」を装着したんだけど、“名護イーテクノロジー”などというところから勤務時間帯に熱心なアクセスがある。土日は来ておらず金曜日の午後からと本日午前中だけですでに25回。アクセス解析のIPをみると“北部広域市町村圏事務組合”のようでもあるのだが、地域イントラかなんかでごっちゃになっているのかもしれない。“名護イーテクノロジー”になごなぐ雑記の熱心なファンが多いとは考えられないので、行政関係者がいろいろチェックなされているんだろう。ごくろうなことだ。

ということで何度も足を運ばせるのも気が引けるので、【追記】は今晩書くことを予告しておきます。内容は「産業支援センター」の中身と請負業者の内訳などについて。ほとんど議会や公開されている資料でわかることだから心配しないでいいよ。

【追記】23:05

名護市産業支援センター」は、もともと商工会の建物があった場所に立地している。その土地と建物を購入し、既設建物を取り壊して更地にして、それから冒頭の写真のような7階建ての建物を造った。

事業費の約23億の内、土地購入費や補償費等に5億円を充てている。あとから関係者から聴いた話では、さすがに財務省は立地場所についてもっと適切な場所があるのではないかと難色を示していたらしい。商工会の建物を買って取り壊し、新品を建てて安価で商工会を入居させる。名護市は商工会となんかあるのじゃないかと疑われても仕方ない。

■商工会の土地と建物ありきの立地場所

この土地の問題については、一昨年市議会でもっと適切な立地場所があるだろう、と私が質疑すると、市長が呼ばれもしないのに率先して答弁に立った。そのやりとりを議事録から転載する。

〇 28番(宮城康博君) 3回目になるのでこれで最後にしますが、非常に検討なされたようですが、いま市長からお話のあった公設市場に市営住宅を建てようとしているようですけれど、それ何階建てなの、いまの計画は。それちょっと明確にして。私は道路等々にはひっかかって高さ制限があるんだというのは知っていますから、商工会の場所に7階建ての建物を建てるようですけれど、いま現在公設市場の上にまちなか市営住宅として建てるのは何階建てを予定しているのか、そこだけ明確にして。それと物件の補償とか等々は非常に単純なことを聞きますが、すべてを補償するのね。更地にするに当たって。すべてを補償してそしてなおかつそれを取り壊す費用も全部こちらでやるのね、当然のことなんだろうけど。そこら辺不案内なもので教えていただきたい。

〇 市長(岸本建男君) まず市営住宅で申し上げますと先ほど申し上げましたようにいろいろな建築の規制がかかりますから、そんなに大きなものはできません。何階建てになるかはこれから実施設計をしていく中で出てくることでございますけれども、少なくともいま担当部局と調整をした結果、2DKで50室、50世帯分が限界だろうと。2DKで50世帯分が限界だろうというふうに予測が立っております。それから商工会の建物でありますが、これはもちろん補償はいたしますけれども、従来の、例えば道路に係る、あるいは公園に係る、公共事業に係る補償のやり方とは違っております。従来の公共工事による補償は、いわゆる移築工法と言いましょうか、再建をする費用まで含めた補償になります。ただしこの場合は、再建はしませんので、現存価格、建物の現存価格。例えば30年たっていたらその分を償却してその価格で補償するというふうな補償の方法になりますから、通常の公共事業の補償費よりは随分安めに算定をされております。

市営住宅が何階建てなのかを聞いているのに、市長は答えないで答弁を終えた。市長や市当局は市有地である市場の土地には高さの建築制限があり、7階建ての産業支援センターは建てられないといっているのだから、市営住宅が何階建てかは重要な問題だ。議長がそのまま進めようとするので、私は答弁されていない事柄を担当職員に答弁させるよう求めた。

〇 建築住宅課長(長山儀和君) お答えいたします。宮城康博議員のまちなか市営住宅の高さについてですけれども、いま現在アーケード通りの道路とそれから会場の反対側の道路が2項道路という形になっているものですから、当然斜線制限等がかかってきます。それを我々のイメージと言いますか、2DKをセッティングしてそれから前面道路の斜線制限もひっかかりますので、それを加味したところ50戸程度でだいたい7階程度ぐらいまでは何とか可能性が出てくるのではないのかなというふうに思っております。しかし、いろいろと一階部分の高さとかそういうのも今後基準法と照らし合わせながらやっていかないといけないと思いますので、今のところ7階程度ということです。

結局、この市営住宅も私が議員でなくなってから違う場所に計画が変更され、地域とのコンセンサスもなく混乱をよんでいる。
産業支援センターは、最初から商工会の土地と建物(ただし取り壊し)ありきである。その土地と建物はもともとNTTから商工会が購入したものである。それを名護市が購入する。誰かが売却益を受けて、最後は振興策(国民の税金)であがり。土地転がしの典型である。誰かとは誰だろう。私はしらない。

そいでもって、この「産業支援センター」に商工会は安価で入居するのみならず、指定管理者としてセンターの使用料等も全部自らの収入として運営していくことになる。それもビルの耐久年数いっぱいという計算で50年という長期にわたって。

商工会長の荻堂盛秀氏は現名護市長の後援会長。名護市はそんな田舎街である。

■談合がないと考えるのが難しい

「産業支援センター」を設計した業者は、末松文信副市長が市役所に入る前に経営していた会社・末松設計が発展的解消(?)をして設立されたAMS設計。4600万円近くの設計料は異常に高額であるといわれている。

名護市では、北部振興策等の補助事業は水増し予算が組まれ、水増し分が落札業者から談合の仕切り役のボスにキックバックされているとうわさされている。落札率は軒並み予定価格の95%以上である。ときどき鉄砲(談合破り)打つ業者がいて80%に落ちるぐらいである。これでは、談合がないと考えるほうが難しい。

私が入手した資料による落札率は下記の通り。

設計業務委託→97.8%
《1期》
 建築工事→80.9%
 電気設備工事→97.1%
 機械設備工事→98.7%
《2期》
 建築工事→83.9%
 電気設備工事→89.9%
 機械設備工事→92.6%

当時、市議会でも談合が話題になり、当局は入札予定日を変更して調査等につとめたりした。結局、談合はないという調査結果を議会は知らされるが、これが官製談合なら製造元である官が談合ありという調査結果を簡単には出せるはずがない。
「産業支援センター」に関しては、落札予定の業者ではなく鉄砲(談合破り)があったという噂である。それが建築工事の80%台の落札率としてあらわれている。
ちなみに噂では、落札予定社は新基地の浅瀬案を提案した方が会長を務める市内企業。落札したのは屋部土建という市内企業である。

モラルハザードを一掃せよ

「産業支援センター」はどんな産業を支援するのか。結局、既存の経済団体が入居する以外には、コールセンター等が入居する名護市が進める情報通信金特区の一環である。
名護市の基幹産業であった農業等の衰退は著しいものがある。それらに抜本的な対策を立てることができず、金融だ情報だと騒いで街の経済就業構造を変化させようとしている。しかし、名護市で失業したり貧困であえいでいる人々が、金融系や情報系の企業に勤めるわけでもなく、明らかに名護市は経済産業政策で現状に対して大いなるミスマッチを犯している。
これらが、高率の補助事業で行なわれているものだから、市民の血税でおこなっているという意識は薄れ、議会においても「富裕層をターゲット」などという言葉が職員から平気で出てくる。新自由主義は、軍事基地で地域を犯す前に人々の精神を経済で侵す。
貧困にあえいでいる市民が大勢いるというのに、何十億何百億もかけてこんな馬鹿げた政策を進められるのも、すべてが国の100%補助のような振興策だからである。
新基地建設に翻弄され続け、モラルハザードが起きているとしかいえない。

守屋容疑者は、沖縄では基地被害を受ける人と国のカネで儲かる人は違うという。私は彼のやった行為は何一つ認めることはできないが、その言だけはその通りと思う。このモラルハザードを一掃しなければならない。

う~ん、書かなければならないことがたくさんありすぎ。
資料を精査しつつ、どこかできちんとしたレポートを書きます。
ブログでは、本日はここまで。

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