沖縄ラプソディ
先月なんか、なごなぐ雑記は二回しかエントリをあげきれなかった。(はてなのnagonaguの日記はごちゃごちゃ書き飛ばしていたけど :-)
さすがに、活字になるものの最終ゲラの確認などに緊張していたのだった。やっとすべてが終わり、印刷製本も終えて明日には納本されるらしい。まだ、ブツを手にしていないので実感もなにもないが、はじめての書き下ろし227ページの単著『沖縄ラプソディ』がもうじき世に出る。御茶の水書房の編集者・橋本育さんの粘り勝ちである。私は何度途中で投げ出そうと逃げたことか。(実際そうやって企画流れにしたものが別の出版社だが過去に二つあり、私は前科者だ)
連休明けに印刷所に入稿しなければならない版下を抱えているので(これは、別件でDTPのお仕事)、今日もあまり時間はないが、とてもうれしいメールをいただいたので、そのメールを紹介すべく、エントリをあげることにした。
[E:book]
高文研さんから、2005年に緊急出版された『沖縄は基地を拒絶する』という本がある。“沖縄人(うちなーんちゅ)33人のプロテスト”とサブタイトルが付されている。在日米軍再編合意に関する異議申し立ての書である。私も33人の中のひとりの執筆者だった。
この本を読んだという東京在住の方から、昨日(メールヘッダーの日時は2008年10月8日 16:47)メールをいただいた。
とてもうれしかったので、本人のご了解をいただき、ここに紹介する。
[E:mail]
始めまして。
『沖縄人33人のプロテスト』読みました。小学校4年生の時に東京に引っ越した私にとって宮城さんの「観客は怒ってはいない」のフレーズに心が一瞬にして沖縄にシンクロしたような気がしました。
本当に東京では沖縄の問題に対して誰も関心はありません。
私も同じでした。1995年あの事件のとき私は垂れ流されるニュースを見て知ってはいましたがあまり関心を持っていませんでした。
その頃週末よく渋谷で仲間と遊んでいました。ある週末もお決まりのようにハチ公前で待ち合わせをしているとハチ公の後ろにある政治団体の婦人会のような人たちが沖縄の女性を招いて街宣活動を始めました。
何気なく耳に入ってきたのは1995年の事件のことでした。すると自分の頭のなかに走馬灯のように沖縄に住んでいた安慶名の街や近くにあった米兵相手のバーの女性たちが頭をよぎりました。
涙ながらに訴えるその女性たちを尻目に多くの若者が無視した状態でやり過ごして行ったのが印象的な風景でした。
「沖縄の基地はたしかこいつら守る為にあるんだよなぁ? なんでこいつらこんなにヘラヘラしてられるんだ? きっと自分の身内が同じ目にあってもヘラヘラしてるんだろうなぁ」と頭の中がクルクル目が回るようにフラフラしたことを思い出しました。
「観客は怒ってはいない」
ヘラヘラしてます。
40歳になって私は東京で小さな会社をやっています。子供も3人います。でも何かしなければいけないという勝手な使命感がたまに頭をもたげます。なにが私にできるかわかりませんが、皆さんの思いや精神を参考に考えて行きたいと思います。
宮城さんの意見は大変共感できました。
[E:end]
普通の生活者が、それぞれの場所で、「なんかおかしい」に気付くことがとても大切だと私は思っている。
社会には様々な矛盾があり、人々には様々な悪弊がある。人間不信にもなるし、嫌悪感に包まれるときもある。
それでもなお、あきらめないこと。アンドレ・プルトンだったかな、こんなふうに言っていたのは。
私もまた、そのような心持ちで生きていきたいと思う。状況は必ず変えられる。そう信じている。
メールをありがとうございます。元気をもらいました。
[E:flair]
あっ、そうだ。『沖縄は基地を拒絶する』所収の私のテキスト「幕を降ろせ!茶番劇はおしまいだ」は、nagonaguの日記に置いています。
幕は降りていない(nagonaguの日記2008.6.25)
それでは、本日はこれまで。仕事に戻ります。[E:dash]
[E:end]