ある朝、目が覚めると
相方 「ビラ配りで有罪なんだってよ」
オレ 「なんのはなし?」
相方 「マンションで共産党さんのビラ配って捕まったお坊さんの判決が出たって新聞に出てる」
オレ 「それは当然の判決だろう。だって共産党のビラ配ってたんだろう。ナチス支配下のドイツでユダヤ人が裸で歩いているみたいなものだよ」
相方 「そうね。私もアカっぽいて言われるから気をつけなきゃ」
オレ 「この国は、地球上で一番過酷な新自由主義政策を進めている国だからね。用心するに越したことはない」
相方 「おともだちにも電話して伝えておかなきゃ」
オレ 「自分の子どもの父親の心配をしろといわれるだけだよ」
相方 「ううん、あなたは民主党支持者だと思われているから」
オレ 「それがどうした」
相方 「革新系の人はみんなそう思ってるわ。だから大丈夫でしょ」
オレ 「逮捕しにくるのは、革新系の人じゃないだろ」
相方 「そうね」
ここまでは、リトルリアルな今朝の会話。最初は私が始めたジョークだったけど、だんだん不安になってきた(笑)。ゴンと朝の散歩をしながら、私の脳内会話が少し続く。
相方 「なんで」
オレ 「共産党は日米安保を認めているか?在日米軍を認めているか?」
相方 「認めていないんじゃない」
オレ 「翻って民主党はどうだい」
相方 「認めている」
オレ 「それが彼と我の大いなる違いになるんだろうね」
相方 「でも民主党はアメリカの戦争には付き合わないんでしょ」
オレ 「だからどうしたっていう程度問題だねそれは、本質ではない」
相方 「なんかイヤね」
オレ 「判決ではマンション住民の《財産権》の侵害を言い募るが、沖縄の米軍基地に接収された住民の土地の財産権を葬り去る特措法が民主党も賛成して圧倒的多数で可決したのはそんなに昔の話じゃない。この国は憲法の上に安保がアメリカがいることに変わりはない」
相方 「まともなのは共産党さんだけ」
オレ 「社民党は村山政権時に沖縄県知事を訴えた張本人だからね。この国の政治はアメリカからの頚木を逃れられないよ」
相方 「なんかすごい世の中よね」
オレ 「反共を言い募る人々がリベラルや反体制を気取る人々にもいるけど、みえない檻の中で暴れているサルのようなもんさ。体制には怖くもなんともない」
こんな会話をしていると、頭上を戦闘機が爆音を撒き散らし飛んでいった。
相方 「えっ、なんか言った」
オレ 「いや、人間はサルに戻ったほうが地球という生命体のためにはいいだろうと言ったんだ」
相方 「そうよね。人間は地球のガン細胞だっていうしね」
オレ 「ところで、新自由主義機械に組み込まれない程度に生きる糧を得る算段をしなければ。そろそろ仕事に戻るね」
相方 「行ってらっしゃい。あっ、ゴミ出しといてね」
そんな脳内会話を終えて、私とゴンは家に戻ってきた。
ある朝、目が覚めると、世界がなにも変わっていないことに愕然とする。私たちは冷戦時代をまだ生きている。いやそうじゃない15年戦争はまだ続いている。悪夢ではない、これはリアルな現実だ。
アウシュビッツに残る靴の山。履いていたひとりひとりの人間を思え。イラクでアフガニスタンで殺される人を思え。目を閉じるな、そこから歩きはじめろ。涙よ、こころで止まれ。生きよ。
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