宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

さらば自公!沖縄はあきらめない(回顧07年1月編)

0130_1沖縄は日差しがまぶしい。もう夏。日曜日のまどろみの中で、参院選後をもにらみながら「今年前半を振り返っておこう」などと思いつき、自らのエントリーを読み返してみた。

ほんとうは、ざっと半年のエントリーを整理しようと思ったのだが、1月だけであれもあった、これもあったになってしまって、整理がつかない。

本日は、今年の1月を振り返る。

名護市への新基地建設は、V字型に滑走路が二本もある沿岸埋立ての建設計画である。10年前には騒音や自然環境への配慮など様々な理由で、沖合・撤去可能であった計画が、10年たって、より酷い形で昨年日米合意した。これだけでもアンビリーバブルな展開である。

今年の1月早々に、キューマ氏は発言した。

久間発言の波紋(07.01.06)

滑走路は一本のほうが、リーズナブルで予算的にはいい。地元の要望を聴きながら、(計画変更を)検討していきたい。いずれにしても、ジュゴンの餌場である海草藻場を移動することを検討しなければならない。それがキューマ氏の発言の大意であった。

藻場移植(07.01.08)

翌々日ぐらいには、防衛庁は「藻場の移植可能性を検討調査」する補正予算(06年度)を計上した。キューマ発言とは別で、あくまでも政府案(滑走路二本のⅤ字型)を前提とした調査である。

現在の計画では、ジュゴンの海草藻場の破壊は回避できないということを政府防衛省は知っている。→環境大臣を経験したコイケがどうするか興味あるとこだろうが、コイケはそんなことでナイーブに悩み次善策を検討するタマではない。

久間発言TVニュース(07.01.09)

キューマ発言を受けて、米国は「もはや移設案の内容を議論する段階ではない」とすばやく反応する。米国にとっては、SACO合意から十年を経て実現できていない普天間移設(というより海兵隊のより使い勝手のいい新型航空基地建設)を、どうにか実現したいと躍起である。パッケージという表現は、“失われた十年”のように歌舞伎芝居(だれもが実現できないことを知っているが、実現できるかのように演じている)をさせないという意思の表れなのだろう。

転がるように(07.01.13)

失われた十年”の一方の当事者である沖縄側は、政府に妥協地点を示している。この妥協地点は、この十年間で、名護市辺野古区が、これだけは死守するといっていた「平島・長島」を提供したり、原則も放棄したズタズタズブズブの妥協である。しかし、政府がこの妥協を受け入れることはない。米軍再編の日米協議で、米国側が提案したシュワブ沿岸のリーフ内を埋め立てる「浅瀬案」を退けるために出した「環境問題」(海草藻場等への影響を可能な限り最小化する)という論理立てをすべて失うことになる。

措置される日(07.01.18)

日本政府と沖縄側の、協議が始まる。その名も「普天間代替措置協議会」である。辞書によると、措置には1.事態に応じて必要な手続きをとること。2.物事をそのままに打ち捨てておくこと。などの意味がある。政府は、1の意で命名したのだろうが、沖縄側と政府側の意向は衝突したままである。

そっちの措置かぁ(07.01.20)

沖縄側は、修正案を協議会に提示するといきまいていたが、結局、非公式扱いされ、協議会には沖縄側からの修正提案はなされていない。措置協議会は、物事(沖縄側の意向)をそのまま打ち捨てておく「措置」の協議会になった。
にもかかわらず、建設のための既成事実だけが進行していく。現在も続く、アセス手続きとは別立てで行っていると政府が強弁する環境破壊の環境調査は、そのようなデタラメの中でゴリゴリ進んでいるのである。「地元の意思」も、選挙結果で選ばれた首長と世論の意思が乖離しねじれる。沖縄では矛盾が極限まで進んでいる。

return to 2005(07.01.22)

はたからみていると、いまいちわからないのは、名護市や沖縄側が要求しているのは何なのかだろう。名護市側は滑走路の沖合移動を「騒音軽減」を理由にしているが、だとしたら「V字型案で合意なんかするんじゃないよ」というべきだろう。
結局、名護市の要求は、05年に名護市土建屋で土建市政のフィクサーでもある仲泊というおっさんが提示した「浅瀬案」に近づける要求でしかない。埋立て等にかかわる利権が渦巻いているのかもしれない。
仲泊は自身の浅瀬案について「騒音は増すだろうが規模が縮小される」とメリットを言っていたことを考えると、V字型案は規模が拡大しており、滑走路だけ浅瀬案に近づけるということは、規模拡大で騒音増大のサイアクでしかない。

議会は踊る(07.01.25)

市議会も、「騒音軽減」などの根拠も不明確のまま、とにかく市当局の浅瀬案への修正要求を後押しする。

続・久間発言の波紋(07.01.28)

キューマ氏はいろんな発言をしてきたが、彼がおこなった「武器輸出3原則」について「米国と欧州が共同研究するようなものは日本も参加して、世界共通の武器技術ということで(開発を)許していいのではないか」という発言は、注目する必要がある。日本国は、日米という枠組みだけではなく、日米欧という枠組みの中で武器ビジネスに参画する意思がある。→キューマへの米国の警戒は、そこいらへんにもあるかもしれない。

地元の意見(07.01.30)

こういう状況の中で、政府は、紋切り型に「地元の意見に耳を傾けながら」計画を進めていくと発言し続ける。私の知っている名護市の幹部は、この基地建設を「大型公共事業」と言って憚らなかった。市長選挙でも、政府と協調することで利益誘導を図ろうとする人物/勢力が勝利する。名護市においては、基地建設は経済問題になって久しいものがある。

市会議員として私は、であるなら事業で喪失する公共性の大きさを図ることで、立地・誘致に無理があることに気づいてもらおうと思ったが、市の幹部や誘致派の諸君は「自然か人か」という屁理屈を言い出す。

この場合の人は、大型公共事業で地域振興を進め束の間の経済活性化によって生きようとする人のことであり、良好な自然環境・生活環境を失い内なる自然をも破壊し塗炭の苦しみを味わう人のことではない。しかし、人はその両者でありうる。

押し付けられ、出口をふさがれ、恫喝される中で、人々の意識は揺れ動き続ける。長い年月の間には、言葉にできない慟哭の夜もある。心震える希望を手探りする朝もある。

押し付けている人々に、「地元の意見」をよく聞く事はできないだろう。

ジュゴン現る(07.01.31)

状況が混沌としてくると、かならずといっていいほど、ジュゴンが現れてテレビや新聞に報道される。躯体で体当たりをするぐらいしか闘う術を持たずに、海草だけを食べて生きてきたジュゴン。陸から海に還っていった哺乳類のなのに、海草は沿岸域にしか生えないから、どうしても人間活動の近くにいてしまう。それで危険に晒され、絶滅が危惧される種になってしまっているジュゴン
私には憲法9条のように思える。風前の灯のような9条にするか、今こそ未来への叡智とできるか、私たちにすべてがかかっている9条。

そんなふうに、今年一月は始まっていった。

参院選の結果いかんで、この問題がドラスティックに好転するとは思えないが、結果いかんで、どうしようもない領域に強行突入することは充分予想できる。

冷静に議論し、冷静に科学的調査を行い、冷静に判断できるようにしよう。現在は、科学的知見もへったくれも関係ない、闇雲な政治判断だけが先行している。沖縄・名護市では、法治国家としての体面さえも危ういものになっている。
いま、ここ(沖縄)で起こっていることは、あまりにも恥ずかしく恐ろしい国家の暴走である。県民世論の8割近くが反対している国家施策に、自治体が手を貸している姿も恐怖であり恥辱である。民主主義は機能しない。
どうにか、この政治状況を変えなければ。

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今日も、最後まで、読んでくれてありがとうございます。
沖縄はとても暑い。九州地方は大雨がすごいみたい。
お体に気をつけてご自愛ください。

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