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宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

米軍沖縄統治破綻後の統治システム「地位協定」

本日の琉球新報文化面で、「コザ騒動」についての仲本和彦氏(戦後史研究家)の論考が掲載されている。毎週火曜日に連載されている「瀬長亀次郎日記」と連動する形で沖縄史のトピックを取り上げる記事である。

本文には【沖縄統治の破綻を象徴】と大きな見出しが付されている。

本文の下に一次資料として掲載された、ランバート高等弁務官の電文末尾には、このような緊張状態は「おそらく日本政府による施政権行使が開始され、地位協定が効力を発するまで続くであろう」とある。
県民の人権は無視され「自治は神話だ」と高等弁務官に喝破された米軍施政権下の沖縄。高等弁務官が「地位協定の効力を発するまで」続くと考えた沖縄統治の破綻状況を終える「地位協定」とはなんなのか。「復帰」とはなんであったのか、沖縄の現在をどのように考えるべきか。
資料として、《続きを読む》に、当該の国務省文書を転載しておく。


琉球新報2009年6月2日朝刊19面

[E:clip]
「開封」一次資料は語る

ランバート高等弁務官はコザ騒動の意味を次のように分析していた。米国国立公文書館所蔵国務省文書から一部紹介する。(抄訳 仲本和彦・戦後史研究家)

1971年1月13日付東京大使館発国務省宛電文「コザ事件の意味」

1・(前略)この電文は高等弁務官から大使館に送付された分析である。

2・コザ騒動に対する住民の反応はさまざまだが、概して大使館からの電文に記述された本土での報道の通りである。多くの住民は、これは自然発生的な暴動で、米国による「占領意識」と住民の人権に対する配慮のなさから起こった数々の出来事が積み重なった当然の結果と見ている。(中略)

3・コザ騒動は、これまでの沖縄における反米事件とは違う前例のない現象と見る必要がある。全軍労ストやB52撤去デモは、容易に特定できるグループによって明確な目的を持って事前に計画された組織的行動であった。しかし、現時点で知りうる限り、コザ騒動は計画さえたものでもなければ前もって策略されたものでもない。ただし、一時間という短時間に反米の扇動者らによってすばやく利用されたという事実には注目する必要がある。

4・軍法会議による裁判権の一部移管や毒ガスの即時撤去という住民の要求に応えられなかったことは、短期的に見て、米国に対する感情を悪化させることになろう。返還前のこの時期、住民は将来に対する不安と緊張の中にあり、来年日本に移管されることは決まったものの、現在はまだ米国が持つ権限に対して、心理的抵抗感を持つだろう。このような状況の中、どのような形の事故であれ、それを防ぐために最大限の努力がなされたとしても、同様の騒動が起こる可能性がある。また、敵対的とは言わないまでも我々に理解を示さないマスコミは、さまざまな出来事に関する我々の公式声明を故意に歪曲し、道理にかなった説明をしようとする我々の努力を台無しにし、状況を悪化させてきた。また、反基地運動グループは沖縄の状況と米国に不利な事件を利用しようとしている。

5・コザのショックは、復帰や基地といったさまざまな問題に関する地元世論を受けて、米国政府に対する琉球政府の態度を硬化させ、評判の悪い種々の問題について米国の足を引っ張ることになろう。軍法会議琉球政府の傍聴人を参加させる計画の発表は、現在の緊張状態を改善するかもしれない。また、毒ガス撤去のスケジュールを早めるという発表が行なわれれば、その緊張状態はさらに和らぐかもしれない。

しかしながら、コザ事件に関する我々の分析結果は、それが琉米関係における新たな、ただし、あまり都合のよくない時代の始まりで、少なくとも復帰や基地に関する主要問題が解決するまで続くというものである。そして、おそらく日本政府による施政権行使が開始され、地位協定が効力を発するまで続くだろう。

[E:hairsalon]