宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

アベ政権による“自爆テロ”=詭弁考(追記あり)

Kiben_1共同通信の配信で、23or24の地方紙及びネットに記事が出ている。
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社保庁労組は「自爆テロ」 小池防衛相

小池百合子防衛相は23日、参院選応援で訪れた佐賀県唐津市での演説で、社会保険庁労働組合について「年金の仕事をせず、支持する野党の選挙応援をしゃかりきにやってきた」と批判。「年金問題で混乱すればするほど、日本をガタガタにしようという彼らの目標に近づき、運動は成功を収めるという、まさに自爆テロという話になる」と述べた。

さらに「親方日の丸に守られながら、日の丸が大嫌いな労働組合ときている。おかしな話だ」とも語った。

社保庁年金問題については、安倍晋三首相も遊説で「自爆テロによる改革妨害」などと批判している。
共同通信社

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参院選の投開票日まで、27/金、28/土、29/日である。ゆめゆめ油断召されるな。
本日は《詭弁》について考えてみる。
なお、同発言についてはossannさんによる「日々の思い-自爆テロの詭弁性を検証する」の論考がある。多分に参考にさせてもらった。一読していただきたい。

これと同種の発言は、共同記事にもある安倍晋三首相のみならず、6月ごろから中川幹事長が講演や自身のホームページで発言し続けている。そういう意味では、小池百合子ひとりの見識というより、自民党あげての戦略的レトリックと考えるべきだろう。

辞書によると【詭弁】とは、

  1. 道理に合わないことを強引に正当化しようとする弁論。こじつけ。「―を弄(ろう)する」
  2. 《sophism》論理学で、外見・形式をもっともらしく見せかけた虚偽の論法。

ということになるらしい。ああ言えばこう言うとか、ああ言えばジョウユウ(懐かしい?)、みたいなもんである。

■国民に対する“テロ”(恐怖政治)は

自民党の“社保庁の労組は自爆テロ”という発言の“自爆テロ”は、社保庁職員が自らの長年の犯罪的失態を暴露し自ら爆発した“テロ行為”という意味なんだろう。その発言のネライは、社保庁労組を悪者にすることで、政権与党である自らの責任への批判の矛先をずらそうというところにある。国民の公務員嫌いを煽り、それに乗じて、支持を調達しようというのである。

普段いかないウハブログを眺め歩く(なかには私の炉心溶融の落書きと記事を“差別”で“公選法違反”と心配してくれる記事もあった、少しドキドキ:)と、このレトリックに従順に呼応して危機感を煽るブログも少なからず散見するが(まぁ、そうでなければ自民・公明が多数派である現状はない)、権力に洗脳され公務員叩きを反復するだけの言説がほとんどである。叩くべき公務員の最たるものが、甘い汁を吸い、悪しき事実を隠蔽してきた権力者であることに想像力は働かない。

国会における民主・社民・共産など野党及びジャーナリストやメディアの努力により明らかになった年金問題は、昨日今日発生した問題ではない。私たちは知ら(されて)なかったが、歴然とあり続けていた問題だということは誰にも異論のない事実である。それが明らかになったことで、解決への道筋がはじまったということは、国民生活や年金問題に関して一歩も二歩も前進である。
自民党がいう“自爆テロ”が爆破する対象は国民生活ではなく、国民生活を破壊する犯罪的失態隠蔽という行為であり、これは好ましいことではないか。

自民党年金問題で混乱して“日本はガタガタ”というが、ガタガタになったのはその問題を隠蔽し続けてきた責任政党・自民党である。ガタガタの年金やガタガタにした責任政党をそのまま放置していたら、それこそ国民生活はガタガタ破綻する。国民の側から見れば結果的に膿が出て良かったのである(現段階の最大の膿出しは参院選での自公過半数割れである)。自民党の“日本はガタガタ”というレトリックには、日本=自民党という横柄極まりない認識の誤りがある。

自民党の言うような社保庁労組による事実の暴露など“自爆テロ”があったのだと仮定(少なくとも保坂展人氏の発言を信じるなら社民党内部告発など一切なく、社保庁の資料を細かく分析して問題を発見している)しても、それは、奨励されてしかるべき内部告発である。これを社会的恐怖を煽る“自爆テロ”などという言葉で非難するのは、問題を隠蔽したい側が強引に自身を正当化するために持ち出す論理のすりかえ=詭弁でしかない。

年金の犯罪的大問題を現政権は知っていたし社保庁と一緒になって隠し続けてきたことは明らかだ。現在でも社民党など野党の調査に政府与党は抵抗し徹底的に隠蔽工作をしている。…詳細は社民党衆院議員保坂展人氏の《保坂展人のどこどこ日記》の年金問題に関するエントリーを参照していただきたい。ウンザリする政府のアカラサマナ姿勢がある。

自民党のいう“自爆テロ”の攻撃対象は国民を騙し続ける政府及び政権与党であり、攻撃は隠されていた大問題を白日のもとに晒したのである。すなおに考えて、それは非難されることではない。そんなことを思考もしないで鵜呑みにできるのはネトウヨと呼ばれる諸君だけだろう。

自民党の“社保庁労働組合自爆テロ”というレトリックをほぐしていけば

事実を隠蔽したい権力者の側からみれば苦々しい“自爆テロ
事実を知り解決を望む国民の側からみれば賞賛すべき“内部告発

そういっていいのではないか。

犯罪的年金問題を隠蔽し続ける自民党が、「自民党があなたの年金を守ります!」とか「改革実行力自民党」といっても、「自民党があなたの年金を食べます!」とか「でたらめ実行力自民党」のようにしか響かない。

自民党は“テロ”という犯罪をイメージする言葉を口にするが、国民に対して“テロ(恐怖政治)”を行なっているのは、自らの隠蔽体質を改革せず、社保庁を解体して証拠隠滅すら図る無責任政権のほうである。その“テロ”は国会で白昼堂々強行採決として行なわれている。

かくして、自民党が強弁する“社保庁の労組は自爆テロ”発言は、自民党公明党=政権与党に跳ね返る詭弁であることがわかった。《“自爆テロ”その身にかえる、詭弁かな》である。

■権力欲だけの固まりに、権威など存在しない

それにしても、このような詭弁を、6月時点で幹事長が発言して、いよいよ選挙で劣勢になると首相も切り札レトリックとばかりに拳を振り上げ演説で絶叫し、政界渡り鳥の異名をとる小池百合子防衛大臣が嬉々として歌いだす。この政権は、明らかにアフォでキケンな政権である。

Koikebouei防衛大臣や総理大臣という職責がどのようなものなのか、その大臣らが“自爆テロ”などと国民の行為を指摘することがどういう意味をもつのか、このおばさん(&首相)は考えもしないだろう。こんなおばさん(&首相)の指示で、国家公務員の4割を占める防衛省自衛隊の諸君が動くのだ。

貧困、切り捨て、遺棄、排除、無視、敵視…、政権に批判的な(そうではない無自覚な追随者も含めて)すべての人の命は狙われる。「親方日の丸に守られながら、日の丸が大嫌い」をおかしいとする感性は、民衆の批判的想像力や、現状をよりよくしたいとする批判的行為もすべて《国民なのに国家批判などおかしい》と断じる専制君主の感性である。その感性からは、政権に逆らうものはすべて犯罪者であり、言論のみならず(それが非暴力の市民的不服従行為でも)行でその意を示すものは、国家が独占する暴力手段で排除する存在でしかない。今現在、辺野古で起きている現実は、禍々しいその先行事例である。これは未来予測ではない。

政権を担うものたちが、選挙戦で国民の行為を“自爆テロ”などと断じることは、レトリックとしても最低である。自ら持ってしまった権力に対する緊張感もなく、権力を成り立たせている権威についても意識できていない。安倍晋三の、言葉遣いだけは丁寧そうで、言っている中身や、相手を侮蔑したような態度は、権威を地に失墜させるにあまりうる内容と外形をもっている。一昨日のエントリー《怒れる「おばさん」》で紹介した、市井にある“おばさん”の感性は鋭く本質を見抜いている。

【追記】
ゴンベイさんにコメントで、ヤメ記者弁護士さんの「安易に「テロ」という用語を使わないBBC~日本のメディアもいかが!【安倍も安易に使わないでね】」というエントリーを紹介され読んで知ったことだが、とても大切な情報なので本文でも紹介しておく。
英国のBBCは編集ガイドラインで、安易に「テロ」という用語を使わないよう定めている。詳細は上記リンク先で確認して下さい。
BBCガイドライン「テロリストという用語は、理解を助けるよりも理解を防ぐバリアとなりがちであり、その使用を避けなければならない」とし、私達の責任は、客観的に伝えるに止まり、視聴者にだれがだれに何をしているのかについて自分自身の評価をさせることである」としている。垂れ流し報道をする記者クラブの方々に読んでもらいたい。
政権担当の政治家たちが、自らへの支持調達のために国民の行為を“自爆テロ”と糾弾して恥じない日本は異常である。
このガイドラインに沿って考えると、小池大臣らの発言はもっと理解しやすい。

自爆テロ”という用語を使うことで、年金問題への理解を助けるのではなく理解を防ぐバリアとする。有権者に、年金問題について社保庁労組及び民主党らが酷いことをしているのだと思い込ませ、自分自身の評価をさせないためである。

そこには、“テロ”に対する市民社会の恐怖や、犯罪性の深刻さに対する配慮など微塵もない。あるのは下衆なレトリックだけである。こんな人たちが、防衛大臣であり総理大臣であり、自民党の幹事長である。

 …ちなみに本稿で私は「テロ」という用語は“”で括るぐらいの配慮はしている。それでもダメといわれたら肝心な用語を全部伏字で批評するしかない:)
しかし、逆転テーゼで批判対象を“テロ”呼ばわりしたのはよくない。反省。

------以上追記11:30

権威主義は唾棄すべきだが、この社会を成り立たせる民主主義のルールに立脚する必要最小限の“権威”(憲法では“その権威は国民(=主権者)に由来し”とある)は尊重すべきだと私は思っている。しかし、アベ政権にそのような“権威”は微塵も感じられない。

昨日のなごなぐのエントリー《少年官邸団の悪あがき》にある「負けても首相であり続けるもん」というのは、自らの権威/権力の源泉である「国民=主権者の意思など踏みにじるもん」宣言という政権の自殺行為である。

こんなやつらに政権をまかせていていいわけない。自公には、もう少しましな政治リーダーはいないのか?だとしたら、即刻下野して政権交代すべきだ。そうすべきだと固く信じる私の今の心性は、愛国主義者のそれとあまり変わらないだろう。私は故郷や家族を愛する気持ちで、この国を愛する。この沖縄差別のクソッタレの日本国も変わりうる、そう信じていなければやってられないじゃないか。

Frog_1つらつらと考えるに、こいつらには権力欲だけしかないのだろう。権力は腐敗するという根本原則が様々なところで露呈し、それを隠すこともあきらめ権力の亡者たちは詭弁で開き直る。こいつらはあきらかにこの国にファシズムをよぶ。ヒトラーナチスはドイツにおいて、選挙という民主的手続きで多数派になり政権を獲り蛮行に及んだ。そんなこと学校で勉強しなくても我々は知っている。
我々は、主権者としていまこそ、断じて自民・公明に圧倒的なNO!を表明しなければならない。

ともに生きるために、自民・公明を落とそう。ここは、一歩たりとも退けない。踏ん張り続けよう!

投票者を増やそう!
靖国派が跋扈する)民主党一人勝ちは危ない、願わくば(あんまり自公落選以外のおせっかいな主張はしたくないのだが)社民・共産の護憲勢力を伸ばそう!

参院選の投開票日まで、金、土、日。もう三日しかない。参院選までは、好きな酒を断ってでも読書の時間を削ってでもブログの更新を続ける…誰にも期待も課せられもしてないけどね:)


本来なら、もっと平易で穏当な言葉づかいで書かなければならないんだろうけど、毎度のことながら勢いで書き飛ばしてしまった。多弁を弄したけど、もう時間があまりなく、推敲も、文体の配慮もできない、ご容赦を。

読み飛ばして、とにかく自公への「怒り」と「問題だぁ」という思いだけ、感じてくれたら幸いです:)

今朝は暗いうちから早起きしてしまい、たっぷり思考を楽しんだ。
沖縄は晴れ。我が家の回りでは、もうセミが鳴きだしている。
今日も汗たらして(クーラーないので座ってても汗かくだけ)仕事する。

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Unagiinu

あっ、忘れてた、年金問題での“自爆テロ”といえば、やっぱこの人だよね:)

もうほとんどの人は観たと思うけど、衝撃のサンプロをまだのかたはどうぞ、爆笑間違いなし、観ないと後悔する。

http://video.google.com/videoplay?docid=6163815463342138809