宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

庁ではなく省なんだもん

Bouei_2 左図:庁から省に移行したことで作成された防衛省のロゴマークをまねていたずら描きしてみた。
防衛省が沖縄を刺し殺そうとしている。その腕は、訓練を施された軍隊の腕である。

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防衛庁は、今年の1月9日に、内閣府の庁から大臣を頂く省へと移行した。

昨年9月に発行した《防衛庁の省への移行―法案のポイント―》という発行物で、防衛庁はその必要性を一生懸命に説明している。

防衛庁防衛省にする必要性を、防衛庁

北朝鮮の弾道ミサイル発射の教訓】から

【米国防省と対等に交渉し得る「組織」であることが必要】と導き出し

【米軍再編(基地問題)の教訓】から

【米国との交渉や地方自治体等への対応について、責任と権限を持って調整し得る「組織と能力」が必要】というテーゼを導き出した。

今回の、新基地建設のために自衛隊動員するという事態は、米国防省と対等に交渉し得る「組織」である防衛省が、責任を持って調整しうる「組織と能力」をもって事に当たり、日米合意事項を実行するための当然の措置なのである。

しかし、自衛隊が動員されるということは、そんなにヤワな話しではない。施設庁という立場に身をヤツして行なったとしても、軍隊が動いたという事実は変わらない。

5月12日のブログでも書いたが、国会における赤嶺政賢氏の「自衛隊が動いたという報道だが事実か」という質問に答えて、防衛省の運用企画局長である山崎信之郎局長は

私自身も、いまはじめて、委員のご指摘を受けて知った次第でございますので、軍務の個別具体的な活動については、いまのところ把握しておりません。恐縮でございます。

と答えている。
防衛省の資料によると、運用企画局は《自衛隊の行動、国際平和協力活動、部隊訓練、情報通信等に関する事務を処理》するとある。
運用企画局長が把握していない、自衛隊の行動とは、関東軍の再来なのか。シビリアンコントロールが、機能しているのか疑わしい大問題である。

防衛庁防衛省にしたのは間違いではなかったのか。いまさらながらに問われてしかるべき事態である。

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「仕事」に入る前に、一段落したら自衛隊動員について「論壇」を書こうと思っているので、資料チェックし新聞社のサイトを一通りみてみた。

調査機器あす設置 海自艦も作業支援琉球新報

県知事は自衛隊動員について

「何のために来るのか分からない」
自衛隊は(沖縄が復帰して)35年間やってきたことがどうなるのか」

不快感を示し、県民感情への懸念を表明しているようだが、自らが自衛隊を招き寄せていることを自覚していらっしゃらない。
新聞記事(記者)の憶測によると政府は

自衛隊投入を誇示することで反対派の動揺を誘う狙いもあるものとみられる。

おいおい、ほんとうなのかよ、と思わざるえないが、それよりもアホクサとしか思えない。
反対派の動揺を誘うとかいう《狙い》を詮索するより、国家権力が行なう自衛隊動員がどういう問題なのかを、新聞は検証すべきではないか。

反対決議を撤回 辺野古区行政委「建設なら要望実現を」琉球新報

記事によると辺野古区長は次のように発言している。

「撤回したと言っても、(代替施設建設に)賛成ということではない」
「建設計画が進むのであれば、久辺3区の要望を100パーセント実現していくことが望ましい」

反対決議撤回という“能動的”な動きは、賛成を意味するわけではない。
じゃ、なんなのかというと、“地元の要望を実現しつつ建設してくれ”という意思表示らしい。

97年の市民投票のときに「経済効果や環境対策に期待できるので賛成」という項目が入れられたが、あのときも「経済効果」しかこの人たちはみていなかった。

今回、政府(防衛省)は、騒音軽減が期待できない中で海草藻場等の破壊面積を拡大するわけにはいかないと、沖合移動を拒否している。そのなかで、と にかく沖合移動を執拗に強調し続けることは、客観的な指標に基づく騒音懸念ではなく、体験的な直感に基づく基地被害懸念でしかないのだろう。だとしたら、 こんなもの賛成しなければいいだろうに、経済効果だけは手放したくないらしい。

無限後退していることを本人たちは知らない。あわれである。

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【追記】19:54、もう家に帰る

本日の沖縄タイムスに《沖縄返還交渉「基地削減 議題ならず」/外務省吉野元局長》の記事が出ている。

安全保障政策をまともにもたずに、対米追随・対米協力を進める図は相変わらず。防衛省になって、政策立案能力を持ったと豪語するが、それは日米軍事再編の中における対米一体化という枠組みの中でしか許されない能力。

やる気になっている防衛省自衛隊のみなさんには申し訳ないが、この国の防衛・軍事政策はシビリアンコントロールではなく、アメリカンコントロールでしかない。

自衛隊が米軍基地建設のために沖縄に派遣されるという事実が、すべてを物語っているではないか。

沖縄に対する差別論をだれか、まともに考察してくれないかな。