みやぎブログ

演劇・戯れ・政治

友の足音

 

 夜のなかを歩みとおすときに助けになるのは橋でも翼でもなくて、友の足音だ、ということを、ぼくは身にしみて経験している。ぼくらは夜のさなかにいる。ぼくは、ことばでもって闘争しようとつとめてみて、そのときにわかったのだが、夜に抗して闘争する者は、夜のもっとも深い暗黒をも動かし、夜をも発光させなくてはならぬ。

ヴァルター・ベンヤミン著作集14/晶文社刊)

関西へのたびから帰ってきて、お世話になった大西さん家族や、一緒に過ごした子どもたちや、新しい生活のことを思いながら、「友の足音」に耳をすましていた。

ほんとうに久しぶりにベンヤミンの本を開き、書簡集から野村修氏の紹介で有名なその1節を読んでみる。

夜のもっとも深い暗黒をも動かし、夜をも発光させなくてはならぬ

24歳のベンヤミンは友人に語りかける。1916年末、第一次世界大戦の最中。3年後にはドイツ敗戦で終戦、ドイツにとってあまりにも過酷なベルサイユ条約が批准される。光と闇の20年代が訪れ、ヒトラーが政権を握り第二次世界大戦に突入する。

集団自決修正、従軍慰安婦問題、改憲、すべてが夜の闇の深さを知らせる。私たちは夜のさなかにいる。夜のもっとも深い暗黒をも動かすことで、夜そのものを発光させなければならない。

友の足音に耳をすましつつ、私は夜に抗して闘争していきたい。

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友人知人への個人的インフォメーション

4月1日夜8時20分息子が産まれました。母子ともに健康です。
二人で一字ずつことばを持ち寄り、名前は森海(もりうみ)と名付けました。