宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

ブヒ字溶解

昨日の午後から大事な私用で、一泊二日で大都会那覇に出かけていた。
雨の中を友人と昼食にありつくために、教育基本法改悪についてのおしゃべりに熱中しながら久米界隈を歩いていた。「沖縄そば」の小さな看板をみて「まるで沖縄みたいだなぁ」とつぶやいてしまった。どこを歩いているつもりだったのか、今でもよくわからない。わたしは少し狂っているかもしれない。
今日は一日雨だった。
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今朝の朝刊で報道されているが、共同通信の配信記事だからなんだろうけど、タイムスや新報のウェブ版には出ていない。共同通信社のウェブ記事から紹介する。

訓練で住宅上空飛行 普天間移設、認識に落差

米政府が米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の代替施設として日本と合意したキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)での「V字形滑走路」計画について、乗員の生命にかかわる緊急時だけ周辺の住宅地上空を飛行すると対外的に説明している日本側を批判、訓練や有事でも住宅上空を飛ぶケースがあり得ると伝えていたことが分かった。複数の日米関係筋が13日、明らかにした。

日米は今月4日の米軍再編協議で、米軍機の着陸ルートに設置する進入灯について、住宅上空を飛ばない方向からの2カ所に限定すると合意した。しかし米側が訓練などでの住宅上空の飛行を想定していることで、騒音被害や墜落事故を懸念する日本側との認識の落差が明確になった。

日米関係筋によると、米側は4日の協議で、代替施設では戦闘機を使用しないとの日米合意に触れ、戦闘機以外の機種を幅広く運用する考えも表明。KC130空中給油機や輸送機を使用する方針を伝え、日本側は「代替施設は普天間飛行場から移設されるヘリコプターを想定している」と難色を示した。

実名での発言ではなく《複数の日米関係筋》というところが残念だが、「ウソとマコト」でも書いたけど、ウソをついているのは日本政府のほうであろう。久間さんも衆院安全保障委員会で公然とウソをついたのだから、省になろうというところの国務大臣の発言としては許されるものではない。

ブヒ字案受け入れの根拠が溶解しているのだから、名護市も「政府に合意を遵守してもらう」などの空疎な議会答弁を繰り返すのではなく腹を括るべきだ ろう。議員も黙って聴いている職員や市長に向かって大声で自論を主張するだけでなく、合意根拠が崩れた場合の市長の対応についての言質ぐらいとるべきだろ う。たとえば

  1. 名護市防衛庁の合意の根拠は何か
    →住宅地上空を飛ばない一方通行規制のV字滑走路
  2. 何をもって根拠が崩れたと判断するか
    →一方通行規制が遵守されると客観的に判断できない場合
  3. 根拠が崩れた場合どうするか
    →合意に基づいて協議を重ねた後に、(1)合意撤回(2)新たな計画に基づく新たな合意
    ※現実的には(2)は日米の再編合意&ロードマップ合意があり可能性はない

せめてこれぐらいは質問設計し論理的に畳み込んで言質をとってほしい。上記の記事だけでは、発言主体が《複数の日米関係筋》でしかなく、なかなか踏み込んだ言質をとるのは難しいだろうが、明らかになっている事実を重ね合わせて質問していくことは可能である。
沿岸案をブヒ字にしたことで「概ねバリエーションの範囲内であり公約違反ではない」と豪語する名護市。さらに住宅地上空を飛ばないというブヒ字の根拠が崩れても、まともに問題化されないとしたら、このような政治状況はなんと形容したらいいんだろう。
名護市長選挙も沖縄県知事選挙も、アプリオリに保革の戦いと位置づけたい一部の人々にとってはあまりにも単純(革新が市政を担っていないから)なんだろうが、わたしにはそんなに単純な問題とは思えない。
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タイムスの朝刊には、《辺野古沖案断念「反対派の妨害原因」/防衛庁副長官/V字案頭越し否定》の記事が出ていた。
反対派の妨害うんぬんについては、様々な論者が反論を試みるだろうから言及しないが、《V字案頭越し否定》について書き記しておきたい。
防衛庁木村隆秀副長官は13日の衆院外務委員会で次のように答弁している。

「昨年十月二十九日の2プラス2共同文書の内容(中間報告の沿岸案合意)については、ギリギリまで米側と交渉しており、交渉の段階で地元に報告できる状況ではなかった」

「周辺地域上空の飛行を回避する観点から四月七日に名護市宜野座村との間で基本合意書を交わし、V字案で対応していくことが合意された」

「県とも五月十一日に基本確認書を交わし、それらを踏まえて五月三十日に閣議決定した」

政府の方針は一貫している。中間報告と最終報告という架空のカテゴライズを行い

  1. 中間報告は影響の出る地元自治体に相談できなかった
  2. 地元の懸念を踏まえて基本合意ないしは基本確認し
  3. 最終報告にいたる日米交渉でそれらを反映させた

であるから、「頭越し」ではない。というものである。米軍再編で影響の出る自治体のシンボルにされた名護市は重要な役割を担っている。政府は新基地 建設を行なう「あの沖縄の、あの名護市さんでさえ」と他の自治体に迫っていける。実に中国地方では一気呵成に補助金絡みで自治体を揺さぶり続けている。
沖 縄県は基本確認書を交わしているという曖昧さゆえに押し切られかねないところがあるが、明らかに中間報告・最終報告というのは架空のカテゴライズであり、 最終報告といわれるロードマップで位置づけたブヒ字案は根拠となる住宅地上空を飛ばないという仮定が(まさしく仮定でしかなかった)吹っ飛んでいるのだか ら、「頭越し」という主張は譲るべきではない。米軍再編の日米合意については、どこの自治体にも一片の相談すらなかったのだから。沖縄がこれ以上譲ると政 府対自治体というラインは総崩れになる。
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参院で教育基本法改悪の手続きが進んだ。明日は国会が終わる。
わたしたちは暗い時代を生きている。わたしは新しい闘い方、希望を語る言葉を探している。