宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

軍事植民地沖縄統治のセオリー

沖縄は1972年以来、日本国の一県でありながら日本国の一県ではない。沖縄統治の基調は軍事植民地主義であり、それを正当化するロジックは国家安全保障である。

[E:pisces]

日米安全保障条約には、沖縄に基地を置くという条文はない。旧安保条約の際に、安保条約に基づく在日米軍大日本帝国の敗戦から続く占領軍であったこともあり、不平等条約への反発から反米闘争の高まりの中で米軍基地は縮小され当時日本国ではなかった沖縄に移設された。

密約だらけの1972年の沖縄の施政権返還は、沖縄の基地の維持・自由使用と施政権返還は両立するという国防総省国務省の「琉球特別作業班」の調査レポート(1967)が 出てはじめて動き出した。

沖縄は、日本国民の反米(反基地)闘争の高まりの中で米軍基地が退避した米軍統治下の島であり、それらの維持経費等を拠出させるために施政権が日本国に返還された日本国の一県である。通底しているのは、米軍の島であること。

[E:aquarius]

政権交代前の昨年6月25日、当時の民主党・岡田幹事長が、米国のフロノイ国防次官と激論を交わしたという下記のニュースに注目し期待していた。(なごなぐ雑記:2009年7月26日

会談は米側が申し入れた。同飛行場の沖縄県外移転など民主党の主張を念頭にフロノイ氏 が「米軍再編を進めることは日米両国 の合意だ」とクギを刺すと、岡田氏は「日米関係は64年前の過去を引きずっている」と反論。日米地位協定を巡っても「公平ではない。日米関係を長期的に安定させるために改善しなければいけない」と譲らなかった。
日経新聞(6月25日16:17)

私は「64年前の過去」という言葉に反応し政権交代に期待をしたが、政権交代後の急速な失速ぶりは、政権交代前の有権者の期待を煽る、格好だけで実際にはなんにも準備しておらず信念も理念も持ち合わせていなかったことを露呈している。言い過ぎかもしれないが、反省も謝罪もする気はない。私は憤っている。

いまだに、鳩山政権に期待するかのような声もあるが、もしくはまだ首相は模索しているとの声もあるが、それらも政府の閣議決定か声名になるかは知らないが、それが出る間までの声でしかない。事態は先に進んでいる。政権は名護を懐柔するために水面下で公的領域で動いている。少なくとも鳩山首相は沖縄に来て「辺野古」を明言した。64年前の過去はなんら断ち切られず、新たな鉄槌として沖縄に振り下ろされようとしている。

[E:capricornus]

軍事植民地沖縄の統治には、植民者への協力体制が沖縄になければならない。その役割を担ってきたのが、1998年以来の名護市であり沖縄県である。昨年、日本国中を吹き荒れた政権交代の波の中で、県議会と名護市はギリギリのところで軍事植民地から脱却する方向性の萌芽へと舵を切った。その舵を切れる勇気と決断を与えたのは、政権交代であり、民主党が、鳩山首相が発言していた「国外、少なくとも県外」である。

日本国民のマジョリティは、政治家は、官僚は、沖縄が期待したものの大きさと、裏切られたものの大きさを想像しうるだろうか。沖縄の我々一人ひとりにも、その大きさはじわりじわりと広がり、やがて深みをえて我々を蝕んでいく。植民地主義は、植民地(社会・住民)に対して政治的、心理的、道徳的ダメージを与え続ける。

このような状況の中で、植民者への協力者は嬉々として立ち上がる。

やがて名護市では、私が「誘致派」と呼んだ人たちが立ち上がり、普天間の危険性除去とわが国の安全保障のためにと叫びながら、金を要求しつつ政府と手を結ぶだろう。市議会もそれに呼応して決議などをあげることになる。

[E:sagittarius]

岡本行夫氏らはすばやく沖縄で仕事をして去っていったらしい。ヤンバル(本島北部)の首長たちがどういう考えかは知らないが、比嘉鉄也氏をはじめとした名護市の「誘致派」の諸君は、すでにその仕事に呼応して動き出している。

9月には名護市議会議員選挙だ。現職市長の野党多数になれば、市政はかなり混乱するだろう。「誘致派」の諸君は、市長リコールぐらい射程にいれているかもしれない。

「誘致派」の諸君さえ動かなければと思うだろうが、彼らは動く、人間が目先の利益に聡いのを責める高邁な道徳心だけで世界は成っていない。沖縄とて世界だ。問題は、日米政府が軍事植民地主義をやめればいいだけだ。そのような政府への支持を主権者がやめればいいだけだ。

軍事植民地体制への協力体制を沖縄に築かせないために、それぞれの持ち場でできることはなんだろう。軍事植民地主義を日米両政府にやめさせるために、それぞれの生きている場所でできることはなんだろう。

応援ではない。戦うこと。

[E:soon]

生活に汲々とする毎日だが、どうにかしなければならない。26日には仲間と相談する。私にもできることがあるはずだ。しなければならないことが。

【参照】

名護市の「条件付賛成」に関する動向を概括した私の雑記は下記。

上記記事を縦書きA4三枚にレイアウトしたPDFデータは下記。(3-3)にも置いています。