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宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

岡田外相対話集会で激白。海兵隊がグアム行って空っぽになっても普天間は、新基地建設なければ返さない。えっ?

先週末から昨日にかけて、ある「会議」に参加するため二泊三日で名護市にいた。岡田外相名護市に来たり状況がドラスティックに動き続ける中での「会議」だったが、そのような状況とは決して無縁ではないテーマをめぐって、韓国や日本、沖縄の研究者や活動家が話し合うとても有意義な「場」だった。「名護会議」と名づけられたその会議についての報告は後日改めて、拙ブログでも行う。

岡田外相が名護で行った「市民との対話集会」については、小説家の目取真俊さんがその全容をテープ起こしなされて自身のブログで公開している。とても貴重な記録である。ぜひお読みいただきたい。下記リンク先からはじまり、7まで続いている。

岡田外相と「市民との対話集会」 全面公開 1

市民と対話した、説明を尽くしたというアリバイのごとき「場」にしようとしたのかもしれないが、結果は岡田外相/政府に対する市民の不信と憤りを招来する場でしかなかった。

私はもともとテレビをみない生活をしているので、テレビのニュースやワイドショーあたりで「普天間移設」問題がどのように流されているのか知らないが、知人からメール等で教えてもらった限りでは惨憺たる状況のようである。「事実」が捻じ曲げられ、問題を沖縄に押し込め、日米同盟の危機を煽りたて、辺野古への移設を決めなければならないというところに「論」が収斂されるという雰囲気がつくられているらしい。そのような雰囲気は、ネットで読むことのできるマスコミのニュースでも充分感じられる。気になったことをメモしておく。

[E:one]

先週末、岡田外相は沖縄に来て、伊波洋一宜野湾市長や沖縄県経営者協会の幹部らとも会談している。沖縄タイムス12月05日

伊波洋一宜野湾市長が、拙ブログでも紹介したように、米国のグアムでの環境影響評価書や様々な公式文書を読み込み、日本政府がこれまで表明してきた「司令部中心の移転」ではなく「普天間のヘリ部隊」が移転する計画になっているという事実を指摘すると

岡田外相「(日米政府間では)そういうことになっていない。普天間を抱える市長がそういう話をするのは考えられない」と強い不満を表明したという。

日米政府間ではそういうことになっていないことが、グアムでの施設整備等の状況を示す計画書や環境影響評価書でそうなっているということは、重大な問題である。日本国民の多額の税金を拠出して行うグアムでの海兵隊の施設整備に関して、日本政府が「そういうことになっていない」とすることが米国政府によって行われているのであれば、そのことこそただしていかなければならない。主権国家同士の約束を違って、米国がそうしていることを看過する日本国は、主権国家であることさえ疑わしいとの謗りを受けることになる。そんな発言を外務大臣がなされているのである、放置してはおけないだろう。

これは本当に重大な問題の露見である。このことがスルーされていいはずがない。

[E:two]

岡田外相名護市民との対話集会がどのようなものであったのかは、先に紹介した目取真さんのブログに掲載された記録を読めば想像ができるが、新聞で紹介された集会での岡田外相の言葉には次のようなものがある。時事通信12月05日

対話集会で外相「米国は海兵隊がグアムに行くことと空いた基地を沖縄に返すことは、(名護市辺野古への移転が実現して初めて可能になるという論理展開だ」と指摘。

伊波洋一宜野湾市長の「普天間のヘリ部隊が移転することになっている」との指摘には、そんなことはないと答えた岡田外相は、対話集会では「空いた基地を沖縄に返す」と説明している。

岡田外相の言い分では、普天間のヘリ部隊が移転することにはなっていないのに、基地が空くことになって、その空いた基地を返すのに、辺野古移転が実現してとなっている。ややこしいので、少し整理すると

海兵隊がグアムへ行く→基地が空く

岡田外相はそう言っている。そして

辺野古に新基地建設→空いた基地を返還

こう言っていることになる。

岡田外相は自分の言っていることの異常さに気づかないのだろうか。

辺野古に新基地建設をさせなければ、空いた基地を返還しないというが、返還したくなかったらずっと空いたままにして軍用地料を払い続けていたらいい。「空いた基地」は世界中の国から人々が訪れ見学する『属国』ここに極まれりの観光地となるだろう。

[E:three]

私はテレビのニュースもワイドショーもみてないので、なんともいえず世間の雰囲気がわからないが、こんなにもデタラメなことがなんで進行しているのだろう。「沖縄差別」もはなはだしい、不適切で失礼な表現かも知れないがヘタレな「属国」ぶりもはなはだしいではないか。鳩山首相は、もうじき、米国に最終的な方針を提示するらしい。どんな方針になるのかはわからないが、このような現状で、辺野古への新基地建設が方針として決定されるようでは、この国は敗戦後連綿と続いていたことがらをもう半世紀続けなければ『独立』など不可能だろう。毎日新聞12月07日

最後に、岡田外相の来沖に関する新聞報道の中で、私が比較的冷静で本質を突いていると思う記事を紹介して、このエントリを閉じる。

[E:clip]

外相の県民対話 危機煽るだけでは情けない
琉球新報2009年12月7日

県民の願いに、誠実に応える柔軟性や展望はあるのか。岡田克也外相の言動は、疑問だらけだった。
「住民との対話」を掲げ就任後2度目の来県をした外相だが、米軍普天間飛行場問題について、行く先々で県内移設合意の不履行による「日米同盟の危機」を強調した。聞き役ではなく、まるで官僚に操られた“危機煽(あお)り役”だ。
県民は戦後64年間の基地とのかかわりの中で、何が現実的で、何が非現実的かを理解している。
公共事業など基地がもたらす恩恵は限定かつ一時的であるが、基地被害などの不利益は広範かつ長期に及び、基地は固定化する。
米軍が兵士の綱紀粛正、騒音防止措置など住民生活への配慮を徹底すると言っても、米軍絡みの犯罪や被害はなくならない。
国の天然記念物ジュゴンなど希少生物や豊かな自然をはぐくむ辺野古の海への新基地建設に、国内外の環境保護団体が異議を唱え、国際世論も辺野古移設を許さない。
辺野古合意が最善」との考えには根拠がない。日米両政府は沖縄の戦略的重要性を誇張し、米海兵隊の駐留に執着するあまり、日米関係が深化ではなく劣化しかねない現実こそ直視すべきだ。
鳩山由紀夫首相は自民政権と官僚が営々と築いてきた対米追従外交に風穴を開けるべく、まずは閣内の意思統一を図るべきだ。普天間撤去こそが現実的で、日米関係への信頼を改善し、日米両政権の価値を高める道だ。
岡田外相衆院沖縄4区の議員懇談で、米側が辺野古にこだわる理由について「オバマ大統領が米国内で支持率が下がっている中、議会から対日交渉で弱腰だとの批判を避けたいのではないか」と推察した。国民よりも米国の意向に顔が向いた情けない発言だ。
米政府高官は普天間問題の越年について「懸念は伝えたが、日米関係は成熟している。日本は最も重要な同盟国の一つだ」とし、国務省のケリー報道官も「米国は日本政府の見直し作業を喜んで手助けする」と述べた。日本の官僚が民主党の「県外・国外移設」方針に待ったをかけ、執拗(しつよう)に「日米同盟の危機」を煽る姿とは大違いだ。
鳩山内閣普天間撤去へ向け、政治主導の真価を発揮する時だ。鳩山、オバマ両首脳が特使を派遣し、政治主導で打開を探るぐらいの強い指導力が必要だ。

鳩山首相の最終方針が、辺野古への新基地建設続行という最悪なものでないことを祈るしかないが、もし最悪になったら、人柱になる覚悟でいる沖縄の人間は大勢いる。満身創痍で抵抗するしか我々には道がない。そして抵抗の回路は、それこそ無数にある。

対案を考え示す立場ではないし、死ぬほど苦しんで考えろといいたいが、米国が欲しがっているのは有事の際の航空施設なのだとしたら、別に新基地建設などする必要はないだろう。自衛隊が欲しているのかもしれないが、なんでもかんでもごっちゃにして物事を複雑にしてパッケージで押し切ろうなどというのが大間違いの源。

[E:end]