宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

「米海兵隊員逮捕に伴う再発防止策」を読む

きのう(22日)、外務省が【米海兵隊員逮捕に伴う再発防止策について―当面の措置―】を公表した。新聞紙上では、《政府と沖縄に温度差》などと報じられている。(読売・九州発

今日は、外務省が公表した文書の中身を軽く読んでみる。

まず、【1.基本的考え方】です。

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(1)かかる事件が発生した後にも、民家に無断侵入して寝入った米軍人や、20ドル札紙幣を小遣い欲しさに偽造し使用した米軍人が罪を認めている。沖縄に強行配備されたPAC3の要員である米軍人が女性を宿泊先にホテルでレイプしている。「綱紀粛正プログラム」の実効性を信頼しろというのは、沖縄返還に「密約」など存在していないとする政府の発言を妄信しろと強弁されるに等しい。
(2)これまでは「広汎かつ包括的」な策ではなかったということをカミングアウトしているのか?
(3)「自治体の感情」を考慮する、「政府の感情」は如何ばかりなのか。国民が他国の軍隊の軍人に陵辱されているのに、本来は「他国軍隊」が主体的に取り組む課題であるとし、「自治体の感情」を正面に据えて協議するこの態度に、かかる問題への政府の態度のおぞましい本質が露呈している。

続いて、【2.これまでの米側の措置】

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(1)「守礼の邦」沖縄の県知事が、わざわざ面会に来てくれた支配者たちを丁寧にエレベーターまでお見送りしたのは記憶に新しい。
(2)当面の措置「外出禁止措置」は、25日に解除される。22日の「反省の日」に嘉手納基地で演習が行なわれた。やる気も、できる気も、米側にはなにもない。
(3)人殺しのメンタリティを植えつけると同時に、性的犯罪防止策をどう講じるんだろう。ハートマン軍曹は失業するのか。
(4)(5)だからなんなんだ。

最後は、【3.今後の日米の対応】です。

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(イ)もうほんとうに気に入らないんだが、日米もそうだし、大方の日本国民もみんなこんなふうに考えているんだろう。なんで「沖縄」との連携で、「沖縄県庁」への説明なんだ。岩国でも佐世保でも横須賀でも厚木でも、三沢でも起りうる問題ではないのか。なんで米軍が再発防止策を「沖縄県庁に対し」説明するんだ。日本政府に対して行ない、日本政府が責任を持って沖縄に説明するのがスジではないのか。なんなんだこの事態は。
(ロ)ふ~ん。
(ハ)「リバティ・カード」=夜間外出制限は、米陸軍には適用されていないんでしょ。陸軍は事件発生が少ないっていう理由らしいけど、17日にフィリピン人の女性を暴行したのは陸軍人だった。夜間外出制限があるから、朝帰りするために人家に侵入して熟睡する海兵隊員もいる。やめてしまえこんなこと。基地をすぐ無くすことなどできないんだろうから、抜本的対策は公務外では基地外に出さないことしかない。
(ニ)おいおい、「防犯カメラ」は米軍人だけでなく地域住民もみんな監視するんだよ。なんでそんな監視社会を普通の市民がわざわざ望む。我々が監視して欲しいのは、他国の軍人で人殺しの特訓を受けている海兵隊員でしかない。全員にGPSを携帯させて、日米政府の責任で日本国内を入管手続き・ビザ免除でウロチョロしている公務外の米軍関係者を監視しろ。「監視カメラ」などとバカ言ってんじゃないよ。

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基地外の居住者について、適切に把握・管理していなかったのは、ほんとうに信じられない。市民社会の中に、入管手続きもビザも免除された人殺しの訓練をしている外国人が暮らしている。国家行政は国民の安全を守る責任を放棄し、対米関係においてはそのことすら意識できないほど主権意識が劣化している。

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(イ)まともな協議をしてください。無理だとしか思えないけど。
(ロ)なんで沖縄には「外務省沖縄事務所」があるんだ。しゃくにさわる。おまえら、ほんとうに米軍に捧げた島ぐらいにしか思っていないだろう。「日本側とも協力していく」という主体のありかた、措置の説明の仕方は問題ではないのか。これは日本の外務省が、日本政府の「当面の措置」として公表している文書なんだろう。
(ハ)調整には地位協定の改訂は含まれない。運用の改善ですらまだない。今朝の琉球新報に県警本部長の議会での答弁が出ていた。《憲兵との巡回認めず 逮捕優先権で改善必要

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以上が、政府・外務省の公表した“当面の措置”の全容。
沖縄の自治体の首長たちは、穏当に「実効性に疑問」とコメントしている。ほんとうにご苦労なこった。こんな無責任な相も変わらぬ“当面の措置”に対して、いちいちコメントしなければいけないんだから。

読売新聞は、《政府と沖縄に温度差》と書くが、こんな政府の態度に、沖縄外の国民のみなさんは温度差がないのか。私には不思議である。

報道や、人々のコメントに接するたびに、沖縄は日本ではないことを思い知らされていくことのストレス。これを我が子も、感じ続けていくのかと思うと、私は存在の耐えられない軽さに吐き気を覚える。

しかし温度差があるから、空気の移動があり風が生まれる。生命の種子がまかれ旅立ち、常に新しい地平が生成する。そのダイナミズムのなかに、私たちもまたいる。決してあきらめることはない。たかだか戦後の60数年の出来事(琉球処分から年月を換算してもいい。しかし琉球王朝により搾取されていたヤンバルの貧農でしかない、我が祖先は)。変わりうるものとして世界を把握し、社会と生活を変革していくしかない。

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Scorpions - Wind Of Change (blowing stories mix)

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【参照】

米海兵隊員逮捕に伴う再発防止策について ―当面の措置―
(外務省2月22日発表文書/PDFファイル)