宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

天網恢恢疎にして漏らさず

Brain_2脳腫瘍の手術をしてから十年以上もたつ。
術後の視野狭窄が、入院中に回復したのには驚いた。

私の脳腫瘍は脳幹と大脳の付け根あたりにゴルフボールより少し小さい大きさの腫瘍だった。手術しにくい場所だったらしく、腫瘍の全摘まで12時間近くもかかる大手術だった。その間、脳外科医は食事やトイレをどうしたんだろうと今でも気になっている(笑)。

手術で、眼球から後頭葉に至るまでの視覚路のどこかで、視神経を傷つけたのだろう、術後の医者の確認で右側の視野が狭くなっていることがわかった。本人は両目見えているので、医者に指摘されるまで気付かなかったし、病院のベッドで寝ている間はさほど気にも留めなかった。なにより生きているということだけで儲けたような気分だった。

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手術後、一ヶ月ほどして視野狭窄は治った。特段、そのための薬を投与したり、リハビリの訓練などをしたわけではない。私の身体の中で、眼球から送られ た電気信号が途中で途切れた視神経に送り続けられていたのに、新しい神経に電気信号を送り続けそれが一ヶ月かけて開通して大脳の視覚野に到達したとい うことらしい。よくわからないけど、私の脳や神経は、私の意志など関係なく必死になって活動しているらしい。「えらいなぁ、こいつら」と私は感心しきりであった。

脳ってすごい。ほんとうにそう思う。色などない、あるのは物体と光の波長だけだといわれる。そういうもんかなぁと思う。二原色に対する言葉しかない言語圏の方に実験しても三原色はしっかりと知覚するという。色の知覚は文化=言葉ではなく、脳が持っている機能に関係しているんだろう。

人間は何を知っているんだろう。文化・文明を気取るが、どれほど賢くなっているんだろう。お寒いばかりでしかないと思う。脳とそっくりのサンゴの写真を眺めていると、なんか名護市で進攻している基地建設のグロテスクさをみている気分になった。私たちは何を破壊しようとしているのか。

名護市に造ろうと計画している、巨大な海兵隊の新基地をめぐる動きは、底が抜けているほどデタラメである。

■政府は、1996年のSACO合意で決定したことが実現できなかったことを何一つ総括せず、同じ場所に、以前の計画より拡大したプランで日米合意し、とにかく強行に押し付けようとしている。

■政府は、環境影響評価の方法書に建設計画をまともに書けない。何がどう飛ぶのかもわからないで、どのように影響を評価できるというのか。地位協定でどう飛ぼうと勝手だと保障されている米軍の飛行をどのように防衛省が予測・評価できるのか。

名護市は、住宅地上空を飛行しないと理解してV字形滑走路で基本合意して後に、埋立拡大の沖合移動は要求し続けるが、日米の住宅地上空を飛ぶことは当然であるという発言にはなんの異議も唱えない。

沖縄県は、県自らが策定した環境保護指針の中で「自然環境の厳正な保護を図る区域」としている場所での基地建設に合意する環境行政のデタラメさである。

これは「普天間代替施設」などとまやかしの名が与えられているが、「普天間代替施設」なら1300メートルの滑走路一本で用が足りたはずなのに、何ゆえに拡大し軍港機能まで付随してくるのか。十年経って、どんな安全保障上の要請が変わったというのだ。ソ連の脅威が無くなったら、テロだの北朝鮮だの台湾海峡だの、いろいろな理屈を付けて防衛産業は生き残りをはかる。額賀や久間だけではない、防衛疑獄の裾野、構造は深く広い。

沖縄の地元新聞やテレビなどのニュースメディアでは、政府批判は旺盛だが、沖縄県名護市などのやっている恥辱ともいえるデタラメさは野放し状態である。民意が捻じ曲げられているかのような言い方もあるが、この十年も名護市長選挙や沖縄県知事選挙、衆院選挙など大きな選挙で「新基地建設」は争点であり続けた。沖縄の現在の恥辱ともいえる状況は、明らかに選挙結果の反映でしかない。

キャンプハンセンの合同使用について、あれだけ反対していた金武・宜野座・恩納の三首長が同意した変節は、あきらかに再編交付金欲しさである。まともな説明責任も果たされないまま、こんなことがスッと行なわれて地元ニュースメディアでもサッと触れてスルーされる。沖縄の病状は深い。

沖縄のジャーナリズムは、県や市や自治体を批判することは、選挙民の批判につながるとでも考えているのだろうか。選挙民の批判だとしたらどうだというんだ、批判の矛先を鈍らせる理由にはならない。不快に感じた読者が購読をやめたら経営上の問題にはなるだろうが、まさかそんなことで批判を鈍らせているわけではないだろう(笑)。
政府というもっと大きな権力を批判すべきと考えているのだろうか。だからといって、沖縄の首長たちや選挙等において威力を発揮している経済団体等の支配層は免罪されないし野放しにしていいという話ではない。

全国の地方で、草の根保守主義は強力に根を張っている。岩国だって、どれほど反対を主張し、その民意を持続し続けることが大変か想像に難くない。私の生まれた名護市では、住民投票で反対したにも関わらず、基地建設推進の首長や議員が当選し続けている。私は十年付き合って、民意や選挙や政治に対して絶望に近い諦観を感じることもしばしばである。
住民投票を実施し、その民意を守り続けている岩国は、日米安全保障条約体制の中で「属国」と化している日本の、民主主義と地方自治の砦である。砦の中では、市民がほんとうにたいへんな思いをしている。私たちが【連帯】すべき最前線を岩国市が担っている。

12月1日の一万人集会が成功することを心の底から祈念している。そのために、なにかできることがないか、仕事や家事の合間に考え続けている。

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Didi 新基地建設はシュワブの目の前のジュゴンの餌場があるリーフと、東側の大浦湾を破壊する。大浦湾には、巨大なアオサンゴ群落があることが発見されている。ぜひ、多くの人に知ってもらいたい。沖縄リーフチェック研究会 (会長・安部真理子)のホームページに、とても読みやすい文章と素敵な画像で構成されたレポートがあるのでぜひ下記リンクをたどって触れてほしい。

チリビシのアオサンゴ(その1)
チリビシのアオサンゴ(その2)
チリビシのアオサンゴ(その3)

私たちは、何を潰そうとしているのか。

これは安全保障や防衛政策ではなく、逆に、自殺しているのではないだろうか。遅すぎることはない。気付いたときがすべての始まりだ。私は絶望などしない。市民運動家でも政治活動家でもなんでもない普通の市民が立ち上がって声を発し、政府に対してNO!を突きつけることができた経験があるのだから。

額賀も久間も、悪事はやがて裁かれる。
久間は97年の市民投票時の防衛庁長官である。
額賀は2006年のV字形滑走路で名護市(北部首長たち)を合意させた際の防衛庁長官である。天網恢恢疎にして漏らさずである。二人とも、十年の長きにわたる名護市への新基地建設問題で政府の重要な役割を担っていた。

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今日も、最後まで読んでいただきありがとう。
仕事でずっと本とパソコンに向き合っていて、さらに子守や家事もそれなりに大変で、落ち着いてブログ記事を書く時間と精神を確保するのがテーヘンです。気になる自エンドにTBされてるブログも回遊できない。最新ニュースのチェックすらできない。それでも人間、生活にはあまり支障は無いんですけどね(笑)。
ボチボチとマイペースでやっていきますので、こんなマイナーなブログですがお見捨てにならずに今後とも遊びに来てください。

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