美しい娘がいた。
娘のもとに夜な夜な美しい青年が忍び込んでくる
娘は身ごもる。
娘はある夜 別れた青年の後を
こっそり追いかけた。
娘は知る。
青年がアカマターという蛇の
化身であることを。
娘に相談された母親は助言した。
「三月三日の大潮の日に、浜に下りて潮水を三度被りなさい」
娘は母親に従い海に入る。
たちまち陣痛をおこし
子どもは流れ
元の美しく
清らかな身体に戻る。
清らかな 身体に戻る。
娘とは誰か
青年とは誰か
アカマターとは何か
潮水とは何か
陣痛とは何か
流れ去るものは何か
清らかとは
身体とは