琉球新報/書評(2)&新基地と泡瀬情報
本日の琉球新報朝刊の読書面に、宮城公子氏(沖大准教授)による拙著『沖縄ラプソディ』の書評が掲載されたので、前回に引き続き、記録のためにスクラップしておく。
書評中にも触れられているが、公子さんは1997年の市民投票の活動を共にした同志である。よく喧嘩した仲間である。
97年も(おそらく現在も)運動の中にあるジェンダーの壁や、「政治」的運動の中における女性の位置づけの低さや区別の特殊性など、なんかおかしいことがたくさんあった。どうしようもない違和感を感じながらも、目の前の課題を解決するのに必死で、私は大事な事柄に向き合い損ねたままである。
「本書の語る状況が心に響きすぎる」と公子さんは書いているが、私もまた同様である。耳を塞ぎ泣き出したくなるようなノイズの響きの中から、消えいりそうな声を聞き分けたいと願い、静かに目をこらし耳を澄ましている。
続きを読むに、本日の沖縄の新聞にある、新基地建設の環境アセスに係る大事な情報と、泡瀬干潟に係る問題のニュースを置いておく。
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遺伝的多様性乏しい大浦湾/移設の影響懸念
(沖縄タイムス2008年11月23日【朝刊】 社会)魚拓大浦湾アオサンゴ 単一遺伝子型と判明
(琉球新報2008年11月23日)魚拓
新基地建設で潰されることになる大浦湾で昨年みつかった大規模なアオサンゴ群集が、遺伝的レベルで変異の多様性に乏しいことが研究者らの分析でわかったことが報じられている。
日本サンゴ礁学会で二十二日に発表されたようである。
昨日の記事「The Now Habit」にも書いたが、来年出るであろう、デタラメな環境アセスの「準備書」に係る貴重な情報である。記録のために魚拓を取得しておいた。
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社民、あす沖縄市長に控訴断念要請/泡瀬干潟訴訟
(沖縄タイムス2008年11月23日【朝刊】 政治 )魚拓泡瀬埋め立て訴訟 社民が控訴反対
(琉球新報2008年11月23日)魚拓
前前回の記事「高率補助ダンサー、震撼せよ!」で書いた泡瀬干潟問題で、大きな動きがあった。
社民党の沖縄県連(照屋寛徳委員長)の泡瀬干潟問題への対応は、これまで、二区は中止、一区は土地利用計画の早期策定と、ほぼ東門美津子沖縄市長の方針と同様であった。それが裁判の判決を受けて、方針を転換した。
東門美津子沖縄市長に明日、その旨、説明し要請するようだが、市長がどのような対応を成すのか面白い展開になってきた。
沖縄市が控訴すれば、市長は「革新」との訣別であり政治生命が揺らぎ断たれる。控訴を断念すれば、「革新」陣営からは英断視されるだろうが、様々な意見を吸い上げる首長としては厳しい選挙を戦わざる得なくなる。普通に考えて、後者の選択しかありえないだろうとは思うが、…ううん、どうなることやら。こればっかりは外野からみているだけではわからない。
沖縄県の控訴方針も、県議会の同意を得られるか予断を許さない。社民党沖縄県連は県議会野党の最大会派である。共産はもちろん、控訴断念を堅持するだろうが、民主や反自公の元来は保守勢力である側がどうでるか、まだまだ読めないところがある。
個人的な見通しでは、沖縄市も沖縄県も、控訴断念する道しか見えてこないが、不透明なところになにがあるかで状況は大いに変わる気がする。法定では2週間で判決は確定したはずである、週明けの短期間での動きは相当ドラスティックなものになる。注視しよう。
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