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恐怖!在日米軍基地は基地外へ増殖する(追記あり)

一昨昨日、宜野湾市の大山界隈を歩いて、外人向け高級マンションを見て以来、在沖米軍の「基地外居住」について調べ始めている。砂辺などでは、建設ラッシュで凄いことになっているらしい。米兵の基地外居住についてネットで知りえた事柄のメモを置いておく。(画像は北谷町砂辺の外人向け住宅)

Sunabe ■なぜ、在沖米軍は基地外居住実態の透明性確保に消極的なのか?

時系列で情報を整理しみてみないといけないが、加害者が基地外居住していた指導的立場にある軍曹であったことから、「基地外居住」が日本側で問題視され、在日米軍司令官も居住条件の見直し等を明言している。そのような状況下で、在沖米軍は沖縄・日本政府・米軍、三者の実務者レベルで構成する作業部会で、「基地外居住」の透明性確保に消極的対応で臨む。なにか明らかになるとまずい実態でもあるのか。

米軍、登録に否定的 米兵基地外居住琉球新報2008年3月8日)

■基地外居住者は増加の一途。

2月27日の防衛省の発表では、沖縄県内で2007年3月末時点で、10,319人が基地外居住。その半分以上が沖縄市北谷町に集中。
Data1外務省・防衛省による2月22日の発表では、今年1月末時点で、10,748人となっており、10カ月で429人も増加している。

さらに、外務・防衛の発表資料では、思いやり予算で整備した基地内住居の居住率は8割で2割は「空き家」になっている。

税金を使って住宅を整備し、水光熱費を全額負担してあげているのに、空き家にして基地外に居住する米兵たち。[E:sign04]その基地外居住だって日本国民の税金が湯水の如く使われているのではないか。そんな気がしてならない。

Deta2 外務・防衛の資料では、米兵の基地外居住の基準は、四軍(陸・海・空・海兵)でそれぞれ違う。
空軍は、三年未満の兵隊は除かれ、海軍は上等水兵以下の給与水準の兵は除かれ、陸軍では施設内の住宅居住率が95%に達しないと全ての兵は許可されない。海兵隊は、三等軍曹以下の単身者が除かれているが、それ以下の者も四つのただし書きで居住を認めている。海兵隊がいちばんゆるい基準であると思われる。

北谷・沖縄市に半数/基地外居住沖縄タイムス2008年2月28日)

在日米軍の施設・区域内外居住(人数・基準)(外務省サイト・PDFファイル)

沖縄米軍:基地内居住率は8割 2割は「空き家」毎日新聞2008年3月7日)

■日本政府は把握してもいない基地外居住に対して水光熱費を負担していた。

今回の事件で、日本政府は在日米兵の基地外居住を把握していなかったことが明らかになっている。しかし、2000年度まで基地外居住の光熱水費は「思いやり予算」で負担されていた。赤嶺政賢衆院議員(共産)が防衛省から入手した資料で確認した。防衛省は01年度以降は負担していないと説明している。[E:sign04]それはほんとうか、違う費目に潜り込んでいるのではないか。住居手当は拠出していないのか?おきぎん経済研究所の調査では、住宅手当が出ていることになっている(要確認)。

全国の基地外居住米軍人・軍属に対する水光熱費負担額

1996年度 計12億1400万円
1997年度  計12億2700万円
1998年度  計11億8300万円
1999年度  計11億4600万円
2000年度  計11億900万円

基地外居住 日本が光熱費負担琉球新報2008年2月24日)

■民間物件に比べて高額の米兵向けの基地外住宅の稼働率は90%。

2005年度のデータだが、おきぎん経済研究所の調査分析によると、沖縄県内には4500戸前後の物件があり、民間物件に比べて高額だが、稼働率90%と高い。理由は日本政府の思いやり予算在日米軍駐留経費負担)として、住宅手当などの名目で一人当たり22万―33万円支給されるからだという。同研究所は「貸出物件は増えており、ビジネスとして成長している」と分析している。
軍人の場合、階級によって毎月約17万―28万円の住宅手当と、使用量に関係なく光熱費約5万円が支給される。公務員や技術者などの軍属も約30万円支給される。これらは日本政府の思いやり予算から捻出(ねんしゅつ)されているという。
地域別にみると沖縄市北谷町周辺が53・7%と最も多く、特に北谷町宮城海岸沿いに集中。嘉手納町読谷村周辺は36・3%だった。

[E:sign02]これらのデータと、国会に提出された防衛省資料との違いはなんなのか。防衛省資料でみえる以外に、別のお金の入り口があるのか。

家賃高額でも稼働9割 「外人住宅」4500戸琉球新報2005年10月1日)

在日米軍は米軍基地のフェンスを越えて治外法権区域を拡大増殖させている。

基地外居住米兵の住民登録がなされていないのは「地位協定の拡大解釈」でしかない。外務省の日米地位協定室も「(住民登録の免除は)日米地位協定がどの条項に基づくと、具体的に示せるものではない」と新聞社の取材に答えている。

沖縄では住民登録をしない他府県からの移住者が増えて、道路整備やゴミ処理等の自治体業務のフリーライダーは社会問題化している。基地外居住の米兵は、現状では基地所在市町村へのフリーライダーでしかなく、これはひいては住民への負担転嫁にしかならない。このような状態が放置され続けるのだとしたらあまりにも異常である。

北谷町が把握する町内の外国人住宅は2006年12月時点で約500棟1300戸。以降も増加し続けている。
沖縄県によると、県内の外国人向け賃貸住宅の登録数は6098戸。基地外に住む米兵の多くが、北谷町など本島中部に集中する。比例するかのようにここ数年、基地外在住の米軍関係者の犯罪が激増している。

琉球新報の報道で、本間浩法政大教授が語っている説明は重要。以下引用。

「米軍は基地外に住む米軍住宅も米軍側に管理権があるとの認識だ」と説明。基地外に住む米兵が事件や火災などを起こした場合、家宅捜索などにも米軍側の許可が必要になるという。
今回の事件でも家宅捜索が行われたが、本間教授は「今回は米軍側が速やかに許可を出したと思われるが、いつもそうとは限らない。住民登録や管理権などについては日米合同委員会で明確な規定を設けるべきだ」と強調した。

米軍基地のフェンスの外に、米軍の排他独占的な領土が増殖している。日本国は米国に対しては主権を放棄しているらしい。「日米安保」とはそのような条約である。

「登録免除」根拠なし 基地外居住米兵琉球新報2008年2月14日)

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数日前に、野党三党(民主・国新・社民)は地位協定改訂について合意したという報道があった。
いま現在、国会では「思いやり予算」について審議中である。
どこまで、現在見えてきている問題が明らかにされるのか注目したい。

[E:danger]最大の疑問、ブラックボックスは、米兵の基地外居住の「手当て」はどこから出ているのか。

[E:danger]最大の恐怖は、基地から湧き出る基地外居住の米兵は、入管も免除され地位協定で守られた外交特権もどきを有していることである。現在の状況では、基地外に増殖する米兵にくっついて基地外の住居が地位協定三条管理権の範疇になっている。[E:shock]

基地外居住について、ネットで調べられる事柄をもう少し調べてみたいと思っている。
余裕があれば、北谷や沖縄市にも出かけて、関係者からのヒアリング取材等も行ないたいと思うのだが、どこか「仕事」させてくれないかな。少し本気で調べてみたくなっている。[E:end]


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【追記】
はてなの“nagonaguの日記”に、この件で調べている最中に出会った興味深いブログに関する記事を書いている。おひまなときに、そこものぞいてみてください。
米兵の基地外居住(nagonaguの日記.0328)
 

【さらなる追記】29日11:20

はてなブックマークが四つもついている。思わず、コメントに反応してしまう[E:happy02]

「米兵は日本入国時に指紋押してないの?」(khiimao という疑問。

米軍内部でどのように個人情報を管理しているかは知らないが、日本国との関係ではすべて除外。したがって入管法改訂で昨年から義務化された「両手のひとさし指の指紋採取と顔の写真撮影」もされていない。確認していないが、軍人・軍属・及びその家族もみな同様のはず。

「9条を改正せよ!」というなごなぐエントリーの、仲@ukiukiさんのコメントも読んでください。

「…アメリカは、自国軍兵士の管理を投げているよう…」(felis_azuriという印象。

私もそう感じるところありました。海兵隊にとって沖縄は安上がりなリゾートであるとか、基地外居住で利益を享受しているのが比較的上のクラスであり、一部のキチガイのためにその利益を失いたいたくないなどの理由が絡み合っている。司令官クラスは犯罪に関してイラついているかもしれないが、内部では根絶やしは不可能との思いも強いだろう。…利益はもちろん、他国では決してありえない潤沢なOMOIYARI。もしかしたら基地外居住は、たいへんなハザードの表れかもしれない。

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