山の向こうから巨神兵がやってくる音
アメリカ海兵隊の航空基地、普天間飛行場の南側、上大謝名(ウエオオジャナ)地区から基地を臨む。日本にあるアメリカ海兵隊の航空基地はここと、岩国基地だけである。
誘導灯の向こう側に亀甲墓が数基みえる。
フェンスの手前には車が駐車できるスペースが少しあり、そしてすぐ民家、住宅街。
今日は戦闘機の飛行も多かった。通常はヘリとKC-130等が多い。常駐機以外にも、いろんな軍用機が離着陸を繰り返している。
ヘリは学校の上でもどこでも自由に飛びまわっている。ときどきは頭上でホバーリングしている。超ムカツク。戦闘機は騒音が凄まじい。とりあえず会話も何も かも中断。もっと怖ろしいのは、エンジンテスト音。私の住んでいる部屋は基地からはずいぶん離れた高台の下のマンションの七階。それでも音はすぐ近くで聴 こえる。ベランダに出ると、音の発生源は基地の方角なんだが、それすらわからない。ベランダからは、小学校やビルや住宅、激戦地だった嘉数高台が一望でき るが、音はそれらすべてに反響して、風景全体が軋み咆哮する。いまにも風の谷のナウシカの巨神兵が、嘉数高台の向こうから上がってきそう。この音の凄まじさ、 こればっかりは体験しなければわからない。…艦載機が移駐して116機にもなったら、NLP施設がどこに行こうと岩国は大変なことになる。岩国市民の不安は切実である。
左の画像は宜野湾市役所のホームページから拝借してきた宜野湾市の空撮画像。(クリックすると拡大します。以下同。)
市街地のどまんなかに普天間飛行場があるのがよくわかる。
少し前に、岩国についてのメモを掲載したときに言及した米軍のAICUZを宜野湾市は独自にこの普天間飛行場にあてはめている。
それが右の画像。利用禁止区域(CLEAR ZONE)に住宅や学校まで入っている。
私がいま住んでいる南側を拡大してみたのが左の画像。私の住居はかろうじて利用禁止区域(CLEAR ZONE)を外れている。ベランダから眺める風景はほとんど利用禁止区域(CLEAR ZONE)と事故危険区域(APZ-I)に入っている。もちろんそこにも住宅やビル、生活領域が広がっている。左の画像を拡大してみえる《嘉数》の文字のところが、嘉数高台。その嘉数高台の真上を着陸態勢に入った軍用機が手が届きそうな低さで滑走路に進入していく。いつもいつのときでも。
沖縄戦では「嘉数高台」を巡って日米両軍が16日間の死闘を繰り広げた。日本軍の戦死傷64,000人、米軍の戦死傷24,000(12,000とも)人。沖縄戦最大級の戦闘といわれている。
私はベランダからこの嘉数高台に臨み、高台の向こうから、基地が在る市街地の向こうから巨神兵が出てきそうな米軍が発する音を眺める。
沖縄の戦後はいつ終わるのだろうか。
巨神兵が出てきそうな音が鳴り響く。
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【参考】
宜野湾市役所ホームページ
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/
普天間飛行場騒音被害映像(宜野湾市)
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/27745/27746.html
基地渉外課(宜野湾市)
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/1963.html
嘉数の戦い(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%98%89%E6%95%B0%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84--
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15:38
川と畑道を隔てるフェンスの川側の小さなスペースに、バナナやナーベーラー(へちま)がまるで自生しているように植わっている。きっと畑の主が植えているんだろうね。
バナナが小さな実をつけている。大きくなるまでそこにそのままいてくれたら、こいつを食べようと思った。
そうすると、それまではぜったい生きていこうと思う目標になるなと、少しうれしくなった。
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