歴史教科書改竄犯罪調書
おそらく“つくる会”に代表されるような連中は、次は沖縄戦における日本軍人による民間人の殺害はなかったと言い出す。4人に1人が死んだというのも誇張に過ぎない!と民間の死者の数を少なく見積もってくる。
どこまで、死者を、人をいたぶれば気が済むのか。こんな連中がファシズムの手先、手足となって狂気の領域に至る。
まともに相手するのもバカらしいが、ヒトラーの台頭だって、最初はペンキ屋ごときとみんな馬鹿にしていたんだと思うと、こいつらをあんまり笑えないなぁ、と思いっきり笑わせてもらった上で思う:)
ということで、ほとんど、いままでのエントリーで書き散らかしていることですが、ここまでにわかっていることを、今日は私なりに整理しておく。
1.何が起こったのか
教科書検定で、歴史教科書における沖縄戦の集団自決について日本軍の関与を削除するよう「検定意見」が出され、教科書の中から関与したであろう日本軍の主体が消された。
2.その理由は
文科省の国会等での答弁では下記が理由になっている。
「軍の強制は現代史の通説になっているが、当時の指揮官が民事訴訟で命令を否定する動きがある上、指揮官の直接命令は確認されていないとの学説も多く、断定的表現を避けるようにした」
3.政府の見解は
伊吹文科相は「文科省の役人も、私も、安倍総理もこのことについては一言も容喙(口出し)できない仕組みで教科書の検定は行われている」と国会で答弁している。
日本の教科書検定制度については、慰安婦や南京虐殺等に係る記述の問題で、韓国や中国など関係国及び国民世論の批判を浴びた。その際にも、「教科書検定制度」を持ち出して、学術的公正中立で恣意的な政治介入はないと説明した経緯がある。
日本の教科書検定制度(外務省)
教科書が完成すると、出版社は見本を文部科学省に提出します。そこでは、教科書用図書検定調査審議会が教科用図書検定基準に基づいてその内容を審査します。審議会の提言に沿って、文部科学省は、ふさわしくない文言について再度検討するように出版社に伝えます。その後、出版社の修正が出され、審議会が、十分修正がなされたと判断すれば、適正なものと答申され、これに基づき文部科学省が検定の合否を決定します。(なお、この過程は1989年にかなり簡略化されたため、出版物における出版社の表現の余地は拡大しました。修正が求められても、教科書自体が不合格となることは極めてまれとなっています。)
文部科学省によって認可された教科書は、市町村・地域にて陳列され、一般国民の閲覧に付されることになります。どの教科書を使用するかの最終決定は公立学校であるならば地元の教育委員会に、私立学校であるならば各学校に委ねられます。いったん学校が教科で使用する教科書を決定すると、出版社に注文が出され、印刷や配送作業が開始されます。
以上の全過程はかなりの時間を要します。ほとんどの教科書作成プロジェクトでは、執筆チームが結成されてから、教科書が教室で実際に使用されるようになるまでには最低でも丸3年かかります。
4.実際はどうだったのか
国会での答弁では、下記3点が意見の理由とされた。
- (渡嘉敷・座間味島での集団自決の軍隊長の命令ありという)通説については、近年、当時の関係者などから命令を否定する証言などが出されてきている。
- また、沖縄戦の研究者の近年の著作等におきましては、軍の命令の有無というものは明確ではないとされている文献もある。
- さらに、平成十七年八月に、従来の通説におきまして集団自決命令を出したとされていた元隊長の方から訴訟が提起されているという状況がある。
さらに、検定意見が出るまでの経過等について。
- 審議会におきまして、審議会の各委員による調査の結果、それから、各教科、科目ごとの専門委員というものも審議会におります。それと、教科書調査官による調査結果に基づいて教科書調査官が検定意見として取りまとめ原案として審議するという流れになっている。
- 行政的な判断を差し挟む余地のない、教育的、学術的な、専門的な観点からの調査により検定意見を付している。
などの説明がなされた。
5.何が明らかになったか
- 教科書検定調査審議会の「検定意見」は、文科省の職員である教科書調査官が作成した「調査意見」と同一内容であった。
- 教科書調査官が調査意見の根拠とした文献「沖縄戦と民衆」は、その一部分のみが悪用されたと、同書の著者/関東学院大学経済学部・林博史教授は激怒している。
- 教科用図書検定調査審議会日本史小委員会委員、波多野澄雄教授が検定過程及び意見の策定に当たって文科省職員の関与があった旨を新聞社の取材で証言。
- 文科省職員である担当の教科書調査官、村瀬信一は、「新しい歴史教科書」を執筆、監修した伊藤隆さんの弟子であった。
- 政府は、学術的専門的観点からの調査に基づく検定意見で行政的判断を差し挟めないとしているが、審議会委員に沖縄戦に関わる専門家は一人もいなかった。
Wikipediaより
村瀬 信一(むらせ しんいち、1954年(昭和29年)10月-)は、日本の歴史学者。専門は日本近代政治史。東京都出身。
1978年(昭和53年)東京大学文学部日本史学科卒業。1989年(平成元年)同学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。伊藤隆に師事。皇學館大學文学部助教授、帝京平成大学情報学部助教授を経て、現在文部科学省教科書調査官。
6.現在の状況
沖縄県では、超党派の実行委員会による11万6千人が集う県民大会があり、検定意見の撤回、教科書の記述回復を求めている。
政府は、記述回復については、教科書会社からの申請を受けて通していく方針のようであるが、検定意見の撤回については頑なに否定している。
国会では、審議会での検定意見の見直し等についての決議等、可決の動きがあるが、与野党共に「政治の介入」に慎重意見がある。
“つくる会”などのトンデモ集団や産経新聞などのカルト新聞が、執拗に県民大会の人数を少なく報じたり、検定意見の堅持、記述回復の拒否等を求めている。
7.結論(私見)
ここまで、史実を無視し意識的に改竄する文科省「関与」の証拠が挙がっていて、このまま国会も動かない、政府も自浄能力ないんだったら、タイヘンなんじゃないかと思っている。怒りよりも心配…!?
トンデモ史観の草が行政中枢で工作している実態。恐ろしくてかなわん。
以上
以下は【参考】
林博史教授の最新論考。必見!
沖縄戦「集団自決」への教科書検定審議会委員等の証言を転載しています。
集団自決歴史教科書問題:審議会委員が文科省調査官の介入を証言検定制度の悪用仕組みを図解しています。
アベ政権は沖縄県民ではなく日本軍を守る沖縄タイムスの特集ページ。同問題の歴史がわかります。
沖縄戦「集団自決」問題
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おまけで“つくる会”が何をいっているのかのタイトルだけ紹介
10月4日付けの
という大仰なタイトルの文書では
①軍の「命令」や「強制」が無かったことはすでに実証され確定した史実です
②検定意見は公正かつ穏健・適切な内容であり、一点の瑕疵もありません
③沖縄の民意を正しく見るべきです
④「強制」を「関与」に言い換えるのは言葉のトリックです
⑤文科省の妥協は教科書検定制度の根本的否定をもたらします
彼らのバカげたレトリック
- 幾多の証言も、数人の逆証言でウソだと覆す乃至は希釈する。
- 「文書」を要求し文書がなければ事実はなかったことにする。
- どんなに異論や違う学説等があろうとも自説を「確定した史実」にする。
- 公表された都合の悪い数は執拗に少なくし相対的に「民意」「事実」の矮小化に努める。
- 誰に笑われても言葉のトリックを駆使し続ける。
- かつては批判対象でも、巣食うことに成功した制度は擁護するために最大努力する。
以上
今日も、最後まで読んでくださりありがとうございます。
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