みやぎブログ

演劇・戯れ・政治

祭りの後

選挙結果を受けてそれぞれのコメントなどが報告されている。
慶子さんの娘さんの活躍がギリギリKの会のブログで報告されています。ぜひ、みてください。
本当にみなさん、おつかれさまでした。

ギリギリKの会
石川真央真生さんのブログ(名前を間違えるという大罪を犯しました、まおさんごめん)
okinawa_maxiさんのブログ

今回の県知事選挙は、国政の政局的思惑を超えて、沖縄にとって本当に重要な選挙でした。負け惜しみを言うわけではありませんが、糸数慶子さんが得票した30万9,985票はとても大きいものです。ここは冷静に状況を分析し、よりよい明日をつくりだしていくために総括しなければなりません。 

2006年11月14日朝日新聞で、投票前の知事選に向けた世論調査が報道されていました。

候補者を選ぶ基準では

経済の活性化=52%
基地問題=26%

大多数が、経済活性化を基準に投票する意思を示し
さらにそれぞれに誰に投票するかを問うと

経済の活性化=6割強は仲井真氏
基地問題=7割以上は糸数氏

という傾向になっており、経済を訴える仲井真有利の状況が読める
基地建設問題については

県内移設を認めない=48%

V字滑走路を造る政府案に対しては

賛成=9%
政府案に反対だが県内移設は認める=33%

県内移設を容認する人はあわせて42%で、賛否が激しく拮抗している状況が読める。
経済を重視する有権者が多いという傾向が明らかになっている中で、なぜ野党陣営は有効な手立てが打てなかったのだろうか。

2006年11月20日朝日新聞で、投票日の出口調査の結果が報道されている。

新しい知事に最も力を入れてほしい点を問われると

経済の活性化=56%
基地問題=28%

誰に投票したかをたずねると

「経済の活性化」と答えた人
仲井真氏=67%
糸数氏=32%

基地問題」と答えた人
糸数氏=84%
仲井真氏=15%

ほぼ、投票前の世論調査結果と同傾向である。

「基地反対」か「経済振興」かという対決の枠組みを、私は是とできないが、残念ながら今回の県知事選挙はそうなってしまった。そして「経済振興」が勝利した。祭りの後の寂しさの中で、つらつらといろんなことがらを思っている。

期日前投票に対する野党陣営の対策・取り組みは急務である。
異常さに文句を言っても始まらないだろう。

過去最高の計11万606人が期日前投票
有権者104万7678人の約10.6%
有権者が最も多い那覇市で2万4469人
多い順に名護市8789人浦添市7987人、沖縄市7816人

新聞記者の方に尋ねると、開票中のある時間帯までは、出口調査&開票状況で糸数慶子がわずかにリードしているが、期日前の仲井真のポイントリードがどれほどかマスコミ各社は読みきれず慎重になっていたようだ。
NHKがいち早く当確を打ったのは、期日前投票出口調査を行なっていたことも要因だろう。
有権者総数の10人に一人が投票を済ませている。そのことへの取り組みができないで、投票率だのみの選挙をしていては野党陣営はいつまでも野党のままだ。

わたしは、保革というイデオロギー対立で選挙に臨むことは(革新政党には存在理由に関わる大事な問題だろうが)有効性を失していると感じている。政治家の言葉がイデオロギーに囚われている限り、生活者には届かない。人々の心の琴線に触れることはない。
本土経由ないしは革新が科学的普遍的と考えるイデオロギーの言葉ではなく、ウチナンチュの心に届く言葉、ウチナンチュらしいゆらぎ(慶子さんは安保・自衛隊で与党陣営にブレと批判された)をもった言葉、わたしたちはそのような言葉を必要としているのではないだろうか。

一昨日もブログに書いたけど、与党候補といえども政府案に反対するポーズをとらなければならないのが沖縄の現実なのだから、野党陣営は政府与党の沖縄統治のマヤカシ構造をわかりやすく批判し、生活者の理解と共感を得る対案を提起することに全力を傾注すべきだ。野党共闘のありかたも大いに議論すべきだが、わけのわからない争いにならないことを祈る。右傾化する危険な社会情勢下で、野党陣営がゴチャゴチャして不幸になるのは民衆である。

祭りは終わった。
ブヒ字案に反対している新知事は、移設条件について地元と調整をはじめるとしているが、地元の名護市長はブヒ字案に理解を求めるとしている。《タイムス記事
政府との協議も始まる。
選挙で県民により選ばれた知事の行為は尊重されると同時に厳しく監視・批判されなければならない。
30万9,985票の重みをわたしたちは捨てるわけにはいかない。