みやぎブログ

演劇・戯れ・政治

《騙され》考

左側に《ギリギリKの会》へのリンク貼っています。
告示されたので更新は止まっているけど行ってみて下さい。
いよいよ来週日曜日(19日)は県知事選挙投開票日。

投票権持っている人は投票に行きましょうね。

他府県の人は、沖縄に友人知人いたら声掛けを

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Afuso_1おとといは久しぶりに、友人との飲み帰りにひとりで「セカンド」に寄った。
西尾さんが薦めてくれたのは「アウトロー」という辛口のバーボン。
BGMは沖縄のジャズシンガー・安富祖貴子(リンク先で2曲ほど視聴できるよ)。
いい酒と音楽だった。
久しぶりにゆったりと落ち着いて酔いにまかせた。

酔って喧嘩というコミュニケーションするほど人好きでもないし、ろくでもない世迷言を言って嫌われたいほど人嫌いでもない。ぼちぼちと中庸をたゆたう。

そんなに酷使しているわけでもない脳味噌でも、時々はこうして溶かしてあげることが必要だと思った今日この頃。

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海外遊行中のブヒ市長が帰ってきて、なんかおっしゃっている。
マジシャンにステージに上げられ、帽子から鳩が出てきて拍手喝さいした観客が、ステージを降りた後に「騙された」と喚く姿に似ている。米軍は艦載機(戦闘機)の空母への着艦時に使用するワイヤーフックまで設置しようとしているのに、なにをのんきな演技をしているのか。
以下は沖縄タイムスの記事
------ココカラ
名護市長「双方向飛行容認せず」/V字滑走路
【名 護】米軍普天間飛行場代替施設の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への移設をめぐり、米側がV字形滑走路の双方向からの進入・着陸を日本側に求めている問題 で、同市の島袋吉和市長は十日、「民間地上空を飛ばないというのが国との基本合意の最低条件であり、認められない」と反対を明言した。十一日、名護市内で 宜野座村など北部首長と意見交換する方針。
進入路の変更で直接の影響を受ける可能性の出てきた同市の安部、豊原両区も十日、反対の意向を示した。
市内で沖縄タイムス社の取材に応じた島袋市長は「集落上空を飛ぶとなれば合意内容に反する。地元ともこの条件で話をしてきたのであり、認めるわけにはいかない」と指摘。「事務方を通じて国に事実関係をただしているところだ。ほかの首長とも意見交換したい」と話した。
久間章生防衛庁長官緊急時には米軍機の双方向からの進入を容認する考えを明言している。
双 方向進入が可能になれば住宅地上空が飛行ルートになる同市豊原の宮城稔区長は、「(滑走路を二本にした)今までの議論は何だったのか。これでは合意が根底 から崩れる」と反発。米側が燃料切れなど緊急事態のときの使用を想定していることに対し、「危険な状態のときに集落上空を飛ぶとなるとなおさら心配だ。話 にならない」と話した。安部区の宮城勇吉区長も「一番被害を受けるのはこの集落だ。絶対に反対だ」と強調した。
宜野座村の東肇村長は九日、「合意内容とは違う」として反対する意向を示し、地元の松田区の当真嗣信区長もすでに反対している。

------ココマデ
Nukagayoshikazu_2このような記事を眺めながら、わたしは思う。
この人たちは《騙され》たのか? そうではないのではないか?
《騙され》たのではないとしたら、この憤りの表明はなんだろう?
自 らの生活領域を守る《最低条件》が守られるはずなどないことは、不平等きわまる地位協定を改定せず運用改善で済まし続ける政府の意思や、来沖した米国政府 関係者が「移転先の基地周辺が都市化することがあってはならない」とする発言や、さまざまな事例が嫌というほど教えているではないか。
それでもなおかつ受け入れたのは《振興策》欲しさであり、それは施しを成す側(日本政府)への《隷属》以外のなにものでもない。
《隷 属》は、人々の誇りや物理的な生活環境やさまざまなモノゴトを犠牲にする。そのような犠牲を《主体的》に選択することは、他に選択肢が与えられない奴隷の 選択でしかない。奴隷でないと言い張るには、《最低条件》が守られると《主体的》に判断した風を装い続けなければならない。そのような擬態への回路を開い てくれたことに感謝して、名護市長は両手で防衛庁長官の差し出された片手を握るのである(写真)。

名護市長たちの大好きなブヒ字滑走路は、その時点での意思決定のありようを《主体的》に粉飾するだけの奇策でしかなかった。

奇策だろうと妙案だろうと、擬態は擬態でしかない。しかし自らの無意識も意識も総動員して擬態を演じる人々は、擬態を擬態として認識できない。そうして《騙され》たと叫ぶことで、《主体的》を演じ続け自らの《隷属》を隠蔽していく。
《騙され》たのではなく、人々は自らを《騙し》て《主体化》してみせるのだ。これが無限に陳腐な《歌舞伎プレイ》を演じ続ける役者の心性である。
ここには、自己植民地化した帝国日本に組み込まれ、敗戦で強制的に脱植民地化された日本(と米国)に再植民地化された沖縄、さらに施政権返還で日本への再組み込みが成されてもなお、日米により軍事植民地化され続けている沖縄の、人々の精神状況がある。
沖縄は《騙され》てはいない。ここを《騙され》たや、もう《騙され》ないなどの論理で切り抜けてはいけない。わたしたちには、この状況を脱構築する知性と精神の逞しさと力強さ、そして少しばかりの勇気が求められている。

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こんなときに、愚痴っているだけのやつが、もちろんいちばんダメダ~メ!:)

あぁぁ、元気出して「仕事」しよう