みやぎブログ

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「基地との共生」への道

仲井眞県知事の三選出馬への準備が着々と進んでいる。*1

今月28日(を軸に日程調整は進んでいるらしい)、県内の保守系首長らが知事激励会開催する。仲井眞さんは進退は明言していないが、報道や諸々からみるかぎり、昨年暮れは入院していたのがウソなぐらいにやる気満々のようだ。

重大な公約違反

県知事本人は辺野古埋立承認について「公約違反は無い」「法令に則り審査した結果」などとのたまっているが、辺野古新基地建設を推進する立場になったのは明らかであり、日米合意の見直し、普天間は県外へと歌った公約に違反しているのは明白。

普天間基地の5年以内運用停止」を求めているから、これは県外を選択肢に入れなければ実現できないので、故に公約違反ではないとも言っていた。米側は5年以内の運用停止はありえないと、わざわざ県知事の公約違反を糊塗するために訪米した副知事に伝えている。沖縄県のパフォーマンスはバカじゃないのかとしか思えない。

最近は、仲井眞さんは「私の公約は普天間の危険性の除去」などとのたまい、であるから辺野古新基地建設推進は公約違反ではないと言っている。どうとでも言い逃れようとする口は、詭弁の典型である。

公約違反を認めてしまっては、自身の行った辺野古埋立承認(つまり辺野古新基地建設推進)の政治的正当性が揺らぐので、ここは必死である。

だが、公約違反は違反。その事実は揺らぎようがない。

「基地との共生」の道

公約違反など許されない。主権者からの信任を得て絶大な行政権力を振るう首長たるものが、明々白々の公約違反をなし詭弁を弄して逃げ回り開き直る仲井眞県知事を「激励」し、「三選出馬を全力で支える」というのは、はっきりいって如何なものかとしか思えない。沖縄の保守系市町村長や議員らは何を考えているんだろう。

「沖縄振興一括交付金」や諸々の振興策等を、仲井眞県知事の成果として持ち上げ、そのことを持ってして、有権者からの支持を調達できると思っているとしか思えない。

どうなんだろうね。

仲井眞県政や県内の保守系首長や議員たちが目指している道は、「在沖米軍基地との共生」の道である。政府は共生してもらいたいから、諸々の振興を施すし、特別の制度を設ける。保守系の方々としては、「基地との共生」は阿吽の呼吸の如き、自明の方向性なのだろう。

そのことを、明確に批判しきれない革新勢力もある。つかみ金のような「沖縄振興一括交付金」増額を超党派で要求し、(積算根拠や基準や明確なルールづくりも怠り政治判断で)増額されたことで万歳三唱していた沖縄がある。

沖縄における振興への信仰は根深い。

未来永劫

11月の県知事選挙は、明らかに仲井眞県知事の辺野古埋立承認が問われる選挙になる。辺野古新基地建設を認めるのか否かが争点になる。「基地との共生」を選択した保守系のみなさんは、普天間の危険性除去という呪文を振りかざしつつ、県内米軍基地の再配置で返還される土地のビジョンを大々的に喧伝するだろう。

しかし、既に指摘したように、政府が跡地利用の目玉と位置づけ、宜野湾市や県、琉大までが一緒になって踊っている「西普天間地区」は隣接する米海軍病院が重要なパートナーと位置づけられる「国際医療拠点」である。

保守系の方々の経済振興に対する渇望と現状変革への不安はわからなくはない。だが、いまつかんでいる策は、間違いなく沖縄戦から地続きで続く米軍の存在を未来永劫へとつなげる。つかんでいい藁ではない。

岐路の憲法・沖縄の岐路

米軍基地は、沖縄にとって、なんであり、なんであったのか。

新基地建設を拒否する信条・心情を「アイデンティティ」で語る政治家もいるが、私は「条件付」で基地建設を容認していた沖縄をアイデンティティから切断することができないでいる。あの条件は絶対建設不可能な条件で、ある意味、沖縄の「抵抗」だったんだという人もいるが、その建設不可能な基地建設のための調査や諸々に一身を投げ出し海の上で底で「抵抗」した人々がいる。そのことを知りながら、そんな言葉が吐ける心根は私には凍えるほど寒い。

沖縄はしばらく前から、重大な岐路に立ち続けているのは間違いない。沖縄がその下へ復帰したいと渇望した日本国憲法も、解釈壊憲されようとしている。集団的自衛権の行使で、再び「沖縄戦」の惨禍も見え隠れする。11月の県知事選挙に臨む政党や政治家のみなさんには、しっかりとした議論でこの岐路の道筋を浮かび上がらせてほしい。沖縄の未来を決めるのは沖縄の有権者だ。政府や国会ではない。

沖縄戦以来居座り続ける米軍基地。再配置され「長期的に持続可能」となる「基地との共生」を選ぶのか、そうではないのか。

沖縄の命運は、11月に決まる。

 

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 普天間封鎖の時の画像。野嵩ゲート。