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宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

辺野古アセスの最終である「補正評価書」について

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2012年12月18日。沖縄防衛局はまたしても姑息に、環境影響評価に係る膨大な書類を沖縄県庁に不意打ちで運び入れ逃げていった。―ー姑息、不意打ち、逃げていった。搬入5分前に突然連絡し、職員20名でさっさと運び入れる行為はそう呼ぶしかない。沖縄防衛局のある嘉手納町から那覇市泉崎の県庁まで5分で移動できない。5分前の連絡はかなり意識的に5分前である。姑息な意図が見えて透ける。 沖縄タイムス2012.1218

運び込まれた膨大な書類は、辺野古への新基地建設の環境影響評価の書類である。私は「評価書」に出された知事意見に基づき「修正」がなされた書類かと錯誤していたが、運び込まれた書類は環境影響評価手続きの最終結果になる「補正書」だという。環境影響評価法の手続きでは、最終段階で環境大臣が意見を出すことが「できる」という位置づけがあったはずだが、その段階は過ぎ去っていた。
今年に入って改正された現行の環境影響評価法では環境大臣の意見が明確に位置づけられているらしいが、それ以前は「できる」という位置づけであった。今回の手続きは、それ以前が適用され「できる」けどやらなかったということのようだ。環境政策に責任を持つ国家の主体としての意見を、環境大臣に言わせたかった。
沖縄県はこの環境影響評価の補正評価書を形式審査を終えて、19日に公式に受理した。 琉球新報2012.12.20 

沖縄防衛局の環境影響評価のデタラメぶりは、どれほどの言葉を費やしてもそのデタラメの底抜けぶりを表現できないほどデタラメである。私のこのブログで「環境影響評価」で検索しても、これまでのデタラメぶりの一端を伺ってもらえる。
現段階での専門家やNGOのこの問題についての指摘については、沖縄・生物多様性市民ネットワークのブログや沖縄の地元新聞(沖縄タイムス琉球新報)が詳しく報じている。参照してもらいたい。 沖縄タイムス2012.12.20 琉球新報2012.12.20

そもそも、このアセスは2007年8月に始まった。

防衛施設庁の担当課長2名と那覇防衛施設局員が沖縄県庁を訪れ、県の返還問題対策課は「現時点では受け取りできない」旨を伝えたが、施設局側は「これで、行政手続きが進む」と「方法書」を残して引き揚げた。
なごなぐ雑記:2007年8月 7日

始まりから異常極まりないものであった。しかし、このアセス手続きに、民衆は粘り強く付き合い、専門家やNGOと共に学習し、事業そのものが自然環境生活環境に及ぼす壊滅的な問題点を明確にし、言うべきことを言い正すべきを正そうと長い年月かけて努力してきた。その努力に対して、政府防衛局は徹頭徹尾、始まりの異常さが如実に示す対応に終始した。最終段階である今回の補正評価書提出も同様である。
このような国の対応に、関係自治体も住民も納得できるはずはない。防衛局はアセス制度(合意形成のプロセス)の持つ意味を歪め、利害関係者との信頼や合意形成を踏みにじり強行的に出続けることで制度を破壊した。

環境影響評価法に基づく環境アセス事業を止める権力はない。しかし、科学的な調査等で得られる情報を評価し「事業の内容に関する決定に反映」と、環境影響評価法第一条は定めている。
事業者である防衛局が、補正評価書を出すために組織した有識者研究会に対して「事業自体の適否、環境影響評価の補正手続き自体の適否について意見を述べるために設けられたものではない」と位置づけているのは、環境アセスにおける科学的な評価/事実を「事業の内容に関する決定に反映」させる気はさらさらないという証左である。 琉球新報2012.1215 及び冒頭に掲げた沖縄タイムス記事参照

レイムダックの政権が、不意打ちで投げ捨て、関係自治体や住民を最終プロセスに陥れた。この行政行為には政治的社会的に一片の道理もない。補正評価書の公告・縦覧が始まるらしい。このような合意形成プロセスを破壊したアセスに異議の声をあげ、事業ありきのデタラメを許さず、我々はすべきことをするしかない。