宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

八重山教科書採択問題

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八重山地区の中学校の教科書採択問題が、混迷を深めつつ最終局面に近づきつつある。個人的には、新聞のブクマやツイッターで追いかけているので、それだけで意見表明した気になってるが、私のそれを読んでる人など多くもないのだからブログにも書いておこうと思う。育鵬社「公民」が八重山での中学教科書として採択されたと思ってる人もいるだろうが、まだ決着していないし、ほんとうにギリギリのところで竹富町教委は踏ん張っている。そのことだけは知って。

今日の琉球新報の記事をみて、ほんとうに憤りを覚えた。八重山の教科書採択地区協議会が決裂した模様を伝える記事だが、協議会会長の玉津石垣教育長は、慶田盛竹富教育長に「答申に従え」の一点張りで、最終的には多数決で竹富町教委に育鵬社「公民」の採択を求めるという結果にした。

この協議会役員会は、与那国/石垣/竹富の教育長三名だけの会議。ほんとうに酷い会議だ。話し合いなどではなく、育鵬社「公民」を押し付けるだけの密室の恫喝でしかない。

玉津石垣教育長は、このままでは「教科書が有料になる」との誤った解釈まで開陳し竹富町側を恫喝する。

記事を一読するだけで、この協議会役員会が(子どもたちにとっての)教科書の中身について議論などする場ではないことは一目瞭然である。玉津石垣教育長も崎原与那国教育長も、自らの政治的判断と思惑だけでなりふり構わない醜態を演じているとしかいえない。

会長「答申に従え」 教科書再協議決裂(新報9.11)

【最初から狙いはみえみえ】

Img003左は8月24日の琉球新報紙面に掲載されていた経緯である。7月16日の記事を読めば、当初から慶田盛安三竹富町教育長を外した形で進めて行くことを玉津博克石垣市教育長らは画策していたことがわかる。私にはよくわからないが、竹富教育長が「つくる会」系の教科書採択の邪魔になるという判断があったんだろう。

役員会経ず調査員委嘱 八重山採択地区協議会 教科書選定(新報7.16)

左の経緯をみればわかる通り、採択協議会での無記名投票での採択方式など「つくる会」系の教科書を採択するための段取りを突き進めてきた。

最初から政治的判断と思惑で「つくる会」系の教科書を採択するために採択協議会そのものを歪め、最終的に「公民」で育鵬社を協議会として採択するに至る。それも「歴史」ではなく「公民」狙い撃ちだったことも関係者の証言で明らかになっている。

八重山教科書採択問題 「歴史は帝国に」投票依頼、石垣氏証言(新報8.28)

8月23日に育鵬社「公民」が八重山地区採択協議会で採択された後に、石垣・竹富・与那国の各教委で採択を巡る会議が開かれ、石垣/与那国は採択協議会通りの育鵬社「公民」を採択するが、竹富教委は東京書籍版「公民」を採択するに至った。

このような流れを受けて採択協議会役員会が昨日開かれ、【会長「答申に従え」教科書再協議決裂】の見出しの今日の報道がある。

今後は、全教育委員の臨時総会が開かれ合意形成への努力が図られる見通しだが、玉津石垣市教育長と崎原与那国町教育長の野望は潰えていない。しかし、経緯も含めて石垣・与那国の政治的思惑が見透かされてしまう状況下で、全教委の臨時会が「またもや多数決」になってしまうことはありえない話ではない。

八重山だけの問題ではないし、ましてや沖縄だけの】

教科書の選定システムが複雑なのは、公平公正を期すためなのだという。その複雑さを悪用してこのような事柄が行われる。教育行政と一般行政を分けているのは、政治からの干渉や影響を排除するためである。大阪府知事は教育行政そのものの権力をも自分に寄越せと主張し続けているが、現行制度は、大日本帝国での教育行政が皇国史観に基づくカルトな国民を作り出してしまった反省に基づいている。そこに手を入れ権力集中を声高く叫ぶのはファシストの誹りを免れないと思うが、それが堂々とまかり通っているのが現在だ。

システムの建前では教育行政は政治から独立した形になっているが、現実の地方自治制度及び慣行では、首長が任命する教委が教育長として教委から互選されて議会もそれを追認する形になっている。教育行政に関わる予算とて、首長部局が編成するのだから、金を握るものが権力を有す。

今回の八重山地区での教科書問題には、それぞれの市町の首長の政治的判断が色濃く投影されている。石垣市の中山義隆市長は「問題ない」とするし、与那国町の外間守吉町長は国境地域として領土に関する教育について「賛同する部分もある」と「つくる会」系の教科書に共感を示し、竹富町の川満栄長町長は「つくる会」系教科書を評価しない姿勢を示している。

教科書選定方法 八重山3首長に聞く(タイムス8.21)

与那国には自衛隊配備の話もあり、石垣は尖閣問題という右傾化する具体的事象を抱えている。それらが政治判断を大きく動かし、人々の価値判断も揺れ動いていることは想像できる。それでもなお、八重山地区の人々への世論調査(7.29/30)で56.2%という過半を超える人々が石垣・与那国が育鵬社「公民」を採択したことに反対という意思を示していることを重くみたい。

育鵬社教科書「反対」56% 本紙世論調査(タイムス8.31)

私ごときが論じることでもないだろうが、国民主権を脅かす「つくる会」系の教科書採択の問題が、沖縄で起きたことの意味は大きい。沖縄戦天皇メッセージ、米軍占領、いまなお続く米軍基地の過重負担。そのような沖縄で「つくる会」系の教科書が採択(玉津らが仕掛けた協議会採択)されるということが起きたことは大きい。おそらく関係者はここまででさえ、すでに上出来だと思っているだろう。八重山の全教委の議論・判断を見守ると同時に、我々が時代/次代に負わなければならない責任の重さを思い発言/行動を成していきたい。

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【追記】

“国境の小さな島はこれから“軍人教育”と並行して次第に住民同士が賛否で対立する島になり、そして自衛隊配備で友好関係にある中国・台湾との対立と緊張関係を生む島になる。”

「海保」では駄目なのか - 八重山毎日新聞8月31日社説より