宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

「平野発言」にみる、だれもなんにもわかってないという軽さ【追記あり】

 平野官房長官のバカな発言の連発で、集中力が乱される。やらなければならないことがあるのに、頭がこっちのほうのことを考え出してしまう。

 下記は、友人たちとのメーリングリストで、ついさっき私が書いたこと。せっかくなので、ここに置いておく。

[E:mail]

> 平野発言に反論すること自体が、それを認めてしまうことになるという、
> 高等戦術の罠を仕掛けたと見るべきでしょう。

そうなんでしょうね。

首相・官房長官(いわゆる政府首脳)、外務大臣防衛大臣
だーれも、なんにも考えていないし、わかっていない。

13年間造れなかったのはなぜなのか
沖縄側行政だって充分以上に協力的で、条件付とはいえ受入れてきた
政府側行政だって充分以上に積極的で、各省庁連携して沖縄に接してきた

県内移設という沖縄の歴史に鑑みれば重大な問題であるところを
沖縄は「県民の財産」というレトリックで新基地を粉飾してまで受入れたのに
米軍再編(2005-2006)で、沖縄側のレトリックを、受入れ条件をことごとく無視したのは
日米両政府である。

条件をことごとく無視されたのに、どうにか息をつなげていたのは
名護市長がV字で住宅地上空は飛ばないというウソを受入れ基本合意したからだった。その市長も落選して、新基地建設を拒否する市長が誕生した。

政府と沖縄の新基地建設(県内移設)を進める協力関係は名実共に消尽した。

米軍再編で瓦解した、日本政府と沖縄の協力体制を修復するにはどうしたらいいのか。
「県内移設」を拒否する沖縄の民衆は、沖縄の現在のみならず、現在が構築されてきた歴史をもみつめている。ゆえに「差別」という問題を直裁にみてとっている。

政府がとりうる選択肢はいくつか考えられるだろうが、「県内移設」というカードは
日米安全保障体制を大きく揺らがすだけである。

いまだに「県内移設」の可能性を捨てきれず、右往左往する日本政府は
進行中の事態の深刻さを、なんにもわかっていない。

であるから、平野氏の発言には反論などせず
「ばーか」と揶揄するか、教え諭してあげるべきなのかもしれない。

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宮城康博

[E:eyeglass]

 「平野発言」は言語道断だが、「平野発言」に対して「沖縄県民が怒って、まとまるものもまとまらない」という論調もまちがい。コトのレベルはそんな問題ではない。

 鳩山首相がなにを考えているかはわからないが、沖縄県民も納得できるプランをというのであれば、まずは「辺野古移設」はこの13年間の自公政権による失敗と認め、これを選択肢から外すことだ。それもできず「ゼロベース」などといって、フリーハンドを得ている気になっていると、ますます鳩山政権は自ら窮地に陥るだけである。

 「海兵隊は抑止力」と発言している状況をみると、その窮地に陥っている最中のような気がする。「海兵隊」がほんとうに抑止力なのか、沖縄の海兵隊がどのような機能を担い、それは日米安全保障条約上、いかなる意味を持つのか。沖縄の狭隘な土地での海兵隊の訓練は不十分であると、GAOでも報告されている。それなのに、なぜ「沖縄」「海兵隊」にこだわるのか。

 普天間代替という名目の、海兵隊の新基地建設に反対しているのは、当選した名護市長だけではなく、県議会でも決議されている。沖縄県民のほぼコンセンサスといっていい民意である。さらに、在沖海兵隊の削減、撤退こそが、沖縄における基地問題の解決につながるという意識は、大田県政から稲嶺県政へも継承されてきた沖縄側行政の冷静な認識である。

 それぐらいのことは踏まえて、政府として、まともな議論・思考をして発言すべきである。

 自公政権が思考停止し米側の言いなりになって決め失敗したことを、変更しようというからには、自公政権とは違う手つきで日米安全保障のありかたを根幹のところから問い、両国にとってベストな方策を探るしかない。

 「沖縄」「海兵隊」という問題を避けて出口は見いだせない。

 参考までに、佐藤学沖縄国際大学教授(政治学)の「海兵隊にさよならを」という講演録へのリンクを置いておく。せめて、これぐらいは読んで、沖縄の海兵隊について思考し発言してほしい。

【報告】海兵隊にさよならを(ネオキの会)

[E:end]

【追記】0129.15:05

先ほど、ガバン・マコーマック氏からメールがあった。添付されていたのは朝日新聞の記事。興味深い。少しでもまともな議論がおこることを願っている。

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