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宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

比嘉鉄也氏は言う基地問題は我々に「白紙委任せよ」

 名護市では土建業者を中心に不在者投票への大量動員が行なわれているらしい。もちろん対抗する陣営では監視体制がつくられ、不正を抑止・牽制もしている。市民投票以来、おなじみの光景。名護市の基地誘致勢力はタガが外れている。

 夜中に名護市長選挙のことを気にしながらネットを徘徊しているとQABのサイトに行き当たった。市長選挙に関する報道をまとめている。関心のある方は、ぜひ視聴をお薦めする。

School2 ←クリックするとQABのサイトに飛びます

[E:tv]

 QABの動画は基地や経済などの論点を整理し番組がつくられており、それぞれ参考になる。

 全体を通してみて改めて感じることは、今回の市長選挙、島袋陣営は後援会本部長で元市長の比嘉鉄也氏の選挙であるということである。1997年12月24日に市長選挙の結果を踏みにじり「普通の市民に戻る」と辞めていった比嘉鉄也氏を思い出した。自らの後継を市長に据え院政の如き影響力を行使してきた比嘉鉄也氏が、あの市民投票時と同じように公衆の前に出て選挙運動を展開している。これは過去3回の市長選挙ではなかったことである。

 この状況は、鉄也さんの危機感の表れだろうとは思うが、考え方によっては自らが1997年に行なった市民投票結果を踏みにじる行為を忘れ弛緩していることの表れでもある。

 私のしつこさは異常かも知れないが、たかだか13年でなかったことにしていい話でもない。政府の暴力的なまでの圧力の中で主権者がつかみ出した意思を踏みにじった行為を。

 
2010名護市長選挙 基地移設へのスタンスの違い←QABの番組(動画あり)

 島袋ヨシカズは基地「誘致」を否定し、なおかつ選挙戦では「基地問題」を争点から外す戦略をとっている。

Nago02003  名護市商工会長で後援会長の荻堂盛秀はテレビカメラの前ではっきりと「基地問題」に言及している。

  • 「私は、鳩山総理が名護市にお願いするしかないだろうという形で落ち着くとするならば、私は早めに名護市にお願いしたいということを申し上げるべきだと思います」
  •   「(市長選挙が)終わってからやったら、もっとアメリカとの間に立って苦労すると思いますよ。また地元はひょっとしたら抑えが効かなくなるかもしれません」

 後段にいう「地元」というのはどこのことなのか、だれのことなのか微妙だが、いずれにしてもこれは政府に対する狡猾な恫喝である。ここからみえるのは、日本政府はどうせ辺野古へ舞い戻るしかないと島袋陣営が踏んでいるということである。

Nago02004  同じく「基地問題」について後援会本部長で元名護市長の比嘉鉄也は演説で言う。

  • 「なぜ、普天間を論争しないか・・。」
  • 「総理大臣は5月までにきちっとやりますと言っているので、今回の市長選挙はそれだけに集中して論議する必要はない」

 鉄也さんの喋り方は、独特のイントネーションでゆっくりとはっきりと喋るものだから、ついうっかり「そうなんだ」と聞き流してしまいそうになるが聞き流せる話しではない。鉄也さんは名護市有権者に対して、基地問題に関しては我々に白紙委任せよと言っているのである。

 先の荻堂さんの話と合わせると、島袋陣営は「基地問題」を争点から外し、有権者から白紙委任を受け取り5月ごろに辺野古移設で舞い戻る政府と交渉するということである。

 QABのこの動画は次のように締めくくられている。

 政府は現在、普天間の移設先について、白紙の状態から再検討を進めていますが、市長選の結果に注目が集まることは間違いなく、名護市民には、市長選の範囲を超えた大きなプレッシャーがのしかかっています。

Nago02end

 動画はここで終わっているのだが、おそらくオンエア時のキャスターのコメントと思われるがテキストは続いている。

 今回の選挙、お互いが自分の土俵で相撲を取ろうとしている感じで、この基地問題についても、何か議論が噛み合わない印象を受けますね。確かに普天間の移設先は、政府が決める責任を負うわけで、人口6万の名護市のリーダーを決める市長選で、国の安全保障政策を議論するというのは酷だと思います。

 とてもまっとう意見であり、私もコメントの趣旨に同意する。しかし、基地を誘致して振興を得る比嘉鉄也氏の選挙は、このような感情・知性に巧みに棹さすことで成立している。ほんとうに侮れない。長くなったので、次回、そこいらへんのことを考えることにする。

[E:soon]