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宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

2010謹賀新年[追記あり]

2010

[追記]元旦、05:30

大晦日にほろ酔い気分で、“「癒しの島」から「冷やしの島」”(24wackyさん)で紹介されている「名護市12月議会動画」をみた。

2009年12月9日に行なわれた東恩納琢磨市議による一般質問。1月24日に改選選挙を控える島袋吉和市長にとっては最後の市議会である。市長の合意した「V字案はベストか」という議員の質問に、名護市長は答える。

「L字案についてはなんの相談もなく(日米両政府が)決めたものですから、われわれは反対してきたものであります。(V字案は)ベストではなくベターだということで」

「政府としての方針を早めに言って欲しいと言ってあるんですが、新政権になってもなんら方針を示すことはなく、各大臣が様々な発言をされていることは好ましいことではなく遺憾に思っています。外交防衛政策は国家の根本にあるものであり、これに深く関係している普天間飛行場の問題については、まず国が方針を示すべきものであります」

この市長答弁に対して、琢磨市議は

名護市民はベターな選択しかできないということですね。ベターな選択しかできない市長を選んだということですね。ほんとうに虚しい。虚しいというかやるせなさを感じます」

と返している。その後に「政権交代があったんだから云々」と続く発言は議員の意見であって質問ではないから、質問/答弁としてはこれで終わり。

「ベストではなくベター」というのは稲嶺恵一前沖縄県知事が繰り返していたクリシェでしかない。岸本前名護市長は使わなかったが、稲嶺‐岸本ラインの沖縄のクリシェといってもいいだろう。そのベターには「軍民共用」や「15年使用期限」等が入っていた。現在はそのベターもバターのように溶けて消えている。

にもかかわらず、島袋吉和市長とそのスタッフは、まだその延長に自分たちがいるかのように偽装し「ベター」を主張している。問題はそうではないという切断線を引くこと。できるだけ鮮やかに、名護市有権者にわかりやすく強い切断線を。そうすることで、島袋吉和による名護市政の危機をありかたを示すこと。そういう意味では、琢磨市議が政権交代を持ち出したのは有効だが、それを質問とはせずに意見の開陳としたことで、市長は痛くも痒くもなく時間が過ぎるのを待つことができた。これらの時間にどれほどの税金が使われているかと思うと、市井を生きる市民としては腹立たしいものである。

日本酒に酔った頭で、少しだけ琢磨市議の残り時間を借りて質問を続けてみた。

市長、あなたが合意した「V字案」はベターですらない。稲嶺前知事と建男前市長の行っていた「ベター」は、米軍再編で反故にされ溶けて消えている。あなたが行なった、それぞれ着陸と離陸専用で住宅上空を飛ばないように設計された二本の滑走路など、画餅以外のなにものでもないことは防衛官僚だって国会で答えている。さらにあなたが求めている滑走路の沖合い移動では埋め立て拡大になるだけで、騒音軽減に効果がないことも政府発言で明らかにされている。市長「V字案」は、あなたたちにとっては埋め立て拡大で利益を最大化するための「バター」だったのだろう。あなたは、その「バター」が政権交代で溶けてなくなる焦りに耐えながら「政府が方針を示すべき」と強弁しているだけでしかありません。最後にひとことだけ。
名護市民はあなたたちの「バター」のために子々孫々まで苦しみ、歴史に基地を自ら欲した沖縄という汚名を刻むことはしない。

…結局、酔っ払いの脳内では質問まではいかなかった。(笑)

この十年余、名護市では何千億円という振興策の予算が投下された。バターはどこに消えた? 疲弊した市民の暮らしと地域社会を蘇生するためにも、島袋吉和が再選されることがあってはならない。

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琢磨君、名護市民は「ベターな選択しかできない市長を選んだ」のではなく、「ベターな選択すらできない市長を選んだ」んだと思う。「建男神話」が市長選挙において有効なら、それこそ、そこに切断線を引くことだ。我々を苦しめ、我々が戦った「ベター」ですらない現在を明らかにする。実際そうでしかないんだからね。奮闘を期待する、がんばれ!

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