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名護市長選告示まで1ヵ月 基地誘引現職市長の発言

Img4b2989e415209 今朝の琉球新報朝刊に名護市長選挙の予定候補者二人の発言が出ていた。ウェブに載らないかもと思い切り抜きしたが、さきほどみたらネット上にあったので紹介しておく。

[E:clip]
名護市長選告示まで1ヵ月 立候補予定者に聞く
琉球新報2009.1217)

突っ込みどころ満載だが、現職市長である島袋吉和氏の下記発言について2点だけ今日は言及しておく。

普天間の危険性除去にはどうしても移設しなければいけない(1)。県外移設がベストだが、政府は結論に至らず残念だ。一日も早い結論を出してほしい。国の専権事項としての防衛を地方自治体の選挙に任せることは間違っている。過去3度の市長選で民意は出た(2)。政府は結論先送りの方針を決めたが、民主党衆院選で県外、国外移設と言って戦っている。早めに結論を出してほしい。無責任だ」

[E:eyeglass]

(1)このような判断・断定がどこから出てくるのか。普天間の危険性除去のために「海上ヘリポートしかない」とされていた時期に、苦渋の判断で「県民の財産」とするかたちで受け入れた1999年時点ならいざ知らず、あれから曲折を経て、軍港付で拡大した現行案は「移設」という言葉では語れない。沖縄県民の立場としては「普天間の危険性除去にはどうしても(普天間を)閉鎖しなければいけない」というのがコンセンサスであり、「移設」は非常に強い政治的バイアスがかかった概念である。「移設」には「建設」が寄り添う。島袋吉和氏は「どうしても建設しなければならない」と言っているに等しい。

(2)私はココでも触れているが、再度言及しておく。1998年は同問題を「凍結」して岸本氏が当選し、2002年は「条件付」で受入れた岸本氏が再選し、2006年はその条件も政府により一方的に破棄され「反対」していた岸本氏の後継である島袋氏が当選した。これが「過去3度の市長選で民意は出た」ということの内容である。島袋吉和市長は当選直後に、「反対」から転じV字案で勝手に合意した。そのような事実経過があるにも関わらず、まるで自分の判断が民意により裏付けされているかのごとく振舞うのは傲岸不遜極まりない。

この二箇所以外は、政府に対する愚痴がいろいろ発せられているが、それらはすべて自らの責任を忌避するためのレトリックでしかない。故岸本建男市長の「条件付受入れ」の名護市と、現在の島袋吉和市長の「条件なし受入れ」の名護市では問題のありかたが根本的に違う。明らかに名護市は基地を誘引している。その名護市を変えることができるのは名護市有権者だけである。

以上。

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