宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

名護市長選挙についてのメモ(6)

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上は昨日(30日)の沖縄タイムス朝刊2面の記事。二日連続で似たような記事だが、昨日は市議の大城氏、この記事では県議の玉城氏のコメントが出ている。

玉城県議のコメントをみると、稲嶺氏は「辺野古に基地を造らせないという基本的な方針」を掲げているようだが、新聞報道等でそのような発言をみたことないし、名護だけで流通している稲嶺氏のそのような文書があるのだろうか。私にはわからない。

いずれにしても、名護を離れている身としては考えるにも限界がある、「続きを読む」にここまでの情報に基づく、私の考えを書きとめ「名護市長選挙についてのメモ」の最後にする。

[E:pencil]

昨日も書いたが、問題は、稲嶺進氏が「辺野古移設に反対」を明確にしているかどうかだろう。
辺野古合意案を見直し、県外移設を求めていく」というのは、繰り返さないが、「辺野古移設に反対」を明確にしていることにはならない。

そうであるにも関らず、革新系の県議や市議らが、稲嶺氏は「辺野古に基地を造らせないという基本的な方針」だとか「辺野古移設に反対しており」と弄言し、稲嶺市長誕生に走ることは、有権者の信を問う選挙であってはならないことだ。

これが大原則。

もしかして、稲嶺氏は、それ(「辺野古移設に反対」)らしいことを口頭では言っているのかもしれない。しかし、私の知る限り、新聞紙上やメディアで公言した事実はない。取材した沖縄内外の記者諸君に聞いても、移設に関る具体的な事柄(どのような案なら合意するのか、移設反対なのですか、などなど)に関しては、明確な答えを避け続けているという。

まるで移設反対の如く、県議や市議が新聞でコメントするだけで、当の本人の言質はどこにも出てきていない。こんな状況で、普天間飛行場辺野古移設に反対する労働団体や諸団体が結集することができるのか、私はほんとうにいぶかしく、なんだかとてつもない世界の出来事をみているようだ。

1997年の市民投票から12年を経たが、ここにきて「たいせつなことはみんなで決めよう」と動き出した原点を思う。あのとき、「ことば」はとても重要だった。オスプレイ配備についても、海上ヘリポートの規模にも、環境破壊の程度にも、訓練の様態についても、曖昧なことばで誤魔化すのを許さず、私たちは追及して事実とわからないことを弁別し、有権者に伝えることに懸命になっていた。誰かに決めさせるのではなく、私(たち)が決めるのだということは、たいへんなことである。市長選挙の比じゃない。

市民投票の地点に立ち返ると、主権者としての大事な一票を投じるのに、大事な争点に対する候補者の曖昧な言葉を許せないのは当然ではないか。

3年前の市議選で退場し、名護を離れて久しい私だが、市民投票後の三度の市長選で負け続けたとはいえ、新基地建設への態度を明確にし有権者に信を問うことは逃げなかった。

この地点を譲ることで、失うものは大きい。

玉城県議が言うように稲嶺氏に「辺野古に基地を造らせないという基本的な方針」というのがあるなら、基地建設に反対する勢力の大同団結の道はあるだろう。比嘉靖氏が主張なされていることの根幹は、県外移設/国外移設の違いではなく、辺野古移設に反対する基本的な方針が見えないということだろう。私にも、それがみえない。このままでは、一本化などありえない。

玉城県議らが、ほんとうに一本化を望んでいるなら、比嘉靖氏に働きかけるのではなく、稲嶺進氏に働きかけ、そこを明確にさせるのがスジだ。そのスジをはずして、政治だ勝負だなどということに反対派の諸君が乗ったのであれば、たいへんな自壊だ。

以上、この件については、もう静観することにした。私は市民投票以来、名護の選挙の内実に深く関わりすぎた。市民投票でうまれた団結の軸を崩さないように、微力ながら努力し続けてきたが、時代は変わった。負け続けたのは、私が悪かったのかもしれない。だとしたら、ほんとうにすまない万死に値する。

[E:danger]

ここからは、ちょっと危険なひとりごと。

選挙は勝たなければならない。稲嶺氏で勝てるならそれでもいいだろう。しかし、政府は「県外移設」どころか、岡田外相が嘉手納統合を追及しだしている。嘉手納統合はデッドロックに乗り上げているのは、沖縄で暮らしているとすぐわかる。「県外移設」がなし崩しになっていった速度をみると、早晩、やっぱり辺野古ですという話になる可能性は低くはない。そのときに、現職市長が再選しているより新市長になっているほうがいい。稲嶺氏が、そのときに反対派の諸君が望んでいるような市長として対応できるかは、選挙の勝ち方による。稲嶺氏は、故岸本建男市長の後継候補であったことを、その市政を支えた幹部職員~三役であったことを忘れてはならない。

個人的には、稲嶺進さんの行政手腕も、まちづくり等に関するセンスも、私は信頼に値すると思っている。新基地建設の問題さえなければ、稲嶺進市長誕生を歓迎さえする。

比嘉靖先生の柔軟さとガンコさと、行動力を私は大好きだ。靖先生も、基地問題に関する稲嶺さんの態度が明確になったら、あとは話し合いで協力し合える人物だと思ってる。

「政治」が絡んでいるので、なかなか難しいところもあるが、もつれた糸を解して、市民投票以来の混乱を収める方向で、二人が英断してくれたら、歴史はまたひとつ大きく前進するのにと残念でならない。

そういう意味では、二人をこんなガチンコ状態にまで追い込んだ、不作為さが腹立たしい。

もう私ごときが、気を揉んでも仕方ない。なるようになる。しかし反対派の諸君は、つまらない「政治」に巻き込まれることなく、まっすぐなまなざしを持ち続けてほしい。市長選挙で勝ちたい一心で、大切なことを見失わないようにしてほしい。

政府が、名護市を断念してくれたらそれでいい。そうならなかったときに備えて、私はやりかけの原稿/思考を早く終らせて、足腰を鍛えておこう。

[E:flair]

なにか動きがあれば、またコメントするけど、名護市長選挙についてのメモはこれで終る。この件のおかげで、仕事の手(頭)が止まり、ずいぶん遅れてしまった。楽しかったけどね。
みんな、がんばれ[E:sign03]

【追記】

基地建設反対運動の現場で踏ん張り続ける大西先生(退職教員)のブログに、比嘉靖氏のプロフィール等が掲載されていた。→「宝の海

そういえば、稲嶺進氏を紹介したり、主張や公約を公表しているブログ等はみたことないな。

昨日、政党への挨拶回りに行っているとは聞いていたが、推薦依頼を出したとはしらなかった。市民党云々を標榜していたのは、変わったんだね。これで自公及び共産を除く政権与党勢力が稲嶺氏へと動く。稲嶺市長誕生してなお、政権が基地は辺野古へと来たときに、持ちこたえきれればいいが。現時点のまま推移し当選し持ちこたえきれないとしても、稲嶺氏を支持して当選させた人々の責任だ。だれも騙されてはいない。→「読売新聞」普天間県外移設派、民主に推薦願…名護市長選

読売の記事の「移設問題をめぐる住民投票となる」というのは、違うと思うが、世間的にはそうみるだろう。島袋吉和=移設賛成 稲嶺進=県外移設 比嘉靖=国外移設。投票結果が移設反対できっちり出れば、政府も簡単には動けないだろう。(と思いたい)

[E:end]