宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

名護市長選挙についてのメモ(3)

本日の琉球新報二面に小さな記事が出ていた。

革新統一候補/擁立を断念 名護市長選挙で労組など

革新系市会議員や労組などで市長候補選定を行なっていた会議が解散した。これで基地建設に反対する側からの統一候補はなくなった。

現職の島袋市長は、米国の恫喝ともいえる発言に対して「市の気持ちをくみ取ってもらった」と発言するまでに劣化している。1019琉球新報

対立予定候補の稲嶺氏は、まるで県外移設を主張しているかのごとく「V字案への合意形成の過程に問題があると従来から主張しており、見直しを求めていた。V字案を見直すことは結果として、県外移設を求めることにつながる」と発言しているが、そのレトリックでいえば、ベストは県外移設だがと主張し続けている現職だって県外移設を求めていることになる。→1016琉球新報

想像できる稲嶺氏の意図に最大限歩み寄って解釈しても、「合意形成過程に問題あり」とする主張と「県外移設を求める」主張が違うことは自明である。

この二人しか候補者がみえないなかで、基地建設に反対し続けてきた「革新」による統一候補擁立は断念された。市長選挙は来年1月24日である。

[E:eyeglass]

日米交渉は、米国が合意の実施を強行に求め、日本政府側は県民の民意を根拠に見直しの立場をかろうじて堅持している。

オバマ政権の人事の対日シフトをみれば、強行に出てくることは予測できたことであり、驚くほどのことはない。

現在の状況で、自治を大切に政府をコントロールすべき主権者として私たちが注視し考えなければならないのは、鳩山政権のこの問題に対する態度である。

名護市長選挙の結果を得て、民意を見極めてなどという発言をどのように考えるべきだろう。

名護市民の民意を問うならば、新基地建設問題のワンイシューで住民投票を行ない問うべきである。なぜそれをせず、市長選挙の結果にすべてを集約するのだろう。させるのだろうか。

自公政権が、沖縄県知事選挙と名護市長選挙に1998年以来、どれほどの力を注いできたか、その力で誰がなにを得てきたか、その力の行使の結果、地域は、政治そのものは、我々の社会の根底でなにが腐食されてきたか。

 

私は名護市長選挙の結果で、この問題の帰趨を決めようなどという政権の考え方を支持しない。

 

日本政府は、1945年以来(それ以前から)の沖縄が歩んできた道と現在、そして政府が行なってきた根本的な政策的態度をふりかえり、米軍の普天間飛行場の移設問題に決着をつけるべきである。もう何度も、言ってきたし書いてきたのでここでは繰り返さないが、日本政府及び国民マジョリティの沖縄県内移設ありきという態度が問題なのだ。

県民の民意うんぬんは、民主主義的で妥当な考え方のように流通しているが、ほんとうにそうか? なぜ、問われるのは、沖縄・名護市じゃなく、政府であり、日本国民ではないのか? 

かかる状況下で、基地反対のリーダーたちから日本国政府へのシンパティが吐露されたりしているのをみると、たちの悪いジョークのようにしか思えない。

1997年、反対のための道具ではなく、ほんとうに主権者として自分達で普天間代替基地建設という政策の賛否を決めると市民投票をやった。あれから12年も経て、私たちはどこにいるのだろう。

[E:pencil]

沖縄タイムスによると、名護市長選挙における革新統一候補は断念されたが、基地反対を主張する候補者として比嘉靖氏(氏のプロフィール等は新聞記事参照。正式に出馬が決まったらきちっと所感含めて書きますが、氏は私の名護高校時代の化学の先生です。グータラ遊び人の高校生だった私は、教育熱心な熱血先生であるヤスシ先生によく叱られてました^^)が出馬を検討しているらしい。1022沖縄タイムス

この名護市長選挙の動向は、間違いなく県知事選挙の候補者選定・擁立にも影響を与えるだろう。私が名護にいたからといってなにができたかと思いもするが、名護市議会で踏ん張ることができなかったことが、いったいどういうことなのか、とても複雑な気持ちで思い知らされる。

 

糸数慶子参院議員が民主党会派入りを目論んでいるらしい。一票を投じた身としては、憤りすら覚える生ぬるい政治判断と行動である。1020琉球新報

民主党連立政権が自公と違うとはいえ、国家政府であることにかわりはなく、沖縄がどのように日本国と向き合っていくのかということを考えれば、そのなかに入り込み何かを主張することでことがなせると考えるのは、よっぽどの権力欲か歴史と現在に対する政治的想像力の欠如としかいえない。彼女が、革新共闘の推薦を受けて参議院議席を得ていることを考えれば、犯罪的な政治的背任行為である。

 

市民運動レベルで、新基地建設問題を環境破壊の問題として取り組んでいる様々な人々の動きが、政治的にも大きな問題として認識されるときがくる。まにあうかどうか、ギリギリのところで熾烈な戦いが継続されている。1022琉球新報


連合沖縄が県内移設反対を表明(1022琉球新報)したり、新基地建設をさせたくない側にとって、沖縄の状況は必ずしも悪いことだけではない。むしろ自公政権のときよりはいい。しかし、民主党連立政権に擦り寄ればどうにかなるものでもない。「寄らば大樹の陰」などと言ってれば、失うものの大きさははかりしれない。保革を含めて、権威主義的事大主義的な心性はろくなことはない。


[E:catface]

個人的にいろいろあり、なかなか立ち直れず憂鬱な日々を過ごしました。仕事もうまくいかず憂鬱の種には事欠かないのですが、そろそろ開き直って、元気出さなければと思っています。

ときどき、ここも更新します。[E:coldsweats01]

いまは、時間のあるときに、ガタリの『三つのエコロジー』を読み直してみようと思っています。もちろん、状況の中で考えるために。