宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

名護市長選挙についてのメモ(2)

今朝の琉球新報の二面の片隅に、「現職の島袋氏28日出馬表明」との記事が出ている。
(記事では来年2月7日投開票となっているが、16日の朝刊には1月24日投開票となっていた。どちらだろう?)

名護市の市長選挙は、現職の島袋氏と、市民党を標榜しているらしい「保守」系の前教育長・稲嶺氏の二人が立候補を予定している。

新基地建設に反対している「革新」系が候補者を擁立する動きはみえない。

1997年の市民投票以降、これまで三度の市長選があった。

1998年は「革新のエース」といわれていた名護市区選出の県議が、基地に反対する陣営の候補者となったが、現職の後継者で自公推薦の岸本氏に惜敗した。
2002年には「市民派」として市民投票時に運動体の代表を務めた私が候補者になったが現職・岸本氏に惨敗した。
2006年には「保守系」ベテラン市議を「新基地建設反対」を公約に革新共闘及び反自公で推し立て戦ったが、残念ながら元共産党の市議の立候補で三つ巴になり、岸本氏の後継である自公推薦の島袋氏に敗れた。

沖縄の選挙は、「保革」の構造が色濃く残っており、名護市において基地建設問題は保守が「条件付賛成」、革新が「反対」ということでずっと推移してきた。
私は「保革」ということにこだわる気持ちが、いまいちよくわかっていなくて、はなはだ政治に関わる人たちに失礼な物言いと態度をしてきたと思うが、いまだによくわかっていない。

市長選挙は、名護市という地方公共団体の首長を決める大統領選挙である。名護市が抱える政治的行政的な課題は多岐に渡り、決して新基地建設ひとつに絞られるものではない。有権者の立場で言えば、建設に反対し断念されたからといって、市政運営がずさんで景気も福祉もガタガタになるんではたまったものではない。しかし、基地建設問題を玉虫色にして景気や福祉、自治の問題が良好に進むというものではない。

おそらく市民党を標榜しているらしい稲嶺さんの陣営では、「保守」系の方々の票を得るために、基地建設問題に関しては現職の意思決定のありかたを批判するものの、故岸本建男前市長が行なった「条件付受入」の域を出ることはない。

衆院選で三区において自民党の現職・嘉数氏が大敗して民主党の新人・デニー氏が勝利したのは、嘉数氏の個人的な人気の無さなどがあったとしても、基地建設問題が「保革」の構造で駆引きされることの終わりの始まりでもある。

民主党政権が、これまで発言してきたように「県外移設」を為しうるかは予断を許さない。しかし、名護市が旧態とした沖縄的な「保革」の戦いに終始し、新基地建設を振興のための打ち出の小槌のように考えていたら、バカといわれるだけである。打ち出の小槌は振るたんびに、財政指標は悪化し、会社は倒産し、中心市街地の空洞化は進んでいっている。

普天間は戦後米軍が住民の土地を取り上げ造った基地である。それを返還させるのに、現名護市長が勝手に合意した現計画のような新基地建設をさせてしまったら沖縄は、未来永劫米軍基地の島である。(そうあってはならないと、稲嶺県知事/岸本名護市長は15年の期限を条件にしたのではなかったか。あれからなし崩しの後退が現在の仲井真県知事/島袋名護市長の存在である。現体制は沖縄の決定的な敗北である。名護市は新基地建設そのものを振興/利権として渇望する市政にまで堕している。)

1945年以来、米軍施政権下で人権も認められない状況で造られた基地を、日本国憲法の下で主権者である地域住民・県民が認めて造り替えてあげる。このことの持つ意味の決定的な重大さを、名護市有権者は、市長選挙の立候補予定者は深く考えるべきである。振興欲しさにバカの壁の内側で運動会をしている場合ではない。

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名護市在住で反対運動の現場で踏ん張っている退職教員・大西さんのブログでは、反対派が候補者擁立をできないことを

①県議に指導性がない
名護市野党市議に力がない

と分析している。最近の名護市の情勢を知らないので、私にはなんともいえないが、県議や市議の動きがみえないことに対するいら立ちはわかる。
このまま、保守分裂選挙の様相で終らせるぐらいなら、反対運動の現場から候補者擁立という思いもわからなくはない。(それで市長選挙で善戦できるかどうかは別問題だが)

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宝の海・狂った名護市
(2009.9-12)
…ところが、市民投票以来たたかってきた反対派が候補者擁立でもたもたしている。議員団が擁立できなければ、反対協の責任者安次富と大西が責任をとらなければならない側面がある。

名護市在住で前回の三つ巴になった市長選挙では、革新政党の推薦も支持も皆無な「革新」を名乗る元共産党の市議を応援していた小説家の目取真さんは、今回の市長選挙に関して、「新基地建設反対を明確にし、貫ける候補者を早く擁立してほしい」と希望を述べている。前回の選挙で勝利して、新基地建設問題に終止符を打ちたかった私は「なんだかなぁ」と思いはするが、今回は目取真さんの参加するグループは「反対を明確にし貫ける候補者」を擁立する動きはしていないようだ。

[E:clip]
海鳴りの島から・鳩山政権誕生と名護市長選挙
(2009年09月16日)
…民主・社民・国民の新政権ができたこととあわせて考えれば、革新側はかなり有利な状況にあるはずだが、いまだに候補者を擁立できていない。新基地建設反対を明確にし、貫ける候補者を早く擁立してほしいものだ。

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1993年に名護市にUターンしてから、私は故岸本建男氏と親しくさせていただき、仕事やいろいろなことでお世話になった。新基地建設だけは是認できないと、1998年以降は政敵になってしまったが、いまでも建男氏に受けた恩義を忘れてはいない。市長選の立候補予定者である稲嶺進氏は、建男氏がもっとも信頼した市職員であったし、稲嶺氏の職員としての、管理職としての仕事は、私からみても信頼できるものであった。
稲嶺氏には、「保革」になどこだわらず、正々堂々と市長選を戦ってほしい。新基地建設問題で、どのようにはっきりと考え方を表明できるかが、すべての試金石である。

岡田外相は、年内には新基地建設についての方針をはっきりさせるといっている。名護市にとって重大極まりない問題が、市長選挙の投開票前には見直され明確になるかもしれない。そのことによって、市長選挙の立候補者達の公約も影響を受けることになるが、いずれにしても、名護市の自律的な判断・考え方というのは持ち合わせていなければ話にならない。

名護市が「自治」を蘇生させることができるか、振興策漬けになったバカの壁の内側で右往左往し続けるか、来年の市長選挙の戦いの構図はまだ見えてこない。

みんながんばれ

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