宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

沖縄への新基地建設計画を葬り去るために

昨日のニュースに関連していくつか

朝鮮語翻訳家の米津篤八はてなid:mujige)さんのブクマで下記の情報を知った。

“代替施設は〈1〉滑走路が短い〈2〉近くに学校(国立沖縄高専)がある〈3〉飛行経路に電柱などの障害物が複数ある――などの点が「安全要求を満たさない」”アバクロンビー下院議員のサイト→http://tinyurl.com/krnq9t

■上記にあるように、下院の主張は、名護市辺野古で建設予定の新基地は、不十分であるというものである。(1)と(3)は米軍の運用上の理由、(2)は米国内の基準が適用されないのでスルーされる可能性もある。いずれにしても、基地建設に反対する立場から、手放しで喜ばれる情報ではないのは自明。米国内の上院での審議や大統領の拒否権などのハードルもあろうが、なによりもこれらの米国動向をプレッシャーとして日本政府がどう動くか。

■沖縄側は反対勢力もあるにはある(県議会の過半を握る野党・平和運動団体・環境保護団体)が、肝心要の受入先自治体の名護市の首長や安定多数与党議会、沖縄県知事らは、沖合移動を条件とする、「積極的」な基地建設勢力である。

■「積極的」というのは私のバイアスがかかりすぎた評価ではない。96年のSACO合意案より拡大し、当初案の撤去可能な施設から埋め立てという恒久的施設に変わっていくプロセスに加担し、なおかつその埋め立て規模を拡大する要求を突きつけている沖縄側を「消極的」基地建設勢力と把握することはできない。

■日本国政府がかかる情勢の中で、沖縄県名護市に対して、このままでは建設そのものが頓挫してしまう危機感を共有させ調整していけば、滑走路の将来的延長および飛行経路にある障害物排除等諸問題を解決する密約を結びコトを進行させるだろう。

■問題は米国内の動向として、米政府は、かかる日本的な水面下での阿吽かなんか知らないがお約束を議会に説明して理解を得ることができるだろうか。これまでなら、日本国民の税金で造るリーズナブルなプランだからと議会を納得させきれただろうが、グアムの基地整備などで米国の税金も大きく使う計画の中の問題であり、基地閉鎖で疲弊していく米国の各地域やハワイの政治的思惑なども考え合わせれば、簡単にはいかない。

■日米間の問題や、米国内の政府と議会の問題を忖度してもしょうがないので、沖縄の人間として考えるべき地点に照準を合わせていけば、今後顕現化していく問題はなにか。

■なぜ、沖縄側は、それに見合う騒音軽減などないと衆目されているのに自然破壊の規模を拡大する埋め立て拡大を求めているのか。私には、頭のいかれた惰性でしかないと思う。沖縄はこの10年余、この新基地(普天間代替)建設に様々な条件を付してきた。その条件の根幹が忘れ去られ、利益誘導だけが残っているのが現在だ。

■新たな米軍基地を受け入れるわけにはいかないと、稲嶺県政ブレーンが「県民の財産」という概念を発明し「軍民共用空港」を要求した条件。それが米軍再編で雲散霧消し、結果、規模が拡大しただけの恒久的な基地だけになってしまったのに、それを要求していた保守派からもどこからもスルーされて今日がある。

名護市とて、亡くなった前市長が、条件が履行されないのなら白紙撤回すると市民に約束した条件はすべて反故にされた後、現市長は滑走路を二つに増やした現在の案で勝手に政府と合意し、合意撤回するに足る条件はないと市議会で発言している。

■このような沖縄の政治・行政の状況を変えることができない限り、日本政府はどのような事態になろうと、沖縄への新基地建設を推し進めていくことしか考えないだろう。

■沖縄で生きていて、苦しいのは、このような自治体をつくりだす地域社会であるということと同時に、このような選択肢しか沖縄に与えない日本政府があるということである。

■日本の戦後体制は、憲法9条が経済的繁栄を成すために貢献し、安全保障問題の根幹を成す米軍基地を、沖縄に押し込めることで成り立たせている。

■そのことに対する政治的思想的に根源的な地平からの異議や主張は大いにあろうが、しかし沖縄にのみ、このように過重に負わせ続けているのは、あまりにも差別的で歪な体制でしかない(ここをスルーないしは論破しようと日本人から吐かれる「地政学」「軍事的」云々はためにする発言でしかない。沖縄の米海兵隊はロジスティックと訓練機能がほとんどで、米軍も沖縄以外で構わないと公言している)。新しい基地建設をすることは、それを続けていくということを沖縄側が認めることでしかない。

赤字は6.26.13:40に追記

■であるから、沖縄側は「条件」を出し、それが恒久的に固定化しないよう交渉をしてきたが、現在ではそのような「交渉」の精神などすべて放り投げ、ただただ沖合移動がどうとか馬鹿げた茶番を演じているだけである。

■10年余も県民は、この新基地建設の問題で相争ってきたが、対日本政府との関係における現在の仲井真県知事・島袋名護市長体制は、沖縄の恒久的米軍基地化を沖縄が共に進めていく最悪の「墓堀人」である。

■この「墓堀人」が掘る墓穴を埋めて、このような新基地建設を葬る墓を掘る必要がある。安保へのイデオロギーを超えて、沖縄民衆が一致できる大同をつかみ出して、新基地建設計画を葬り去るときは近づきつつある。「墓堀人」目覚め、活動せよ。

■個人的には米国政治にも詳しい、沖縄国際大学佐藤学教授(政治学)に、現在の各アクター及び機関の動向を踏まえた上での「墓堀人」としての仕事を期待している。…「康博さん、なんと無責任な」と恨まれそうで、こわいので秘密の文字で記しておく。