みやぎブログ

演劇・戯れ・政治

だれが沖縄に新基地を造るのか―「現実的」考

もはや旧聞になるが、民主党の鳩山氏が代表就任会見(5.16)で「(政権を取った後も、普天間飛行場の県外移設を目指す考え方を変えるつもりはない」と発言したことを受けて、中曽根外相は閣議後会見(5.19)で「県外のどこか候補地を挙げたのか。候補地も挙げずにそのような発言をしたのなら、具体性が全然ない話だ」などと言っている。

在日米軍再編協議の際に、米国側から県外移設を提案され、それを棚上げにして無視したのは当時の町村外相であり事務レベル協議を積み重ねた外務官僚たちである。日本政府の姿勢は一貫している。(恥知らずの腰抜けども)

次のような発言もある。これが日本政府の本音のだろう。

「移設先を探すのはなかなか難しい。名護市が受け入れると言っている間に移した方が現実的だ。」

さて、この発言は5月22日に行なわれたのだが、誰がやった発言でしょう。

  1. 在日米軍再編協議の際の外務省事務レベル担当者
  2. 元防衛事務次官の守屋氏
  3. 自民党防衛族の重鎮政治家
  4. 沖縄県知事

答えは「続きを読む」に。

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[E:sign01]

答えは4。仲井真弘多沖縄県知事。5月22日の定例記者会見での発言。

[E:clip]
仲井真知事会見・一問一答
琉球新報2009年5月23日(魚拓)

(抜粋)
「ベストは県外だが、移設先を探すのはなかなか難しい。名護市が受け入れると言っている間に移した方が現実的だ。防衛省も今、日米両政府で決めた案で環境アセスメントをやっている最中で、先日(グアム移転)協定も成立した。政権が代わり、再編に対する見解や、やり方が違う政府が出現したときに、どう処理していくのか予測できない」

問題は捩れに捩れている。

名護市長「理想は県外への移設。基地を進んで受け入れる人はいない」という発言を額面通りに受け取るナイーブな人はいない。

沖縄の首長たちがいう「現実に即した苦渋の選択」名護市長)という紋切り型のセリフは、あまりにも陳腐で、その陳腐さが状況の惨たらしさを増幅させる。

自らの選挙区や沖縄以外の国内地域に在日米海兵隊を移転させるなど考えもできない自民党の政治家。米国のイエスマンであり沖縄を米軍に捧げることが「国益」であり「省益」であると信じて疑わない外務官僚。このような人々がつくりだす「現実」をのみ現実として、沖縄の首長たちは隷従し、見返りに金と便宜を受け取ることだけを考えている「現実」がある。

これが、「米軍統治」が直接的か間接的かに変わっただけの「本土復帰」後の沖縄の現実である。ここでは沖縄県知事と新基地建設予定地の名護市長は、売沖縄的なヤカラでしかない。しかし、このようなヤカラを支えているのは政府であり、無関心な日本国民大多数である

「現実」を変革する力は、国民主権という原理に立ち返れば、国民であるひとりひとりにあるはず。私にそんな力があるとは到底思えないが、信じよう。そのために私は活動し発言しよう。民主主義の根幹には「信頼」が埋め込まれている。(とアーレントか誰かが言ってたかもしれない[E:wink]

とりあえず、私は政権交代を大いに支持しますし、そのための微力を尽くします。しかし、国家権力や政治に代表たちにすべてを委ねる気はさらさらないことは自明です(よね)

記録しておこうと思っていた新聞記事を、遅ればせながらアップしておきました。

[E:sun]

この議論はややこしくて、沖縄側にそのような選択肢しか与えない日本国政府がある現状を考えれば、沖縄側首長及びそのような沖縄側首長をつくりだして しまう沖縄の有権者を批判するだけではすまない。しかし、沖縄側首長の政府に隷従する本質的態度(政府に要求しているという沖合移動などそれをカモフラー ジュするための策でしかない。政府も織り込み済みの茶番だ)をみれば日本国や国民多数を批判するだけではすまない。変革はどのように志向され成し遂げられ るか。それぞれの足元から多様な批判・変革が成し遂げられるしかないのだろう。)