宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

なんというか、の続き

前回の記事を読んでくれた(のであろう)方から、A4版16ページになる資料がPDFファイルで送信されてきた。名護市議会で暴露された、当該団体の定款案などの資料だという。

同様の資料については、小説家の目取真俊氏が自身のブログで紹介している。参照されたし。

[E:clip]
資料・「一般社団法人 キャンプシュワーブサポート 定款案」
海鳴りの島から(2009年05月17日 00時35分00秒)

資料に目を通して、資料が明るみに出るまでの変遷について、私なりに思うことを「続きを読む」に記しておく。あぁ、しかし、なんというか、なんというかである。

[E:pencil]

文書は「事業概要」と「定款案」と「一般社団法人Q&A」。そして「全体事業の流れ」と「事業協会の位置付けと役割」の図から成っている。

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左図は「全体事業の流れ」です。クリックで拡大画像がみれます。

なぜか名護市漁協も入り込んで、事業協会はつくられている。

名護市漁協長は、漁業従事者でもなんでもなく、元名護市職員で消防長まで務めた人物。辺野古在住者で、1997年の市民投票の頃には、NHKのドキュメンタリー番組で「辺野古に活性化はいらないという人は、いますぐ辺野古から出て行ってくれ」と豪語し反対派住民を威嚇した人物である。現役の名護市職員であり、看過していい発言とは思えず、1998年2月に市会議員になった直後の議会で私は市長に見解を問いただしたが、市長は「私人としての発言であり、問題ない」とした人物である。

その後、名護市を定年退職し、基地建設問題で利権に大きく関る名護市漁業協同組合の組合長に就任した。

事業協会への参加を促すために、この漁協長と名護市副市長の二名が、この文書をもって市内の各企業を回っていたという噂になっている。名護市の閉塞した権力構造にイヤケがさしている企業が、当該文書を反対派系の議員に渡し、議会で暴露されたらしい。

この図の肝は「要請」と「受注」であるが、この図を実現するために血眼になって動き回っている連中がいる。税金の無駄遣いを戒め、無駄な公共事業を廃するなどの精神とは無縁の、仁義なき戦いの世界である。

[E:despair]

Css2 左図は、「事業協会の位置付けと役割」である。同様にクリックすると拡大します。

事業協会の活動は、普天間措置協議会の「振興策」へと収斂していく。それまでの矢印が「要請」となっているので、おそらく措置協議会への要請である。

普天間措置協議会のメンバーである名護市が、オブザーバーとしてサポート参加し、普天間措置協議会に要請する地元団体をつくりあげるという構図である。

その構成団体は、「久辺三区」と「漁協」、「北部振興協議会※」である。(※よくわからないが、関係閣僚と地元首長で構成される同名協議会とは別物の地元団体なんだろう)

名護市で行なわれる「振興」の中身は、名護市全体の振興ビジョンのもとに策定実行されるのではなく、このような「要請」と「協議」の仕組みのなかで決定されていく。名護市が協議会の一員であり「要請」団体のサポート者であるところが、見事なまでに本音で向き合っている。

[E:catface]

「定款案」は目取真さんのところでも紹介されているので、私は「事業概要」について少し触れておきます。

事業概要」は次の四つから構成されている。

  1. 起業動機
  2. 事業内容(全体の概括)
  3. 市場環境と将来的なビジョン
  4. 事業課題

[E:wobbly]

Css3 左図は、3の「市場環境と将来的なビジョン」部分。

私が注目したのは、二つ目のセンテンス。

「参加協会員は全て地元名護市の組織及び企業であり、固く結束することでより確実な活動を進める事ができる」

ビジョンの部分もいろいろ書かれているが、欲に目がくらんだうわごとは放っておくとして、上記の「固く結束」という言葉に、名護市の閉塞した権力社会の頚木を感じて、うっとうしくてしょうがない。このような言葉遣いが末期症状となり、企業からの「内部告発」の如き文書流出になった(噂がほんとうならね^^)のではないだろうか。

[E:shock]

Css4左図は、4の「事業課題」部分。

私が注目したのは、四つ目のセンテンス。

「参加協会員は全て地元名護市の組織及び企業であり、固く結束することでより確実な活動を進める事ができる」

図らずも、「市場環境」と「事業課題」はまるで同じ文言で表現できるひとつのことであった。よっぽど、「固い結束」を求めている人々である。

しかし

侮るなかれ。

名護市では、別の時間が流れ、別の思考が促され、別の倫理が働いている。

来年1月には市長選が行なわれるが、現段階では、現職市長への対抗馬は、基地問題に関して現市長と対して変わらないとしか思えない人物しか出てきていない。その陣営から、この事業協会を批判しても何ら意味は成さない。基地建設を容認した上で地域の利益を考えるなら、地元優先発注受注の構造をつくることに腐心するのは、きれいごとばかりいってなにもできない、しないお役所や議員よりはマシというものだろう。



名護市における新基地建設問題は、逃げることも、無視することもできない、名護市の自治すべてに関るラジカルな政治問題である。がんばれ。


[E:catface]

当該資料(PDF)を入手希望の方はメールでお知らせください。
希望者が多い場合は、どこぞにアップしておくようにします。

【追記】17:17

見落としていました。目取真さんのブログ、先に紹介したエントリーの前日は「事業概要」を掲載し批判なされている。あわせてお読みください。
「辺野古新基地利権の受け皿作り(海鳴りの島から・0516)