読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

戦争機械、大きく軋み動く。

朝刊を開いて嫌な思いをするのは毎度のことだが、記録/記憶しておかなければと否応なく目が覚める記事がタイムスと新報の一面トップにおかれている。

タイムスもウェブ版が出たら、リンクを貼るが、とりあえず新報の記事のリンク(魚拓)を下記に貼っておく。

日米政府、グアム移転向け条約
琉球新報2009年1月28日(魚拓)
【東京】政府は2月上旬、米軍普天間飛行場移設の日米合意推進などを明記する条約「在沖米海兵隊のグアム移転に係る協定」を米政府と締結する。両国で署名後、今国会に承認を求める。グアムでの施設整備で日米双方の資金拠出の法的根拠とし、米側には目的外使用禁止などを義務化する。2006年5月に日米合意した在日米軍再編ロードマップ(行程表)の普天間移設と本島中南部の基地返還実施も再確認する。普天間移設合意を国家間協定で裏書きし、あらためて日米で合意した移設案の推進を確約する。(以下略)

グアム移転 協定締結へ/日本の財政支出が柱
沖縄タイムス2009年1月28日(魚拓)
【東京】外務省は二十七日、在日米軍再編に盛り込まれた在沖米海兵隊のグアム移転事業について、(1)日本側の財政支出(2)資金の米側による適正使用― を柱とした協定を米政府と締結する方針を決めた。二月上旬にも協定に署名し、承認案を今国会に提出。国会承認を得て発効する運びだが、同事業は日本側の財 政支出が高額であることなどから、野党議員から批判が集中しており、今後の国会審議が注目される。(以下略)

タイムスの紙面では『グアム移転 協定締結へ』が横の大見出しで、『日本の財政支出が柱 米軍再編で外務省方針 今国会に承認案』の縦の見出しが続く。

新報は上記にあるように『グアム移転向け条約』を白抜きで強調し、『普天間移設合意を明記』と続けている。

「条約」なのか「協定」なのか、気になったので辞書を調べてみた。

大辞林によると「協定」は

条約の一種。国際法上、効力などは条約と同じだが、厳重な形式をとらず、比較的重要でない合意について用いられる。

条約」は

国家間、または国家と国際機関との間で結ばれる、国際上の権利・義務に関する、文書による法的な合意。広義には、協約・憲章・取り決め・議定書・宣言・規程・規約などの名称のものも含む。

両者とも「条約」であることに変わりはない。「比較的重要でない」という価値判断による違いである。そこにまずひとつの疑義あり立ち止まる。

ウィキペディアで「条約」をみると

条約(じょうやく)とは、国際法上で国家間(国際連合等の国際機関も締結主体となり得る)で結ばれる成文法のことである。日本国においては、国家が同意しているものは、国事行為として天皇が公布し、日本国内では法律より優先する(憲法第98条2項による。ただし憲法には劣る)。

とある。
国内では条約は憲法の規定(日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。…98条2項)により法律より優先する。ウィキペディアの記述では「ただし憲法には劣る」とあるが、憲法より日米安保が上位にあるかのような現状が戦後継続し続けている現実が厳然とある。

海兵隊のグアム移転及びその曖昧で膨大な経費負担を日本国民の税金で行なうことは、日米両政府が決めたことだが、政権が変われば、政治状況が変われば変わりうるものであるが、それが「条約」ないしは「協定」ということになれば、明らかにステージが変わってくる。

現今の他の野党勢力と共に政権を担うことが期待されている民主党は、グアム移転の経費のあり方の不透明さや普天間移設(名護市辺野古沿岸域への新基地建設)に関しては見直しを主張しているが、本日報道された「条約」ないしは「協定」が成立してしまえば明らかにその判断を拘束する。

国会での徹底的な論戦と、衆院の三分の二を占める自公勢力による自動的な承認などという暴挙を阻止する動きを望む。

[E:sign02]

今日接した報道だけではよくわからないのだが、外務省が目論んでいるのは「条約」(新報によるとそうなる)なのか「協定」(タイムスではそう表現されていた)なのか。辞書ではどちらも同じように「条約」だとなっているが、二国間条約の場合、少し違う要件があるようだ。ウィキペディアによると

二国間条約の場合、政府代表が署名を行った時点で効力を発する行政協定(行政取極)(Executive Agreement / Administrative Arrangement)あるいは簡易協定と、議会による批准等の承認を受けて初めて発効の手順(批准書の寄託等)を踏むことのできる通常協定(Conventional Agreement)がある。いずれの場合においても、二国間の協定である場合は、協定に「加入」するという手続を踏むことはない。すなわち、行政協定(行政取極)の場合、政府代表間で相互に署名を行うことで当該協定を締結したことになるが、通常協定の場合は、相互の政府代表者による署名後に、議会による批准等の承認を得るまで当該協定は発効しないことになる。

たとえば日本の場合、日米安全保障条約(安保条約)は議会承認が必要な「通常協定」に当たり、2007年8月に閣議決定を経て署名・締結された「秘密軍事情報の保護のための秘密保持の措置に関する日本国政府とアメリカ合衆国との間の協定(GSOMIA)」は「行政協定(行政取極)」に当たる。これらの二国間条約は、いずれも加入の対象とならない。

とある。
新聞報道では、今国会に承認を求めるとあり、明らかに「行政協定」ではなく、日米安全保障条約と同じように「通常協定」を結ぶ予定なのだろう。

国会での論戦が白熱し、難しい事態になった場合は、政府は「行政協定」で逃げるなどの措置をとる可能性はあるのかもしれない。

いずれにしても、かかる事態をどのように考えるのか、この「協定」ないしは「条約」が及ぼす影響の深度をどのように捉えるかによって状況は大いに変わる。

沖縄で生きて暮らし。新基地建設という火の玉に燃やされながら尋常ではない10年をおくってきたが、ここまで状況は来てしまった。何度も止めるタイミングはあったのに、ほんとうに口惜しい。

個人的にあくまでも個人的に、この問題については諦めることなどできないし、する気はない。しばらく情報収集と解析に留意する。

(この考、続く)_17:49追記