みやぎブログ

演劇・戯れ・政治

高率補助ダンサー、震撼せよ!

081120 泡瀬干潟埋め立て事業の差し止め訴訟で、那覇地裁は、沖縄県沖縄市に新たな公金支出の差し止めを命じた。

判決文が手元にないので、詳細についてはわからないが、新聞報道を読む限り、沖縄市事業(計画)自体が経済的合理性を欠くと判断され、東門美津子沖縄市長ののらりくらりとした政治的態度が窮地に追い込まれている格好のようだ。

環境破壊に関しての判断より、事業の経済的合理性に司法判断のウェイトが大きくなっているようだが、国の補助等が得られるからといって、おバカな公共事業を推進し続けている沖縄の各自治体には、対岸の火事などではない判決である。

まさに、「震撼せよ!」と、私は島田懇談会事業や各種の特別の振興事業を推進している、沖縄の各自治体、特に名護市に対して言いたい。とりあえず、判決に拍手である。

続きを読むに、新聞報道や判決骨子などを置いておきます。

[E:thunder]

最初に新聞記事を盗用しながら私の意見を書いておく。

東門美津子沖縄市長は昨年、泡瀬の埋め立て事業

(1)市の経済発展につながるのか
(2)干潟等の自然環境は守れるのか

の観点を基本に検討したとし、第1区域(冒頭の画像(=本日の琉球新報朝刊からスクラップ)を参照してください)の埋め立てを容認する一方で、第2区域は「推進は困難と判断した」と表明している。

今回の判決では、その第1区域の具体的な土地利用計画も何ら明らかではないと指摘し、「現時点においては沖縄市が行う開発事業について、経済的合理性を欠くものと解するのが相当」としているらしい。

至極、もっともな穏当な判決だろう。第1区域の土地を市が購入して、売れる見込みもないのに、バブリーなリゾート計画など立てて将来の市民が負債を負うだけである。高率補助で負担はゼロに近いなどと、費用対効果もまともに考えないおバカな行政(及び議会)は冷や水を浴びせられて当然だ。

本来なら、このようなことは裁判所に指摘され命じられるのではなく、首長が地方公共団体の行政をしっかり進め、議会がそれをしっかりチェックしていたら是正されて然るべきことだ。補助金付けで狂った沖縄の地方公共団体(及び議会)の財政に対する考え方を早急に改めるべきだ。

そのことを促す、今回の判決は、画期的ともいえる警鐘である。

有権者も、議員も、首長も、行政の職員も、反対派も推進派も、ここは冷静になって、問題を把握しなければならない。事態がどのように進むかを注視したい。

[E:punch]
081120_1_2判決骨子は、左図の通り。沖縄タイムス20日朝刊よりスクラップ)

沖縄県のこれまでの公金支出は認めるが、これからの支出はダメ。
これから支出予定だった沖縄市には、「土地利用計画」が何ら明らかになっておらず、税金の無駄遣いでしかなく、地方自治法に違反しているので、一切公金を支出してはダメ。…というものである。

アセスに関する判断には不満もあるが、大型公共事業の差し止め訴訟で、お役所の事業計画が「経済的合理性」を欠く(=地方自治法に違反)と判断された意義は大きい。

政治行政的には、沖縄県控訴方針が県議会においてどのように判断されるか、窮地に追い込まれた東門美津子沖縄市長が週明けにどのように沖縄市として判断するかが焦点。

沖縄県沖縄市控訴せず、判決を確定させてしまえば、沖縄県は(もしかして補助事業としてすでに関係する公金を食っている可能性のある沖縄市も)国に対してこれまでの補助金の返還を命ぜられる事態が生じるだろう。県議会が野党多数とはいえ、県議会野党の反自公勢力は東門美津子沖縄市長(元社民党)の市政に対しては与党的立場であり、物事は複雑系である。

沖縄の本日朝刊の記事を下記に貼り付けておく。

 

[E:clip]

沖縄市、1区推進堅持 泡瀬干潟埋め立て/差し止め訴訟 県は控訴方針
沖縄タイムス2008年11月20日【朝刊】)魚拓

県、控訴の方向 泡瀬埋め立て支出差し止め
琉球新報2008年11月20日)魚拓

【社説】泡瀬埋め立て判決 開発計画の点検急務/環境保全の観点も重要だ
琉球新報2008年11月20日)魚拓

社説 [泡瀬埋め立て]工事中断して再検証を
沖縄タイムス2008年11月21日)魚拓


新報の社説が、末尾で「経済的合理性だけでなく、環境保全の観点からの判断も重要だ」と指摘しているのを、きれいごととして聞き流さないような沖縄であってほしい(ありたい)。

しかし、久しぶりに、三権分立だったんだよな、と気づいた。[E:coldsweats01]

さて、東門美津子沖縄市長はどうなさるのだろうか。週明けが楽しみだ。

それでは、仕事に戻ります[E:dash]

[E:end]

沖縄タイムスの社説をリンクに追加・11.21.11:13)