宮城康博blog

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主権在米:「逮捕」か否かどころじゃない(追記あり)

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「米軍は軍人を軍のプロパティ(資産)と考える。日本側が逮捕して、『資産』が奪われる前に取り戻したいという考えがある」

新しく海兵隊憲兵隊がOKINAWAに着任したら訓練を受けるらしい。その訓練で「県警と逮捕が同時でも、必ず基地に連れてくるように」と指導しているという。

沖縄の海兵隊は、沖縄を占領している。このような状態を、日本国外務省は、いま現在、昨日の国会でも追認し、問題なしとしている。

上の画像は本日の沖縄タイムス朝刊一面です(クリックすると拡大)。ウェブ版が更新されたら、ぜひ記事をチェックしてください。→沖縄タイムス

【追記】12:12

沖縄タイムスのウェブ版が更新されたので、当該記事にリンクを貼っておく。

「先に基地に連れ戻せ」憲兵隊、訓練で指導/組織的に協定違反か
沖縄タイムス:4月19日朝刊一面)魚拓

上記の記事は下記のようになっている。

複数の関係者によると、新しく海兵隊憲兵隊に着任した際、「新隊員訓練」が行われ、日本の法律などを米軍側の担当講師が約二週間にわたって講習する。

日米地位協定に関する講習は海兵隊司令部の法務部所属で、弁護士資格を持つ隊員が講師を務め、「県警と逮捕が同時でも、必ず基地に連れてくるように」などと指導しているという。

新隊員訓練は、年に二度ほど行われており、同様の指導は、少なくとも二年ほど前まで行われていたとみられている。海兵隊憲兵隊は、訓練終了後にキャンプ・フォスター内の憲兵隊本部や中北部の基地内にある出張所に派遣される。

関係者の一人は「米軍は軍人を軍のプロパティー(資産)と考える。日本側が逮捕して、『資産』が奪われる前に取り戻したいという考えがある」と説明。日本人警備員が民間地で銃を携帯した問題を挙げ、「多くの憲兵隊員は地位協定の詳しい内容を知らない。軍人の家族を連れ帰った今回の問題は、一部の上官の都合のよい解釈で、起きたのではないか」と話した。

最後のパラグラフの「関係者」が当事者である米兵なのかなんなのかわからないので、どこまでリアルな話かはわからないが、公式に行なわれる講習で、弁護士資格を持つ隊員が指導している内容が、「県警と逮捕が同時でも、必ず基地に連れてくるように」というのは、今回のような行為は海兵隊の確信犯的行為である。言い逃れはいくらでも出てくる。

[E:paper]

沖縄ではMPが米兵の子弟の不良少年どもを使って強盗をしたり、MP絡みの犯罪が続発している。それらのニュースに接しながら、わたしは規律を厳格に守るべきMPのタガが緩んでいる状況を憂えていたが、今回の事件は、そうではなかったようだ。規律を厳格に守ったがゆえに生じた事態である。タガが緩んでいるのは在沖米海兵隊そのものである。

海兵隊が、沖縄をどのように認識し、沖縄にどのように駐留しているのかがよくわかる事例である。このような事態を、日本国の安全保障のためだから甘受しろというのだろうか。

日本国政府とそれを支持する日本国民の性根はどこまで腐っている。

あぁ、怒りで我が身が燃え尽きて灰になる前に、必要な日本語での対話の努力を試みる。

[E:scissors]

日米地位協定というものがある。これは日本国とアメリカ合衆国が結んでいる条約である。
この条約の17条は「刑事裁判権」について定められている。

地位協定第17条10項 
(a)合衆国軍隊の正規に編成された部隊又は編成隊は、第二条の規定に基づき使用する施設及び区域において警察権を行なう権利を有する。合衆国軍隊の軍事警察は、それらの施設及び区域において、秩序及び安全の維持を確保するためすべての適当な措置を執ることができる。
(b)前記の施設及び区域の外部においては、前記の軍事警察は、必ず日本国の当局との取極に従うことを条件とし、かつ、日本国の当局と連絡して使用されるものとし、その使用は、合衆国軍隊の構成員の間の規律及び秩序の維持 のため必要な範囲内に限るものとする。

合衆国の軍隊警察であるMPは、基地内での「すべての適当な措置」を執ることは定められているが、基地外では日本国との取り決めに従うことが条件となっている。

日米地位協定に関する合意議事録から、17条10項に関する部分の取り決めをみてみる。
(外務省がPDFファイルでしかアップしていないので、鬱陶しいけど切り貼り画像になります。すみません)

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これは、米軍の同意または重大な犯罪の現行犯を追っ掛けているときは、日本の警察も米軍基地内等で逮捕してもいいよ、という取り決め。さらに

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米軍は、基地の近傍で基地の安全に対する犯罪を犯したものは、法の正当な手続きに従って逮捕することができるよ、という取り決め。

どこにも、北谷町美浜の衣料品のスーパーで万引きした米兵の子弟であれば、MPは手錠をかけて基地内に連行していいよ、とは取り決められていない。

[E:rock]

日本国政府はいう

「米側は(身柄は連行したが)逮捕していないし、逮捕したという認識もないので、これは共同逮捕の問題ではない」

米軍では、手錠をかけることを逮捕とはいわないらしいが、もういい、そんな認識についてのバカバカしい水掛け論はしない。アメリカが自国の子どもたちの人権をどんなに迫害していようとオレの知ったこっちゃない。アメリカ軍の警察が、犯罪に対する「逮捕」という以外のどのような権力で子どもに手錠をかけてもオレはとやかくいわない。

しかし、日本国では万引きは犯罪であり、その現行犯について事情聴取するのは県警の務めである。その求めも無視して基地内に万引き犯を連れ帰るMPは、日本国の主権を侵す犯罪者でしかない。

日本国が、国内の治安維持や市民社会の安全に関する「警察」の責務を、米軍に犯されて黙っている事態を、市民が黙認することはどういうことになるのか。米兵のレイプが発生し、それに対する批判の声も、封じ込めようとするメディアや人々の行為がある。それらが、すべて相まって私たちの社会を腐食させている。

私は国家に過度の「警察」行為を求めたくないが、しかしその根幹が、米軍により侵犯されているのを看過することは、国家による管理や関与を前提としない健全な市民社会が成立する余地をなくする。それは耐え難い不自由な社会である。みえない牢獄の鉄格子がみえる瞬間に息を呑む。息苦しい。

地位協定上の問題云々をどうこういう前に、日本国の主権に基づく、日本国の警察の公務を妨害したMPを即刻引き渡すよう求めるべきだ。

私たちは、声を大にして言うべきではないだろうか

公務執行妨害の現行犯で、在沖米海兵隊MPの身柄引き渡しを求める!

腑抜けた政府・外務省に対して、国会はまっとうに対峙してほしい。
米軍の戦争への加担に対して、司法では「違憲判断」がはっきりと示された。
日本国において三権分立が機能しているのかいないのか、今度は国会が毅然とすべきである。

そう思いません?

【参照】
日米地位協定: 外務省
日米地位協定に関する合意議事録:外務省

[E:end]

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