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メア総領事ごときに侮蔑され愉快ではない。しかし対等だから… by高村外相

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国会は在沖米総領事の内政干渉を許すのか(追記あり)」で、紹介したケビン・メア在沖総領事の発言に対して、国会で高村正彦外相が昨日答弁している。

「日本人としてはあまり愉快ではない」

琉球新報の今朝の朝刊二面の小さな記事。ウェブ版にも掲載されていないので、資料としてスクラップ画像を貼り付けておく。

さらに、資料として参議院のホームページの中継テレビから、山内徳信参院議員の質疑に対する外務大臣答弁をかいつまんで起こしておく。

2008年4月8日参議院外交防衛委員会

  1. メア総領事が、具体的にどのような発言を行なったかについては、その詳細については承知をしておりませんが、同総領事は日米地位協定については、その改正ではなく運用の改善に取り組むとの趣旨を踏まえて発言を行なったものと認識をしております。(棒読み)
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  2. 米国政府は昨今の事件におきましても、日本側の捜査に全面的に協力するとの立場を明らかにし、横須賀の強盗殺人事件では、三日に起訴前の身柄引渡しが迅速に行なわれるなど、日米地位協定の枠組みの適切な運用をすることに積極的に務めているものと認識しております。(棒読み)
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  3. 私はケビン・メアさんという方を知りませんし、かばいだてをしなければいけない義理もありませんし、別にかばいだてなどしておりません。報告を受けたことに基づいて、そのような趣旨で発言したんだという報告を受けておりますのでそのように答弁したまでです。(ちょっとムッとして)
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  4. 委員が引用された通りに言っていたとすると、日本人としてはあまり愉快ではありませんけれども、こんなことで内政干渉だとか、そういうことを言うほど、日本政府の立場、日本の政治家、政党の立場というのは決して弱くありません。対等でございますから。こんなことで、内政干渉ということではないんではないでしょうか。愉快ではないなで済む話ではないでしょうか。(笑顔をつくって)
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だいたい、こんな感じ。
なんか生煮えだが、少し感想をノートしておく。

1と2は、用意した答弁書を棒読み。これが政府の公式見解。あくまでも地位協定は運用の改善にとどめ、民主党国民新党社民党が何を言おうと、国民が諸外国と比較してもおかしいと指摘しても、変わることはないという決意表明である。

2と3の間には、質疑者から「ケビン・メアをかばうような答弁」と再質疑をされ、少しムッとしたのだろう。用意した答弁書には目を落とさず(答弁書は用意されていない)答弁した。

3は、官僚からの報告どおりに答弁したんだという申し開きであり、なんだかなぁである。官僚の言うとおりに答弁したんだ文句あるかという政治家の発言を聞いているようで、こういう細部にこの国の政策決定や政治のありかたが露呈していると感じてしまう。

4をどのように聞くか。どのように読むか。大臣は笑っていた。まわりの委員や室内の空気に、同調を求めるみたいに見回しながら、笑っていた。4の発言は、下記のように展開している。

「日本人としては愉快ではない」

「しかし、内政干渉と目くじらたてる話ではない」

「なぜなら、我々は対等だから」
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私は何一つ笑えない。
なぜ、愉快ではないことに毅然と対峙しないで毅然と無視しようとするのか。
それで大物ぶっても、なさけないヘタレだというのはだれの目にもあきらかではないのか。

その理由を「我々は対等だから」などといわれて、「そうだそうだ」と笑える日本人はほんとうに幸せだ。ほんとうにそんなに大勢いるの、そんな日本人?

おそらく、「はだかの王様」の世界だなこれは。

自民党を国政から引き摺り下ろさなければ、1945年以来の米国占領は終わらない。

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