みやぎブログ

演劇・戯れ・政治

冬の散歩道(久々に晴れた沖縄で)

素朴な疑問に対して素朴に考える、今日この頃のお話し。

Sanpo NAGOさんとNAGUさんが、散歩をしている。NAGOさんがたずねる。

「なぁ、思うんだけど、海兵隊員のバイクに乗ったということは、それだけでもう、100%被害者とはいえないんじゃないかという話をしている連中がいるんだが、どう思う。」

「どんな連中なんだい、そいつらは。」

「いや、別に普通の連中じゃないか。特にネトウヨとか呼ばれる人種でもないだろうし、普通の人のようだよ。」

「それが普通の人の疑問なんだね。」

「そう、だろうな。」

「君は、どう思っているんだ。」

「わたしかい、わたしは、そう言われてもなぁ、なんか納得できかねるけど、でもバイクに乗ったのは不注意だったといわれれば、そうとしかいえないかなぁとは思っているんだけど…」

「不注意ということと、犯罪の被害・加害の話は別だね。」

「そうだね。」

「被害者かどうかの問題でいえば、100%被害者だろう。そうじゃなく不注意等をあげつらって80%の被害者だとするんだったら。あとの20%はなんなんだい。」

「あとの20%は自己責任の問題なのかな。」

「あとの20%は被害者の自己責任で加害者が免罪されるレベルなんだとしたら。我々は、そのような犯罪を起りうることとして許容していることにならないか。」

「わたしは、決して許容していないよ。許されざる非人間的行為だと思っている。」

「非人間的行為なのか、人間はそういうことをしてしまう生き物で、これは人間的行為なのかは別の問題としても、罪は罪だ。それを犯した人間を、20%でも免罪することは、オレたちがその20%を引き受けることになるんじゃないか。」

「いや、だから、わたしは決して許容してはいない。」

「だったら、それはいい。でも100%被害者じゃないんじゃないかという素朴な疑問には、素朴な加害が内在しているんだろうね。オレにはそうとしか思えない。」

「それはそうと、昨日、君が話していた、米軍の基地からの外出を禁止しようという提案だけど、今日の新聞になんか出ていたね。」

社民党さんが、政府と米国側に抗議の申し入れをしたらしいんだが、米軍人の基地外での居住が把握されていないらしいね。あれも酷い話だ。日米の両政府関係者が、在日米軍の実態を把握しきれていないなんて、綱紀粛正どころじゃないね。」

「米軍の司令官は、米兵の教育プログラムの包括的な点検を指示したんだろう。」

「教育プログラムをどんなに点検しても無意味だよ。人殺しのメンタルを持てるように教育しておきながら、真逆のプログラムを施そうとしても教育される側の立場に立って考えてみろよ。気が狂ってしまうぜ。」

「だったら、どうすればいいんだよ。」

「建前としては教育プログラム云々はあるだろうから、それはそれでやってもらうとして、大事なのは彼らをどのように監視するかしかないね。」

Navstar2 「例のGPSだね。」

「GPSはもともと軍事用のシステムだし、米軍には簡単な話だ。在日米軍人軍属及びその家族の全員に発信機の携帯を義務付ければいいんだよ。そうすれば、誰がどこにいて、何をしているかはすぐ特定できる。知られていることを前提にして、犯罪を犯して人生を棒にふるほど彼らもバカではないだろう。」

「でも、それは人権問題じゃないか。」

「基地外での行動に規制をかけ、国民の安全安心を担保するには必要な措置じゃないか。それぐらいはしてもらわなければ、国家の安全保障のために、国民の安全が保障されない現実は、やがては安全保障そのものの根幹をおかしくするぜ。」

「安全保障を危うくしないためにも必要な措置というわけだね。」

「沖縄に米軍基地を負わせ続けるのも、そろそろ限界だよ。それぐらいのことをしなければ、申し訳ないだろう。」

「ほんとうは、沖縄から海兵隊撤退させるべきなんだけどね。」

海兵隊海兵隊で、血で勝ち取った島だと今でも思い込んでいるからね。沖縄を蹂躙するのは彼らの既得権益なんだよ。日本人は日本人で、沖縄に米軍基地を置き続けることで、安全を保障してもらいたがって恥じない連中だから、今すぐ解決するのは難しいね。」

「なんとも、情けない話だよね。」

琉球処分も、捨て石作戦の沖縄戦も、戦後の日本独立のための沖縄割譲も、密約で沖縄を買い戻した施政権返還も、すべてが大日本帝国政府支配から米軍支配そして日本政府支配の現在に至る歴史なのさ。沖縄はまちがいなく、日本ではないよ。」

本土復帰は、異民族支配から日本民族支配への転換だったんだね。」

「あぁ、沖縄は、その問題を総括できていないから、苦しんでいるんだ。」

「なんとも根が深い話だね。」

「しかし、今日は、久しぶりによく晴れたね。風も気持ちいいし。家に戻って洗濯でもするか。」

「あぁ、私も穴倉のような仕事部屋を少し掃除して風を入れよう。それじゃここで失礼する。」

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【参照】

基地外居住を調査 社民党要請、政府が方針 (琉球新報 2/14 9:54)
【東京】米兵女子中学生暴行事件に関し、社民党福島瑞穂党首、照屋寛徳衆院議員らが13日午後、外務省を訪れ、中山泰秀政務官に対し、具体的な再発防止策などについて申し入れた。
 照屋衆院議員によると、中山政務官は基地外に居住する米兵の実数などについて「重要な問題なので、法務省とも住民登録について精査しなければならない。他国の例も参考にしたい」と述べ、政府として実態把握に乗り出す考えを示したという。
 中山政務官は照屋衆院議員が、基地外に居住する米兵の実数や基地外居住に関する在日米軍の規定を把握しているかただしたところ「把握していない」と述べ、基地外居住の実態を把握していないことを認めた。
 実態を把握していない理由について、外務省日米地位協定室の担当者は「基本的には米側の運用の話なので、詳細は把握していない。だが、どのようにすべきか点検しなければならない」と説明したという。
 福島党首らはこの日、在日米国大使館を訪れ、ドノバン在日米国大使館次席公使(臨時代理大使)に対しても同様に申し入れた。
 照屋衆院議員によると、ドノバン次席公使は週内にも在沖海兵隊の全隊員に対して、倫理規定を含めた追加の教育プログラム(研修)を行うことを明らかにしたという。
 基地外居住に関する規定内容について、ドノバン次席公使は「把握していない」とした上で後日、米軍側に確認し社民党に報告することを約束したという。

兵員教育全面見直し 米大使が強化約束 (琉球新報 2/14 9:48)
【東京】米兵女子中学生暴行事件で、高村正彦外相は13日夕、シーファー駐日米国大使とライト在日米軍司令官を外務省に呼び、「これまで何度も綱紀粛正を求めたにもかかわらず事件が起きた。甚だ遺憾だ。綱紀粛正、再発防止に向け、真剣かつ継続的に努力してほしい」と強く抗議、これまで米軍が実施してきた再発防止策についての再点検を求めた。シーファー大使は「再発防止のために既存のすべてのプログラムを見直し、強化させ、日本国民に安心してもらえるようにしたい」と対策強化を約束。ライト司令官も性犯罪防止プログラムの見直しに着手したと伝えた。
 外務省によると、在日米軍は(1)日本に着任した隊員に部隊配属前に日米地位協定や沖縄の文化に関する講習を実施(2)配属後に各部隊司令官が行動規範や規則を説明(3)部隊司令官が定期的に集まり事件、事故に関する情報共有と防止策を協議―などの教育プログラムを実施している。
 県内では、トラブルが起きやすい繁華街での深夜巡回指導などを行っている。
 高村外相はシーファー大使に、米軍が実施してきた米兵に対する教育プログラムや事件、事故防止策について「これらが果たして効果を挙げているのか、再点検してほしい」と求めた。
 これに対し、シーファー大使は「極めて遺憾に思っていることを日本国民に伝えたい。被害者とその家族にも心からお見舞い申し上げたい」と陳謝した。
 その上で「個人的に大きなショックを受けている。少女がこのような事件の被害者になるのは、とてもおぞましい」と述べた。
 ライト司令官は「大変心を痛めている」とした上で「既にこれまでの教育プログラムの包括的な点検を行うよう指示した」と述べ、在日米軍が性犯罪防止プログラムの見直しを始めたことを伝えた。