宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

「防衛疑獄」へ、パンドラの箱が開くか

福田康夫首相
「そういうふうな会合に出るのは政治家としてよくあることだ」

町村信孝官房長官
「いろんな会合で同席する人がいて、それがどうしたのかということだ」

Yamada 久間・額賀両氏を接待した宮崎容疑者は「山田洋行」元専務で実質的に経営を担ってきた人物。オーナー側と対立し昨年9月に「日本ミライズ」を立ち上げたが、山田洋行による訴訟に発展している。

山田洋行は、航空、防衛産業の専門商社。防衛省が指定するA級競争入札業者(売上実績から防衛省が設けたA~E5段階基準の最上位)。2006年度まで5年間の防衛省からの受注は地方分を除き、装備品など117件、総額174億円。海外メーカーの請求書を偽造・変造する手口での水増し請求などの不正が判明している。

この企業の接待を、防衛行政のトップに立つ政治家である久間氏や額賀氏が受けていたことは、「よくあること」「それがどうした」などと言ってのけてすまされる性質の問題ではない。この一点で福田首相町村官房長官の、政府行政トップとしての資質が疑われる。福田内閣不信任に価する。

うがった見方をすれば、久間氏や額賀氏をかばい火消しをしておかないと、さらに広がる裾野は広く深いために躍起になっているのかもしれない。巨悪の側からみれば、官僚・守屋氏を謀殺して幕引きにしたいのだろう。守屋氏について「悪質、非常識」(福田首相)、「許しがたい」(町村官房長官)と発言していたのと比すれば、今回の「よくあること」(福田首相)、「それがどうした」(町村官房長官)はあまりにも態度が違いすぎる。

画像は、山田洋行の防衛関係の取り扱い品目の数々山田洋行会社概要より)

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山田洋行の闇

宮崎容疑者が山田洋行を割って日本ミライズを立ち上げたのは、オーナー側がグループの不良債権処理のために山田洋行を売却する動きに出たから。2005年11月にその買収案件を持ちかけられた、ライブドア社長のホリエモンは「武器商人みたいな会社じゃん。面白そう…」と興味を示したという。2ヵ月後にホリエモンが逮捕され、その案件は立ち消えになる。結局、不動産市況の好転で売却はなくなったらしいが、宮崎容疑者はオーナーの山田一族に不信を抱き昨年9月に30人近い社員を引き連れて会社(日本ミライズ)を設立する。

営業機能が麻痺した山田洋行側は、宮崎容疑者に10億円の損害賠償請求訴訟を起こす。
ここには、日本政府が購入する戦闘機のエンジンの代理店契約や、数千億円にもなる利権が絡んでいる。

CXエンジンに関しては、久間氏が山田洋行側で、守屋氏がミライズ側になったバトルが演じられていたとの話もある。いずれにしても、山田洋行の存在は単なる商社ということではなさそうだ。防衛利権がドロドロに絡み防衛省は震撼する。

【参考】
防衛省震撼「山田洋行」の闇FACTA

■ジェームズ・アワーとは誰か

James 守屋前防衛事務次官の証言で、額賀氏と同席したというアメリカ側の人物の名前があがっている。元米国防総省日本部長のジェームス・アワー氏である。その件について、額賀氏もジェームズ・アワー氏も否定している。

アルルの男・ヒロシ氏は、リチャード・アーミテージ元国務副長官の名前があがっていないことを意外としているが、守屋氏がわざわざジェームズ・アワー氏の名前をあげたのは一種の「警告」であり、身を守るための抵抗なのかもしれない。米国と何らかの関係を深く切り結び、防衛利権を貪っている与野党にわたる政治家へのシグナルである。
守屋氏の知り得ていることは、日米防衛疑獄に発展していく可能性を持っているのだろうか。戦後史を揺るがすパンドラの箱が開こうとしているのかもしれない。

ジェームズ・アワーという人物を私は全然知らなかったが、産経新聞のようなカルトメディアでよく紹介されているらしい。アベシンゾー擁護の記事を読んだが、日米関係を軍事同盟として固定化・重視し、集団的自衛権を日本が容認する(自衛隊を米軍傘下の軍隊として動かす)よう懸命にプロパガンダしているお人のようだ。

【参考】
ジェームス・アワー 不可解な日本メディアの安倍批判(産経)
守屋爆弾が「海の友情」を直撃(ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報)

沖縄利権と派閥

Sato Fukuda 沖縄に関する利権は、振興開発から防衛まで「津島派」が一手に握っていた。吉田茂を起源に、佐藤栄作(密約だらけで米国から沖縄の施政権返還を成しノーベル平和賞受賞)、田中角栄、竹下・小渕・橋本派で現在の津島派である。

それが小泉首相誕生で、現在の「町村派」に移った。岸信介を起源に、福田・安倍・三塚・森派と変遷し現在の町村派になっている。

自由民主党のこの二つの潮流の利権交代によるドラスティックな動きが、普天間代替を表向きの理由にした沖縄への米海兵隊の新基地建設計画を大きく変化させた。

1996年、橋本首相時代に日米合意された新基地は「海上ヘリポート」と呼ばれ、メガフロートなど鉄鋼業界やマリコンを巻き込んだ利権争いが演じられた。結局、沖縄側の経済界(土建等)の意向を反映した県知事要望により「海上埋立」での「軍民共用空港」となって1999年に閣議決定された。

小渕首相の突然の死を受けて、サメ脳の森喜朗が首相になると、沖縄に関する利権は森派(現・町村派)に移っていくことになる。大学院大学などわけのわからない税金の無駄遣い企画をぶちあげ、尾身幸次衆院議員が貪欲な利権喰いに走る。

2plus2051029 守屋前防衛事務次官は環境問題や様々な問題で暗礁に乗り上げていた「軍民共用空港」計画を破棄し、米軍再編協議の中で現在の陸上で一部海上という拡大案での日米合意まで持っていく日本側の事務方トップである。

この米軍再編協議でも合意に至るまでは紆余曲折あり、日米協議の最中に沖縄県防衛協会北部支部長を務める土建屋さん(名護市の東開発・仲泊弘次会長)がリーフ内の浅瀬を埋め立てるプランをぶち上げ、一時は米国側が「地元が提案している」ことを理由にそのプランを強く支持している。

そのような局面を迎えた中で、守屋氏は小泉首相に直談判し強引に日本政府のプランで押し通すお墨付きをもらっている。その際に、小泉を決断させた守屋氏のことばは「沖縄利権から津島派を一掃するチャンスです」というものであったらしい。

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現在でも、沖縄側は埋立拡大を強く要求(表向きは騒音軽減のため滑走路沖合移動)している。島袋吉和名護市長は仲泊弘次氏らの判断や指示に逆らえる器ではない。仲泊氏としては、徹底抵抗させることで自らの存在価値を高く売りつけ防衛土建利権に食い込むつもりなのだろう。
政府は頑なに沖縄側からの要求を「合理的理由が無い」と拒絶しているが、この新基地建設に係る利権は深く錯綜し守屋氏は蛇蝎のごとく沖縄側の行政や政治家に毛嫌いされている。

Moriyakokkai 守屋氏は「沖縄で基地の被害を受けている人と、国からの金で儲かっている人は違う」と明確に沖縄を批判している。沖縄に対してほとんどの日本人は贖罪意識からそのようなことを発言しない、ましてや行政の役人がすることは考えられない。私は、この守屋氏の発言は現実を言い当てていると受け止める。そして、この現実の裏側には深い闇が広がっている。その闇に我が故郷・名護市が覆われて久しい。

様々な利権の構造が渦巻き、少なく見積もっても4千億円、一説には1兆円にもなるといわれている、新基地建設に係る利権がドロドロと絡み合っている。1972年の復帰後、振興策や防衛予算等で復帰後脈々と続いてきた沖縄利権に吸い付く政治家や「沖縄マフィア」。さらにこれは、グアムへのこれも一兆円にはなろうかという利権に近接している。米国をも大きく巻き込む可能性大である。ジェームズ・アワーの名前が出てきたことは意味深である。それらにメスが入れられれば、政界再編どころではないかもしれない。

今回、守屋氏が証人喚問で名前を挙げた久間・額賀両氏とも、沖縄利権の中枢を握っていた「津島派」である。尾身幸次財務大臣ら「町村派」の名前は守屋氏の口からは出ないだろうが、守屋氏が米軍再編でみせた力技(地元の保守派及び米国の反対を押し切った)や後ろ盾になった小泉首相との関係を考えれば、ことと次第によっては小泉元首相まで通じる回路が切開される。

■首相と官房長官の不自然な態度

Fukudayasuo 久間・額賀両氏が、山田洋行元専務による接待の宴席に同席していたことは、単なる会合への参加ではない。
それを「よくあること」「それがどうした」ですまそうとする首相と官房長官の態度は尋常ではない。身動きができないほど、自民党終焉の地雷が踏まれているのかもしれない。

防衛利権」は限りなく「防衛疑獄」のパンドラの箱を開ける。シャレじゃなく、誰か死ぬかもしれない。殺させてはならない。

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■額賀氏の参考人招致を!

左の画像は、2006年にV字形滑走路での新基地建設を基本合意した名護市長(左)と額賀防衛庁長官(当時・右)

民主党は下記のように額賀財務大臣参考人招致を求めるとしている。今回の「防衛疑獄」には、民主党国会議員も絡んでくるのは確実だろう。もしかしたら小沢党首がのっぴきならない立場になるかもしれない。民主党が自らに火の粉がかかるからとサボタージュしたり情報操作しないように、注意深く事態の推移をみる必要がある。がんばれ民主党自民党に変わって政権担当させるに価する政党かどうかを有権者は注視している。

民主党山岡賢次国会対策委員長
10月30日財務省の記者会見、11月7日衆院テロ防止・イラク支援特別委員会で、それぞれ守屋証言と180度異なる発言・答弁を行っている(額賀財務大臣発言)と指摘。「(便宜供与という)税金のムダづかいに関与した疑いを持たれている人が、(財務大臣として)予算を組んで良いのかという問題がある」などとして、大臣の見解を国会で問う優先度は高いと述べた。民主党ホームページより)

さぁて、自民党独裁の終焉《自End》が近づきつつある気がする。

政策論争も、膿を出し切る追及も、すべてがだいじだ。

共産党社民党も、国民新党日本新党もガンバレ!

とエールを送って、このエントリーを閉じる。

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【参考】

守屋「久間は怖い」ジャーナリストに“本音”漏らす
CXエンジン“バトル”と関係か(ZAKZAK 2007/11/15

証人喚問:モリヤ前事務次官+参考人招致:米津佳彦山田洋行社長+私論:防衛利権等を考える!やっと書き終えました。ふぅ~、、、
(晴天とら日和)

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最後まで、読んでいただきありがとうございます。
もうしばらくしたら、時間に余裕ができるので、落ち着いていままで勝手に「公約」している、沖縄の問題に係る情報を整理してボチボチとアップしていきます。

それでは、今日はここまで。

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