宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

産経や“つくる会”的歴史のつくり方(追記あり)

Gif_animetion_rekisi仕事がはかどらないので、ブログ書きに逃避しようと思って、「歴史教科書問題」について記事を書こうとしたんだけど、調べるために記事読んだりしているだけでウンザリしてきた。

産経新聞は、沖縄の支局長が県民大会の会場には行ったみたいだが、記事も出していないなぁと思っていたら、いちゃもん記事の取材をしていたんだね。ブログのコメント欄は盛り上がっていた。

  産経新聞那覇支局長のブログはココ

新しい歴史教科書をつくる会」は10月4日付けで文科省に申し入れ等を行なったみたい。
内容詳細はアホくさいのでここで言及しませんが、ひとつだけ。
申し入れ書の別紙で、《沖縄県警の調査では4万2千人とされています。(中略)会場となっ たスペースの実測から、実数はもっと少ないとの指摘もあります》とあるんだけど、上に紹介した産経新聞那覇支局長のブログのコメント欄では10月2日付けでそんな話が飛び交っている。おもしろいね。この人たちの情報流通経路や、ソースはどこいらへんにあるのか、あんまり興味ないけど、あるんだねそういう世界が。私は沖縄の田舎者なので知らなかった。みんなお仲間なんだねきっと。

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文科省が審議会の「検定意見」にどのように介入し、操作してきたのかは以前のエントリーで書いたが、文科省は沖縄からの検定意見の撤回要求に対して、いままで通りの対応で逃げ切ろうとしている。

沖縄タイムスが昨日の社説で「検定意見」について書いているので紹介する。リンク先に飛ぶのも億劫な人がいるだろうから、全文転載しておく。

http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20071008.html#no_1

社説(2007年10月8日朝刊)

[検定意見]
経緯を情報開示せよ

 沖縄戦における「集団自決(強制集団死)」への旧日本軍の強制・関与を削除した歴史教科書検定問題で、渡海紀三朗文部科学相が「記述の回復」について、完全に元通りにするのは困難だと述べた。

 理由は、県民大会で決議した「検定意見書の撤回」が「検定への政治介入で制度を歪めることになる」からだという。本当にそうだろうか。

 本紙の調べで、教科用図書検定審議会は文科省職員である教科書調査官の「調査意見」を追認しただけで、きちんと審議しなかったことが分かっている。

 「申請図書は、別紙調査意見のとおり検定意見相当箇所がある」と指摘した初等中等教育局の原義書を考えれば、調査意見書の作成段階から文科省が一定の方向性を決めていた可能性も否定できないのではないか。

 伊吹文明文科相は「文科省の役人も私も、ましてや安倍首相(当時)も、一言の容喙(口出し)もできない仕組み」と述べたが、一連の動きは文科省による政治介入を疑わせるものになっているのである。

 削除理由の一つとして引用された『沖縄戦と民衆』(大月書店)の著者である林博史関東学院大学教授は「『集団自決』は文字どおりの『自決』ではなく、日本軍による強制と誘導によるものであることは、『集団自決』が起きなかったところと比較したとき、いっそう明確になる」と記している。

 林教授は、自らの著書を確認すればそれは明らかであり、なぜ調査意見書を提示した調査官はこのことを無視したのかと問うてもいる。

 これでは教授が言うように、検定意見をつけるため都合のいい部分だけを抜粋したとみられても仕方がない。

 疑わしいところがある以上、調査意見を付した経緯や審議会の審査方法について、国会はその詳細を明らかにする必要があるのではないか。

 教科書検定制度は、教科書の記述に関する判断を第三者である教科用図書検定審議会に委ねることで、政治介入の防波堤にしている。

 それが防波堤になり得なかったのは明白であり、検定意見を執筆者に伝える際、時間をとってその場で反論できるシステムになっていないことにも疑問が残る。

 沖縄戦の実相を教科書に記述するかどうか、最後に判断するのは審議会である。

 なぜ沖縄戦研究者の学説と異なる一方的な説を調査官が採用したのか。審議会は自らの責任でもう一度審査をし直し、検定意見を検証すべきだ。

----転載ココマデ

タイムスさんは、新聞社だから「疑わしい」と書いているが、学術図書から自らの都合のいい部分のみを抽出し「調査意見書」に記載し、審議会の意見を誘導したのは、文科省の職員でつくる会と関係のある人物であったことが明白になっており、これは「疑わしい」ではない、確信犯の行為である。

国会では伊吹文科相(今は自民党の幹事長になっている)が「政治家は口出しできないんです、口出しできたら怖いでしょう」とうそぶいていた。白昼堂々、こんなことをやっているのが、教科書をめぐる政府・自民党の政治である。

政府を許してはいけない。「検定意見撤回」ということが、あまりにも性急で乱暴だというなら、せめてこの「検定意見」をめぐる政治のからくり、審議会の仕組みを明らかにしてただすべきだろう。

日本は経済一流・政治は三流といわれているらしいが、なかなかどうして、このような姑息な仕組みでウラでコソコソ政治を行うことについては長けているのではないだろうか。それを許す土壌があるからできることなのだろうが。

沖縄の知事や自民党の代議士や県議たちは、教科書の記述が戻ることを優先させて「検定意見撤回」は後回しでもいいような雰囲気なってきている。もともとが、自民党県議たちは、この問題での意見書に対する姿勢だってずるずる引き伸ばしていたんだから、現在のような状況は驚くに値しない。しかし、11万人(産経やつくる会では4万人から2万人)も集まった県民の個々のエネルギーを読み誤ると、彼らもたいへんなことになる。しばらくは慎重な姿勢でいるだろう。

突然ですが、今日はここまで、急にものすごい睡魔が襲ってきた。時間に余裕があれば追記します。

【追記】12:40

先ほど知った本日のニュース。
文科相発言で審議会一部公開の動きも出てきた。これはこれでいい動き。

つくる会”の申し入れは、記述復活よりも、このような事態をこそ牽制(※1)していた。県民大会の人数を少なく見積り政治的影響力を希釈するのに躍起だった、産経新聞や“つくる会”というカルト集団の歯軋りが聴こえてきそうだ。

しかし、こんなことで、今回起こった出来事の幕引きになどならない。
「今までのやり方」をすべて明らかにして膿を出させなければならない。

-----新聞記事転載ココカラ

教科書検定の見直し、文科相が検討表明…審議会一部公開も

渡海文部科学相は9日の閣議後の記者会見で、沖縄戦の集団自決をめぐる教科書検定問題に関連して、「今までのやり方で良かったのかどうかを含めて 検討したいと思う。変えなければいけない部分があれば変えていくのが我々の姿勢だ」と述べ、教科用図書検定調査審議会の運用など、教科書検定のあり方の見 直しを検討する考えを明らかにした。

Click here to find out more!渡海文科相は具体的に、同審議会が議事録を含めて非公開になっていることについて、「様々な疑義が生じないことが大事 だ。(議論が)終わった段階で、内容を公表することは可能かもしれない。透明性を上げる必要がある」として、同審議会の一部や議事録の公開を検討する考え を示した。

ただ、全面公開については「途中段階で公表すると(審議委員が)自由に発言出来る環境にならないかもしれない」として、否定的な考えを示した。

今回の沖縄戦の集団自決をめぐる教科書検定問題では、同審議会が日本軍の強制に関する記述に検定意見を付けて削除させた。

(2007年10月9日11時2分  読売新聞)

-----新聞記事転載ココマデ

※1
10月4日付けの“つくる会”の文科相への申し入れ書には

…検定制度そのものの否定につながりかねない重大な問題であります。私たちは、ここに改めて、貴職が教科書検定制度の趣旨をふまえ、いかなる政治的圧力にも屈することなく、毅然として対応されるよう改めて申し入れる…

とあり、検定制度そのものの現状維持が主眼であるのは明らか。
現行の制度が、彼らにとってどれほど有意義なものなのかがわかる。

---追記ココマデ

きっとたくさんのブログが、この問題について記事を書かれているんだろうと思う。その一部しか読むことはできなかったが、そのなかでも、下記三つのブログエントリーはとてもよかった。ただ沖縄に生まれ育ったというだけで、無学な私にはとても勉強になった。

つくる会が文科省に「国会決議の動きには断固反対」申し入れ&中川元文相発言(13日の水曜日)

沖縄戦の被害者の苦しみを隠したり故意に無視したりすることは被害者への二次的加害ではないでしょうか。 (再び、日本軍による沖縄での住民への自決強制をめぐって)(村野瀬玲奈の秘書課広報室)

[集団自決]教科書検定でどう書き換えられたか(美しい壺日記)


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