宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

日米軍事再編:岩国市の場合

061222iwakuni 地下1階地上6階建てで総事業費は約81億円。
うち49億円を、96年のSACO事案(普天間飛行場からの空中給油部隊の移転)を受け入れたことに伴う国の補助金で賄う計画で、進捗状況に応じて二年連続で計14億円が交付されてきた。

完成予定の今年度は35億円の交付を見込んでいた。

岩国市の新市庁舎の話である。

防衛施設庁は、空中給油機移転受け入れだけではダメだ、米軍再編に伴う厚木からの艦載機移転を受け入れなければ補助金交付はできないとして、今年度の岩国市に対しての補助金交付をなくしてしまった。

日米軍事再編は、国政府が本性をむき出しにして国民に地方自治体に襲い掛かる、明らかに反民主主義的行為である。

写真は建築工事中の岩国市役所新庁舎(06.12.22撮影)RIMPEACEの田村順玄・岩国市議の記事より

米軍再編特措法は国会で自公が強行採決して決めただろうが、日米軍事再編も、そのロードマップも国会での議論もなく政府が勝手に米国と決めたことだ。これを民主主義的行為と呼ぶことはできない。

岩国では、住民投票も行い、全有権者の過半数に達する人々が「反対」を明確にした。これに異を唱える人々が、署名活動を行い、リコールも視野に入れながら市長に受け入れを迫っているが、市長は頑としてスジを通し市政運営に当たろうとしている。

我が名護市には、防衛がらみの継続補助事業はなくても、唯々諾々とお金ほしさに新しい米軍基地建設を受け入れるというブヒ市長や商工会や建設業協会のような支配的田舎ボスたちがいるのに、岩国の自治体としての踏ん張りに頭が下がる。

35億円の補助金がゼロ査定されるということは、とても重大で深刻な事態である。市長は、その財源を合併特例債などに組み替えて、今年度予算を調整したが、市議会は3月・6月と二度の定例会で否決した。市議会の保守系多数派が市民のための予算を人質に艦載機受け入れを市長に迫るという、バカげた政治を行なっている。外(国・県)からも内(議会)からも、市長及び市民への圧力は想像を絶するものがあるだろう。

市長は、市民のためにこれ以上、予算確定を遅らせるわけにいかないと、合併特例債ではなく国庫補助金に35億円の財源を組み替えて予算を提案し、6月下旬の臨時議会で総額660億1,200万円の今年度予算がやっと可決された。

ことは、これで「よかったねぇ」とはいかない。国庫補助金など、現在の防衛省および自公政府が、市長が艦載機受け入れを表明しない限り拠出するなど想像もできない。

そうなったら、確実に捕捉できない収入を計上して予算を作ったことや様々な法的道義的責任が市長に圧し掛かってくるのは確実だ。岩国市の井原勝介市長はたいへんな状況を見据えて、地方自治の本旨を守る戦いをしている。

あまり無責任な“応援”などいえないが、あきらめないで、岩国市の有権者が支持する限り、ナンピトたりとも市長の首を切ることはできない。

市庁舎建設費について岩国市新庁舎募金の会“風”が活動している。
ぜひ、リンク先をおとずれて、人々の声、行なわれていることに触れてください。

以下は、岩国市新庁舎募金の会“風”のブログより

会の趣旨

最近の日本政府のやり方を考えると、「はらわた」が煮えくり返るのです。こうして皆様とお話し合いができると「ほっ!」とした気分になれます。

今の私達に何ができるのでしょうか? 新庁舎建設補助金のことですから、やはり募金活動をするしか考えられません。しかし、これは表面は募金活動ですが、中身は抗議行動になるのです。

「貧者の一灯」を結集して、岩国の「一隅を照らし」出し、さらに「光を高く高く掲げて」全国へ岩国市民の思いを照らし続けましょう!

皆様のご支援をお願い申し上げます。

市長メッセージ
「全国の支援を求む!」


市長室の窓の向こうで市役所新庁舎の建設工事が急ピッチで進んでいる。昨年の12月下旬、当時の防衛施設庁から、突然、新庁舎建設に対する補助金約35 億円のカットが通告された。17年度、18年度と2年間にわたって国の補助金を得た上で工事は順調に進み、最終年度に至り、突然補助金がカットされると は、信じられないこと。国自ら約束を反古にし、信頼関係を崩すもので、到底納得できない。

米軍再編の一環である空母艦載機部隊の厚木から岩国への移駐を容認すれば、いつでも相談に乗るという。言い換えれば、再編に反対してい る岩国市に露骨な圧力をかけ、無理やり容認を迫ろうとするもの。その効果は抜群であり、この補助金がカットされたのは市長の責任であるとして、19年度一 般会計予算約660億円が3月市議会において否決されるという事態になっている。市民にも大きな不安が生じている。

こうしたやり方は、市民や国民の幸福を図ることを目的とする国のとるべき手法ではない。これにより、多くの市民の信頼を裏切り、強い反 感と怒りを買ってしまった。補助金と引き換えに、岩国のこころを捨てることはできない。圧力に屈せず、できる限り自前財源を確保するために、市民の募金活 動を積極的に応援する。

地方自治を守るために、全国の支援を求む!

岩国市長 井原勝介

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岩国市ホームページ

岩国基地問題中国新聞

岩国市新庁舎募金の会“風”


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【どうでもいい追記】

岩国市議会の議会だより(2007年8月15日号)を読んでいると、「井原市長は昨年の選挙後から反政府活動を強めています」と断定する質問があってギョッとした。
私が名護市長をブヒ氏呼ばわりするのと、議員が議場で市長に向かって発言するのは、ちょっとわけが違うよねぇ。
《反政府活動》には畏れ入った(笑)。きっと立派な市議さんだね。