みやぎブログ

演劇・戯れ・政治

辺野古シンドローム

カナダde日本語の美爾依さんが、一昨日の「アベ・シンドローム」を貼って記事を書かれている。

「シンドローム」には「症候群」という意味以外にも

- 病的現象
- 同時に発生する一連のもの(事件、行動)

などの意味がある。

美爾依さん、ありがとう。あの落書きも、なごなぐのようなマイナーな場所から転位し人様の目に触れる機会を得て本望だろうと思う、落書きに代わってお礼をいう。

元の写真はワシントンDCにある、例の海兵隊による硫黄島での旗立の写真を基にした巨大なモニュメント。写真では知っていたが、実際に観た時はあまりの巨大さにびっくりした。
その写真の海兵隊の諸君の顔に、自公の政治家の写真を配した。アベ・シンドロームは、この国の戦後政治の「病的現象」であり、病気を自覚せぬまま末期を迎え「同時に発生した」、政治社会の溶解現象なのかもしれない。

彼らが、籏を立てようと必死こいてる場所は、日本であり、沖縄である。異常さを極めることでマヒしていく怖ろしさについて考えてしまう。私は、日本>沖縄>名護>辺野古のことを思っている。

今朝の琉球新報27面に、二つの辺野古についての記事があった。

ひとつは、ヘリ基地反対協議会や平和市民連絡会が昨日午後、緊急記者会見を開いたという記事。

「7月21日午後零時半、海中で抗議行動を行ったメンバーが機器設置作業員に酸素ボンベのバルブを閉められ生命の危機に陥った」

と両団体は発表した。人目が容易には届かない海中での、防衛省の請負業者らによる「殺人未遂」である。
この件についてはたくさんのブログ記事で言及されているが、2つだけ紹介しておく。詳細はそちらを参照していただきたい。

基地建設阻止(7/21の情報)
きっこのブログ:政府による殺人未遂事件(7.21)

きっこさんが指摘している通り、これは明らかに「殺人未遂事件」である。
作業遂行者と作業阻止者がもみ合った上で生じた偶然のアクシデントではない。私はダイビングについてなにも知らないが、酸素ボンベのバルブは意識的に閉めないで閉まるものではないだろう。防衛省は、作業をただちに中断させ、事実関係を掌握し、しかるべき措置をとらなければならない。
これは、基地建設に賛成・反対という以前の問題である。いくら度量が狭く容易に逆切れするアベ首相の内閣だからといって、やっていいことと悪いことぐらいはわかるだろう。

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もうひとつは、上記の記事のすぐそばに、《推進派有志V字案支持》の記事。

辺野古区有志会代替施設推進協議会(宮城安秀代表)という団体が、名護市のブヒ市長が主張する沖合移動案ではなく政府案を支持する方針を固めたという。

同協議会の宮城代表は

「久間前防衛相が修正可能と発言して以来、市は修正を求めたが何も変わっていない。小池百合子氏が大臣になり修正はないと言っているのだから、政府案を基本に交渉を進めてほしい」

と語っている。それを受けて、辺野古区の大城康昌区長は

「(区の最高意思決定機関=行政委員会の)議題として検討しなければならないだろう」

と発言している。反対する区民有志からの申し入れは、門前払いだったように記憶しているが、この人たちに一貫性を求めてもムダなのだろう。

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名護市では、この10年の間に、新基地建設は大型公共事業以外のなにものでもなくなっている。国家安全保障が最も高次の国民福祉だという理屈なら、確かに大型公共事業以外のなにものでもない。

しかし、沖縄でそのような理屈が、一点の曇りもなくコモンセンスの如く受け容れられているわけではない。沖縄に酷い形で集中する米軍基地。その象徴としての「普天間」。それを無くすためという理屈だけが、かろうじて名護市の受け入れを成り立たせている(※)。その上で、本音は地域にお金を大量に落とし、お金が注がれる仕組みをもたらす「大型公共事業」なのである。

しかし、それには、基地被害というリスクも伴う。そのリスクを最小化するため(これもそれを装いというしかないが)に、ブヒ氏はブヒブヒ言う田舎の首長さんと防衛省にバカにされながらも、沖合移動を要求し続けているのだろう。

しかし、その沖合移動もやめろ、とにかくオレらは基地(それに伴うお金)が欲しいんだというのが、今回の有志協議会の動きである。

※ 普天間「代替」ではなく新基地建設でしかないということが立証できれば、その地平は消え去る。

基地建設は、ぜったいまかりならん!という人々には、そのような地域の動きは目に入らないか、入っても政府により分断され破壊されるコミュニティという文脈でしか見えないだろう。


美爾依さんの教えてくれたsyndromeの意味に立ち返る。 

「シンドローム」には「症候群」という意味以外にも      

- 病的現象    
- 同時に発生する一連のもの(事件、行動)    

などの意味がある。  

政府は白昼堂々、海底という人目のつかないところで殺人未遂を犯し
地域住民は、軍事基地のなんたるかを知りながら積極誘致する錯誤を冒し

辺野古シンドロームは、深く深く進行している。

この参院選の結果で、自公を過半数割れに追い込んだからといって、衆院の圧倒的多数状況、民主党内の極右勢力の存在などを考えると、沖縄の状況がドラスティックに変わるなど夢にも思わないが、しかし、着実に次の一歩にはなる。

ということで、「世界愛人主義同盟」の村野瀬玲奈さんに呼応して私も合言葉を


政権交代を止めるな。

政権交代は、あらゆる改革につながる本丸。

命落とすな、自公を落とせ。

安倍のカメラ目線が気持ち悪いかどうかを国民に問う選挙です!
 
                 
(c)水葉さん護憲アマゾネス軍団美人リーダー

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