みやぎブログ

演劇・戯れ・政治

新基地の必要性は?

7月10日から13日まで、米軍基地を抱える沖縄中部の首長たちがグアムを視察していた。

グアムの方々の複雑な状況を知るために、「沖縄・グアム海兵隊移転」情報通信第6号(07.0717)は一読して欲しい。

グアム先住民・チャモロの人々に思いをはせつつ、米軍基地は米本土にこそ移転すべきだと私は思うが、先の情報通信編集人の「海兵隊移転を止めるその日まで通信の発行を続ける!」という意気込みは、グアムへの「海兵隊移転を止める」ことがすなわち「沖縄海兵隊固定」につながる現状をどう考慮し、沖縄はどのように配慮されているのだろう。私たちは幾重にも分断されている。

視察から戻った、伊波洋一宜野湾市長のインタビューが琉球新報に掲載されている。

宜野湾市長に聞く 戦闘部隊移転は明らか琉球新報=07.0720)

伊波市長によれば、米国防総省がグアムへ示した資料では、普天間飛行場所属機などで構成される第31海兵遠征部隊の2千人が「移転が想定される部隊」となっている。

であるなら、普天間代替という名のもとに辺野古で進めようとしている「新基地」はいったいなんなんだろう。

普天間飛行場に駐留する部隊がグアムに移転するなら、名護市への新基地は普天間の機能の中でなにを担うことになるのだろう。

現状の普天間飛行場-実戦部隊はグアム移転=グアム等から飛来しての訓練飛行場。

ということになるのだろうか。

この施設(新基地)は、沖縄の貴重な自然と人々の生活と精神を破壊してまで、造りだす必要のある施設なのだろうか。

昨年5月1日に2+2で合意された「再編実施のための日米のロードマップ」で、(b)兵力削減とグアムへの移転 として

約8000名の第3海兵機動展開部隊の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転 する。移転する部隊は、第3海兵機動展開部隊の指揮部隊、第3海兵師団司令部、第3海兵後方群(戦務支援群から改称)司令部、第1海兵航空団司令部及び第 12海兵連隊司令部を含む。

第3海兵起動展開部隊の移転が明記されている。日本政府は「司令部が移転」と発言し続けているが、上記には「司令部を含む」とされているだけで、実戦部隊の移転がないとは読めない。

対象となる部隊は、キャンプ・コートニー、キャンプ・ハンセン、普天間飛行場、キャンプ瑞慶覧及び牧港補給地区といった施設から移転する。

沖縄に残る米海兵隊の兵力は、司令部、陸上、航空、戦闘支援及び基地支援能力といった海兵空地任務部隊の要素から構成される。

どの部隊のどの要素が沖縄に残るのかは、明確ではない。したがって、普天間代替とされる新基地がどのように使用されるのかは定かではない。

第3海兵機動展開部隊のグアムへの移転のための施設及びインフラの整備費算定額102.7億ドルのうち、日本は、これらの兵力の移転が早期に実現 されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、これらの兵力の移転が可能となるよう、グアムにおける施設及びインフラ整備のため、 28億ドルの直接的な財政支援を含め、60.9億ドル(2008米会計年度の価格)を提供する。米国は、グアムへの移転のための施設及びインフラ整備費の 残りを負担する。これは、2008米会計年度の価格で算定して、財政支出31.8億ドルと道路のための約10億ドルから成る。

「沖縄の負担軽減」のための財政出動のように政府は喧伝するが、国民の血税を湯水の如く使い、主要部隊がグアムへ移転し不必要になるとしか思えない「普天間飛行場」の代替と詐称し、新しい米海兵隊の航空訓練施設を造ってはいないか。

10年も経って造りきれなかったのに、なぜあきらめないのか。
普天間の部隊はグアムへ移転するのに、なぜ、新しい基地は必要とされるのか。
なぜ、なぜ、なぜ?

この新しい基地の必要性を、普天間の変わり(代替)などという答えにならない答えではなく、普天間所属の部隊がグアム移転するにもかかわらず、造らなければならない必要性を、誰か教えてほしい。

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伊波さんのインタビュー記事の全文を引用しておきます

宜野湾】米軍再編に伴い在沖海兵隊8千人の移転が決まっているグアムを中部10市町村の首長らが10日から3日間の日程で視察した。普天間飛行場を抱える宜野湾市伊波洋一市長に視察の成果を聞いた。

―グアムの受け入れ態勢はどうだったか。

「現地ではおおむね歓迎しており、経済効果にかなり期待していた。基地は、ベトナム戦争当時はB52戦略爆撃機を155機収容するなど広大。在沖米軍の受け入れは十分可能との説明を受けた」

―昨年9月に米太平洋軍がグアム統合軍事開発計画を一時公表した。同計画には海兵隊航空戦闘部隊がグアムに移ると明記していた。普天間の部隊はグアムに移るということか。

「米国防総省が最近、グアム政府に提供した資料にも、普天間飛行場所属機などで構成する第31海兵遠征部隊(31MEU)の2千人が『移転が想定される部隊』として明記されている。アンダーセン空軍基地のジョエル・ウエスタ副司令官らは同計画は確定ではなく、2008年夏までにマスタープランを策定すると言っていたが、同計画がベースとなって進んでいるのは確かだ」

「日本政府は『米軍再編で在沖海兵隊の司令部だけが移転する』と説明しているが、そうではなく、海兵隊は実戦部隊もグアムに移転する。名護市辺野古に造ると言っている代替施設は普天間の、滑走路など“機能面”だけの移設となり、実戦部隊がグアムから沖縄に訓練することになるだろう」

―グアム視察の結果をどう普天間飛行場の危険除去につなげるか。

普天間飛行場の航空戦闘部隊はグアムに移ることははっきりした。現在でも普天間のヘリ部隊は毎年グアムに数カ月行っているのだから、普天間の飛行を少なくしていって、グアムに部隊を移すのは十分可能だ。宜野湾市としてはより早くグアムに部隊を移すよう、日米両政府に訴えていく」

(聞き手 島洋子)

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沖縄は暑いっす
我が家はクーラーもないので、一日3回はシャワーを浴びている(笑)

旅先で買い込んだ本を読もうと思っても、滝のように汗が流れ出て昼間は、ままなりません。