なぜ安倍総理は引責辞任しないのか
先週土曜日の、久間防衛大臣の原爆しょうがない発言に接して、「アメリカの考え方を紹介しただけ」とおっしゃっていた安倍総理ですが、昨日火曜日に久間大臣は発言に対する批判の猛火を受けて辞任なされたのに、安倍総理はお辞めにならないのでしょうか。
後任大臣を、身内派閥から速やかに起用なされて「さすがおぼっちゃま」などと同じ自民党の同志からも冷ややかに見られておるようですが、安倍総理はいつお辞めになるのでしょうか。
塩崎官房長官は、日米の沖縄返還に関する「密約」を、米国公文書が出ているにも関わらず、「いわゆる密約というのはないと日本政府は考えている」と二日月曜日の会見で述べておられます。こんな恥ずかしいウソが、いつまでもまかり通るのでしょうか。私は、そろそろ目を覚まさないといけないと思います。「しょうがない」発言は、このようなウソをみんなで許していることと無縁ではないと感じています。
一夜明けて、朝日・読売・毎日の報道から、どのような反響が「政界」で起きているのかをいろんな発言からみてみましょう。
「何十万人が死んだことを、いかなる文脈でも『しょうがない』と表現するのはおかしい。語彙(ごい)が不足しているのではないか」(栃木選挙区の改選の自民党参院現職)
「(選挙への影響は)プラスにはならないだろう」(同上)
「党への批判が高まるのは確実。党執行部ももっと早い段階で『発言は問題だ』と意思表示すべきだった」(茨城選挙区自民陣営幹部)
「大変な批判を受けていた私どもからすれば、何とかけじめをつけて欲しい と思っていた。辞めなかったらさらに影響は大きかっただろう」(自民党 長野県連幹事長)
「久間氏が辞めて済む問題ではない。首相は当初、擁護するような言い方をしており、首相自身が同じような 考え方や体質を持っているということだ。こういう政権を是とするのか非とするのか、選挙によって判断される」 (民主党小沢代表)
「暴言の後もかばい続けた首相の責任は極めて重い」(共産党 志位委員長)
「安倍内閣の閣僚の一員だから、首相に全く責任がないとは言えない。しかし、首相は全力で頑張っている。与党としては、しっかりと支えていきたい」( 公明党北側幹事長)
「任命したのは首相だが、個々の閣僚が不適任かというとそうでもない。ただ、いくらか緊張感がなかった」(自民党片山参院幹事長)
----------以上読売新聞
「安倍君が任命した人なんだ。結局そこに行き着く。佐田(玄一郎前行革担当相)君、松岡(利勝前農相)君、久間。全員論功行賞だからね」(青木幹男参院自民党会長)
「久間防衛相が我が党の会議に出席していただく予定になっていますが、出席をキャンセルしてもらえませんか」(公明党斉藤鉄夫政調会長)
「党としては見解を決めていないけれども、私個人としては(女性を子供を産む機 械に例えた)柳沢伯夫厚労相の発言も問題だったが、それとは質的に違う重大な発言だ」「自分の身の処し方を賢明に判断していただきたい」(公明党浜四津)
「もうこの内閣は死に体だなあ」(参院自民党幹部)
「小池氏なら全国を飛び回れば選挙にプラス」(自民党閣僚経験者)
-------以上毎日新聞
キューマの辞任は、公明党が先に引導を渡して、公明党なくば選挙を戦えない自民党の実情を熟知しているキューマが身を引いたということ。あくまでも選挙のためでしかない。キューマは発言を自己否定し撤回などしていないし、アベシンゾーも同様である。
「幕引き」などできるわけはない。
防衛問題は、アベシンゾーの「戦後レジームからの脱却」の中核に関わる話しである。被爆者を踏みにじったという以外には、発言の中身に対してまともな説明も、撤回もないのはどういうわけか。明らかにアベシンゾーは、キューマ発言を問題視できていない。
7月1日の党首討論でもアベシンゾーは核の傘を容認し、米国の核使用に関してもキューマと同レベルの認識である。あげくの果ては逆ギレしていたではないか。
閣僚が引責辞任するというのは大きなことだろうが、ここまで軽いことになったのはアベシンゾーの力量によるところ大である。さらに、辞任して後も、「しょうがない」を連発しつつ「これで選挙が戦える」などとキューマが気楽に述べているのは、自民党としては万死に値する発言だろう。誰も反省から来る引責辞任だとは思わないし、選挙目当てでしかないのは一目瞭然すぎる。頭の弱すぎるおぼっちゃまアベシンゾーはキューマに二度殺される。まっ、同じ穴のムジナだから、いいのか。
ここで無理やり、エントリーのタイトルに収束するが、「なぜ安倍総理は引責辞任しないのか」、それは責任を感じていないからの一言である。主権者である国民よりも偉い「最高権力者」だから、どんなことが起こっても「私は改革を成し遂げるのが責任である」などとのたまえるのである。
「もうこの内閣は死に体だなあ」と自民党幹部ですらいう内閣である。有権者の手で、きっちりと引導を渡して上げよう。
庶民から金を巻き上げ雲散霧消させた国家犯罪的な年金に続いて、こんな茶番を有権者が黙って許していたら、有権者の自己責任も大きい。キューマの後釜のコイケも、どれほど問題があるのかは早晩明らかになるだろう。私は、キューマよりも酷い発言が飛び出すと思っている。コイケなんかには、戦争や国防はゲーム理論でしかない。環境大臣をしながらジュゴンの北限が温暖化で上がったなどと平気でのたまう知力である。生半可なゲーム理論は、大きな爆弾発言に結実するだろう。
沖縄で生まれ暮らし、日本国政府をみている身としては、今回のような「茶番」を通して、塩崎官房長官が性懲りもなくのたまっている、子供だましの「政府答弁」を止めさせるまで、問題の本質が掘り下げられればと願う。
いかに「日米安保」の実態がウソとサベツと国民搾取(&米国貢)の上で成り立っているのか、そろそろやめさせようよ。辺野古も高江も、破壊して代償できる性質の問題ではない。
いずれにしても、自民党・公明党の、強権体制を終わらせるには、参院選でまずは過半数割れの結果を出すしかない。
【参考】
ザ・のじじズム
塩崎恭久よ、この期に及んでまだシラを切るか! ~沖縄返還での日米密約~
低気温のエクスタシーbyはなゆー
〔史料〕小池百合子氏「辺野古ジュゴンは温暖化により北限ではなくなる」
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最後まで、読んでくれてありがとうございます。
【近況報告】
7月14日から19日まで、兄貴の法事もあって、関東近郊に出かけます。18日は、少し東京でブラブラできそうです。
夏休み期間中なんだね、飛行機の格安チケットがなくて、とても涙目です:)