宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

再編特措法の嵐が来る

Arasi 米軍再編特別措置法案なるものが、参院の外交防衛委員会で自公の賛成多数で可決された。本日、参院本会議で成立するだろう。

グアムへの移転経費など莫大な税金の拠出を、積算根拠もテキトーにアメリカと約束して、国会で経費詳細を求められると、キュウマ防衛大臣は「できるわけがない」とを平然と言ってのける(5.8の雑記参照)。

そんなアメリカへのビョーテキな顧客国家(ガバン・マコーマック=当雑記のカテゴリーからご一読あれ)ぶりが、またしても自公の賛成多数で決定されていく。

昨日の参院委員会でアベシンゾー首相は、「アメとムチ」の誉れ高い再編交付金についてなんと答弁しているか、参院インターネット審議中継のビデオから当該部分を書き起こしたので聴いてみてほしい。

安全保障の問題、やっぱりニッポンの安全を守らなければいけない。
かつまた、極東の安定というのはニッポンにとって極めて重要である。
そういうことについてのご理解はさらに進んでいる。ワタシはそのように思います。

しかし、そのために、米軍の基地が自分の街に来たら、これはやはり、誰もが困るだろう、「イヤだな」、こう思われるんだろうと、このように思うわけであります。

まっ、しかし、ニッポン全体として、それは大切である。

ニッポン全体として必要な安全保障を、しっかりとしたものにしていくために必要な基地に対し、やはりニホン全体としては必要だからということで、ご理解を いただいて受入をしていただく方々。

もちろん中には、同じ住民の中にも、反対があるにも関わらず、そういう決断をしていただいた地域に対して、国としてそ の地域の発展のために支援していくというのは、これは当然のことなんだろう。このように思います。

そういった考え方から、再編交付金、こういう仕組みをつくるわけでございますが、いわば、お金をもってですね、何でもモノを動かしていこうということでは なくて、これはやはり、国全体の安全保障のためにそういう決意判断をしていただいた方々に対して、国としてもやはり、そういう方々の判断に対して、応えて いく義務を果たしていく、それがまさに、この再編交付金であるということを申し上げたいと思います。

もう日米安保の極東条項などは、この国の政治家と官僚のおかげで、とっくの昔に有名無実になっているのは、みんな知っている。
米軍基地が来たら「いやだな」などと、しれっと舌足らずにしゃべるその舌を、名護市民としての私は、ハサミでちょん切って、もっと短くしてやりたい。(べつに、あんまり感情的にはなっていないよ。クールにそう思っている:)

Nag971221_1「住 民の中にも反対があるにも関わらず、そういう決断をしていただいた地域」というフレーズに、我が名護市の権力者たちは、「よくぞ言ってくれたソーリ」ぐら いに喜んでいるかもしれない。反対をしている住民にとってはたまったものじゃない。アベシンゾーは、その喜んでいるだろう方々に、その方々の判断に対し て、お金をあげましょうと言っているのである。(さらに、合意したにも関わらず、独自の案を主張する名護市は再編交付金の対象外だという脅しつき)

1997年、私たちは市民投票で、政府やこの小さな街の権力者たちの圧力を受けながらも、自らの信じる、生涯に一度の投票を、誰かを選び出すための四年に一度の投票ではなく、自らの意思を示す生涯に一度の投票をした。

その投票に対して、10年たって政府が講じてきた措置が、この再編交付金である。

この10年間も政府は様々な振興策を持ち出してきたが、それらは建前としては基地建設とリンクしていなかった。その建前も溶けて、いまや迷惑施設としての米軍基地受け入れの当然の見返りになった。

1997年の名護市民投票については、沖縄タイムスの特集ページを読んでみてください。
私もこの雑記を書くために、読み返してみたけど、たいへんだったんだなぁ、と思い返します。

私には、辺野古行政委員会の方々の、決議撤回や名護市への要請活動という最近の動きがとっても心配です。

再編交付金に上乗せして別立てでお金を欲しているのが辺野古区です。それぞれの欲望が絡み合い、金の動きが遅いのは政府のせいではなく「反対派」のせいだとなり、地域で混乱が生じるのは想像できます。

市民同士で争わされるのに嫌気がさして、二度とそんな場面に立ち会いたくないし、そんな場面をつくりたくないと思ってきましたが、どうにかしなければならない。どうできるんだろう。そんなことを徹夜明けのボーっとした頭で思っています。

再編特措法は、地域にのっぴきならない混乱をつくりだすだろう。水平線の向こうから嵐を呼ぶだろう黒い雲の塊が湧き上がってくる感じがする。市民投票でパンドラの箱は開けられて久しいが、まだ「希望」は出てきていない、閉めるわけにはいかない。

名護市民投票
沖縄タイムス特集更新日 97.12.27)

米軍再編特措法案、参院委で可決 23日成立へ
(朝日新聞=5.22)

米軍再編法案:23日の参院本会議で可決、成立へ
毎日新聞=5.22)

参議院外交防衛委員会
参議院インターネット審議中継(5.22)※自民党山本一太委員の質問の16:25経過後、当該発言の件

------追記

米軍再編法案を可決/参院外防委
野党、出来高払い批判/防衛相、名護市へ支給に含み
参院で可決 米軍再編法が成立
「アメとムチ」鮮明/米軍再編法成立
(以上、沖縄タイムス=5.23)

「消化不良」の再編法案審議 自治体選別基準示さず
琉球新報=5.23)

…あぁ、たいへんなことになるなぁ、と胸騒ぎおぼえつつ
《アンフェア》のバナーを作成しタイトル看板を換えた

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