宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

もし自衛隊が動員されるとしたら

海上自衛隊投入の話しは、いまのところ日本テレビのNEWSだけで、ウラはとれない。

下記は当該NEWSの内容。リンク先でNEWS映像もみれる。

 

070509082_160x120普天間移設 環境調査に海上自衛隊を動員へ<5/9 23:29>

 沖縄・普天間基地の移設問題で、政府は移設先の沖縄・名護市辺野古の海域で行う環境調査に、海上自衛隊を動員する方針を固めた。
 政府は、今週中にもサンゴやジュゴンの生態を調べるため、海底に調査機材を設置するが、日米同盟重視の観点から、移設計画の遅れは許されないとして、地元反対派の抗議行動を阻止するため、民間人ではなく、自衛隊員の動員を決めた。

どんな意図でこのようなNEWSが流されるのか、日テレは沖縄では放送されていない。本土で流すことに意図があるのか?いずれにしても、よくわからない。

自衛隊の任務は

自衛隊法自衛隊の任務は定められている。もし動員されるとしたら、いかなる理由によるものなのか。法的妥当性はあるのか。自衛隊法を大急ぎで見てみたので、報告する。

自衛隊の任務)
第三条  自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。

辺野古海域に海上自衛隊が動員されるとしたら、彼らの行動は《公共の秩序の維持》なのだろうか。それは《必要に応じ》とする必要要件を満たすのだろうか…

78条には【命令による治安出動】が位置づけれるが、国会の承認も得なければならないなどハードルが高すぎるので、まさか治安出動ではない。

81条2項には【自衛隊の施設等の警護出動】が位置づけれらている。
《等》の中に、米軍施設や区域が該当するので可能性はありそうだが、しかし日米合同委員会で自衛隊の警護を決めた施設・区域だけだし、県知事の意見聴取等もあり、これも無理。

第 八十一条の二  内閣総理大臣は、本邦内にある次に掲げる施設又は施設及び区域において、政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に 不安若しくは恐怖を与える目的で多数の人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊する行為が行われるおそれがあり、かつ、その被害を防止するため特別の 必要があると認める場合には、当該施設又は施設及び区域の警護のため部隊等の出動を命ずることができる。

82条には【海上における警備行動】が位置づけられている。

第八十二条  防衛大臣は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。

防衛省がイニシアチブをとって、自衛隊員を動員できるとしたら、いちばんやりやすいのはこの条項の適用だろう。

海保ではなく自衛隊戒厳令

自衛隊法第82条を適用すれば、久間大臣が《特別の必要がある》と言い張り、アベシンゾーが承認するだけで海上自衛隊を動員できる。
海上行動する反対派は《人名や財産》を損壊する意思はないと主張しても、それを未然に防ぐための《警備行動》として自衛隊員は《必要な行動》をとる。

問題は、特別の必要を防衛大臣はどのように立証するのか、それは海保という機動だけではなぜできないのか。さらに、この条項の適用の正否だけではなく、第3条で位置づけられた自衛隊の任務としての、《必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる》とする必要事例だと判断できるのか。海上における《公共の秩序の維持》は、海上保安庁の仕事だろう。これを自衛隊という侵略に対して国を防衛することを主たる任務にしている武装集団が行なうということは、わけが違う。

いずれにしても、もし自衛隊が動員されるとしたら、辺野古海域は戒厳令である。国家がその本性を剥き出して“市民”を襲う事態になる。許される行為ではない。

専守防衛に徹し我が国を守るために生命をも賭そうという自衛隊員に、そのような任務を与えてはいけない。
久間大臣も守屋事務次官も、そのような命令をすべきではない。

辺野古海域で自らの信じる大義のためにがんばる市民のためにも、命令に服従しなければならない海上自衛隊員のためにも、日テレのNEWSが間違いであることを祈る。