宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

決議撤回

北部振興策事業で総事業費約8億円も注ぎ込んでブッ建てた「辺野古区交流プラザ」という名の立派な実質公民館(※)で、4月29日に辺野古区民244人が出席し区民総会が開かれた。

その総会で、区長さんから、99年に行った「新基地は陸も海もダメよ」という決議は撤回しようよという提案があったらしい。

辺野古反対決議撤回へ 区長提案、行政委近く審議(新報07.4.30)

@生活補償(=カネ)を求める

辺野古というところはたいそう自治意識と機構がしっかりしていて、最高意思決定機関まであり、それが辺野古行政委員会というらしいんだけど、総会ではなくそこで、決議撤回を審議し結論を出すことになるみたい。

まっ、辺野古区のことだから、審議する前から結論は見えているみたいなもんだけど、新聞報道に出てきた区長さんの発言がふるっている

「99年の段階では海上ヘリポートへの反対決議。当時から状況はだいぶ変化しており、現状にそぐわない」
「決議を撤回し、(国に)地元振興や生活補償の要請を100パーセント実現できるように、求めていくべきだ」

というんだけど、99年より規模も拡大し集落に近づいているんだから、反対決議はさらに強くなりそうなものなのに、逆になかったことにしようぜと堂々と宣言しているところが「現状」をあらわしていてあさましい。
「生活補償」などといっているけど、被害立証もできないのに、金をねだることだけはすでに力強く決意しているってところが、区長さんの人柄を示してあまりうるうる涙が出ちゃう。

※「実質公民館」というのは、辺野古区にはもうひとつ以前からの公民館があるんだけど、まさか二つも公民館を造るわけにはいかず、北部振興事業で建てた新ピンは、「公民館ではありません『辺野古区交流プラザ』です!」というわけ。行政側の公式発言とはウラハラに、辺野古区ホームページで は「公民館」と位置付けているんだから、しょうがない(笑)。しかし、たかだか千人ぐらいしか住民のいない地区の公民館建設(それも二つ目の)に8億円も 税金をポンと注ぎ込んだんだけど、お隣の本部町の庁舎が古くてコンクリートが剥がれ危険な状況なので建替えようと積み立てた予算が8億円。あわれといえば あわれ。この場合のあわれは本部町ではなく、お金の価値やありがたさがわからなくなるほど、マヒした金の亡者たちのこと。もう、この金がもともと税金なん だということすらわからなくなっている。

@06年も04年もカネを要求

辺野古区は、昨年の4月17日にも行政委員会で、生活環境悪化の補償として一世帯当たり一億五千万円の一時金と毎年二百万円の支払いを国側に求めることを決めている。そのときの新聞報道によると、2004年にも同額の一時金を国に要請しているっていうことらしい。
区長さんはそのときも新聞紙上でこんな発言をしている

「『やっぱり金か』と思われるかもしれないが、それでもいい。区民が安全でよりよい生活をするために必要だ」

などといいつつ、金額の根拠は

「ここに住めないと思う人はこの金で引っ越せばいい。移転補償などを含めてのものだ」

と移転補償にまで言及しておられる。
よっぽど酷い地域になることを想定しておられるようだが、防衛庁幹部は

「常識的に考えて、補償被害の立証が必要。環境基準値以上の騒音など、目に見える被害がなければ補償は難しい」

などと冷ややかに発言している。しかし、君たちがお金を与えて、ここまで立派につくりあげた人心は、簡単には承服してくれないだろうね。

1世帯1億5000万円要求/普天間移設(タイムス06.4.18)

広がる補償要求、条件闘争の動き/普天間移設先(タイムス06.4.21)

@国は巨額補償否定

このような動きに対して国会でも議論になって、昨年4月21日の衆院安全保障委員会で、外務省の副大臣

「ODA(政府開発援助)もそうだが、自らの足で立って自ら頑張るのが基本だ」

という立派な発言で、あわせて辺野古にとっては金の出所になりそうな防衛庁の副長官も同様意見で、巨額補償を否定してみせている。

あわれといえばあわれ。日本国中どこも引き受けてのない、海兵隊の新しい基地建設を受け入れるんだから、つかみガネはもらえるはずじゃないのか(辺 野古の良識ではそうなる)。本土では、海兵隊員の外出にも住民の安全のため制限を加えているじゃないか。ここでは仲良くしてやっているんだぞ、国からカネ が出ないのがおかしい(辺野古の良識ではそうなる)。補償は騒音とかそういうものの被害ではなく、レイプとか治安とかそういう地域における潜在的危険に対 する補償を言っているんだぞ(うっ、ここいらへんが本音だろうか、自分で書いて絶句)。

先の防衛庁幹部がいう「補償被害の立証」は、騒音とかで難しいなら、「治安」というレベルでの補償議論になるかもしれない。世も末だねぇ。

政府、巨額補償を否定/滑走路2本案(タイムス06.4.21)

@カネの亡者と化す「地元」

1年前にも、こんなやりとりがあったのだけど、基本合意から1年経って、ブヒ氏が沖合移動を求め続ける後ろ盾の「地元」というのも、この辺野古区の行政委員や区長たちだから、政府はおいそれと付き合っていく気をなくしているのだろう。

辺野古区は、いよいよ反対決議をかなぐりすてて、本来の目的であるカネ取りに走り出そうとしているが、どうなることやら…

政府が99年の閣議決定を廃止した、昨年の閣議決定を、私はほんとうに酷いものだと思っているが、辺野古区もそれにつきあって転がり落ちようとしている。

県内移設の選択肢しか与えない日米両政府のオキナワへの差別意識は、決して許しちゃいけない現在でも続く犯罪行為だが、金の亡者と化した「地元」とやらにも同情の余地はないと思う今日この頃である。

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本日は雨。
雨の中を、森海の一ヶ月検診にもうじき出かける。