宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

『顧客国家』論4-1

沖縄の新聞社の〈琉球新報2006/10/17/朝刊・文化面〉に掲載された、ガバン・マコーマック氏のインタビュー記事を、コメントをいれて4回にわけて紹介します。アバウト4回と勝手に決めたが、元の記事以外に完成原稿があるわけではなく、仕事の合間にいろいろ考えながらの不定期掲載です。

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「顧客国家」論 ガバン・マコーマック氏に聞く

 日本近現代史研究者でオーストラリア国立大学名誉教授のガバン・マコーマック氏が戦後日本の国家像について執筆中だ。著書は『顧客国家』というタイトルで来年5月に出版予定。小泉政権になって国の形がどう変わったのか、安倍政権の行方、沖縄の位置付けをどう考えるかなどについて聞いた。(聞き手 文化部・宮城修)



<戦後の日本は、どういう経緯で形づくられたのか>

 戦後の日本はアメリカがつくった国家だった。アメリカの国家目的のためにこの国家体制を押し付けた。例えばマッカーサー国連軍最高司令官は1946年2 月、憲法の中で一番大切なのは天皇の地位を定めた第一条と、戦争放棄の第9条だと述べている。日本の保守的な体制を、アメリカに従属させるために天皇は大 事な役割を果たすと考え、天皇の温存を決めた。天皇がいれば、天皇を中心とした「神の国」のアイデンティティも温存できる。天皇を温存すればアジアの国が 反発するから、アジアに向けて9条も必要だった。

 しかし日本国憲法の平和主義は早くから侵食された。主権在民にしても日本のエリートは天皇制に重きを置いており。本当の意味で主権在民の時代にはなっていない。憲法が制定されて以来、自民党改憲する機会をうかがっていた。安倍さんは憲法の条文を変えようとしている。

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ガバンさんが言及しているマッカーサーの発言についての出典はわからないが、マッカーサーが、日本の憲法草案に盛り込むべき必須の要件として提示した項目(マッカーサー3原則)は、天皇制と戦争放棄と封建制の廃止であった。マッカーサーノートは、国立国会図書館に所蔵されている。

改憲政党である自民党憲法に対する基本的考え方は立党宣言や、 新しい基本方針で読むことができる。安倍首相は165回国会における所信表明演説で、現在の憲法を占領時代の憲法と規定し新しい時代にふさわしい憲法を制定するとしている。

ダグラスラミスさんは、今年8月に出版された「憲法は政府に対する命令である」(平凡社刊)という著書のなかで、「主権在民」「基本的人権」「戦争放棄」の三原則と矛盾するような改正案は改正ではなく《新憲法》になると指摘しています(164頁)。安倍首相の表明は、《新憲法》制定宣言に限りなく近いのではないかと危惧する。

現在の憲法改正論議が、国家運営に深く関与する「政治エリート」たちにより、憲法から「主権在民」を消し、国民から「基本的人権」を剥奪し「戦争放棄」を放棄するするクーデターに至らないと誰が保障できるだろう。

>Or1or0sh0003_i というわけで、本日はここまで。

絵がないと寂しいので、本日、ヤマトに里帰りしている友人から送られてきた柿の写真をおきます。

夏以外の季節感をおもうとき、日本列島は縦に長いなぁと感じる。この感慨は、沖縄が日本かどうかとは関係ないからね。_私が日本国政府の行為を批判して「わが国」と喋ったときに、とても好きな先輩から異議されたことがあって、いらい、気をつけるようにしているんですよこれが。小心者なんで…