宮城康博blog

沖縄・自治・徒然…Ten Thousand Light-Years from Home

未必の故意

午後から、県立北部病院の産科廃止問題で沖縄県(議会&副知事)に要請行動
最終日に同問題に対する意見書と決議を全会一致で可決し、その行動が本日になった。あらためて県の対応や発言に対して、すこぶる腹立たしい思いをしている。私は一般質問や予算質疑でも取り上げて、問題点を指摘してきたが、議会での行動は民生教育委員会におまかせしてきた。おまかせしすぎでなかったか、今頃になって少し反省もしている。
緊急で新聞投稿の原稿を書いた。掲載はいつになるかわからないが、緊急性を要する旨への理解を担当記者に求めた。
沖縄県は「確信犯」である。県立北部病院の経営放棄は時間の問題だろう。
――
県立北部病院産科休止は沖縄県が犯す未必の故意

宮城康博(名護市議会議員)

四月一日から県立北部病院には産科の医師が不在になる。
北部地区連合婦人会などの市民団体や自治体の議会や首長たちが、懇願するように産科存続を要請し続けてきた。結果として、医師不在の事態を招いた(事態を選択した)沖縄県、特に病院管理局の罪はあまりにも重い。
今日でも、沖縄県は深刻な医師不足を理由に、中部病院への急患搬送で対応する旨の説明を繰り返している。しかし急患搬送に関して、現場でその任に当たる北部消防連絡協議会は①長距離搬送は患者の生命の安全に責任をもてない②救急車の長時間出動で業務に空白が生じかねない―などと「県立中部病院への搬送は極めて困難」との見解を三月十四日に沖縄県へ示している。四月一日以降は、生命にかかわるセーフティネットがはずれたまま、北部地区の住民は不安と共に生きていかなければならない。想定しうる危険極まる事態に、なんら有効な対策を講じることなく産科を「休止」する沖縄県は、不測の事態が生じた際には「未必の故意」を問われることになる。平たく言えば人殺しである。
沖縄県は、自らも医師である稲福恭雄県福祉保健部長を医師確保の専門官とすることで、医師確保に努力していく旨の説明をするが、当然いつまでに医師が確保され「休止」が解かれ再開されるかは明確にできない。現状では産科の「休止」と「廃止」の差異は、県の体面を保つための言葉の使い分け程度でしかない。北部の産科は切り捨てられたと認識せざるを得ない。
三月九日に行なわれた県立北部病院での関係者の会議では「北部病院医師、開業医、消防、市福祉部長らは『搬送は困難。産科の存続を再考すべきだ』との主張で一致した。だが県病院管理局側は『既に産科医師の中部病院への異動を内示した』と産科休止の方針撤回をかたくなに拒み、議論は平行線をたどった」(琉球新報三月十二日朝刊)という。現場が問題の深さを認識し再考を求めても、かたくなに拒む病院管理局のお役所的態度は、到底理解できるものではない。
確かに深刻な医師不足の中で、産科の医師にかかる負担も大きいものがあるだろう。だからといって、中部病院の産科医を五人体制にして北部病院をゼロ(北部を切り捨て)にしていいはずがない。名護市・北部でも通常分娩は開業医で十分対応できる、開業医では対応できない危険な状態に対するセーフティネットとして県立病院が担っている重要な役割がある。それをいともたやすく放棄する今般の行為は犯罪といっても過言ではない。
医師確保がなされるまでは、中部病院を中心とする無謀な搬送体制などを考えるのではなく、中北部を一体としてとらえ医師配置を考えるべきではないか。中部病院では、二月一日から産科の初診受付は「かかりつけ医」の紹介状持参者のみとしている。北部病院でも、名護市内の開業医(かかりつけ医)と協力連携を密にしつつ異常分娩等や急患のみの対応とすることで、県立病院への過度の負担を軽減しつつ、中北部地域のセーフティネットを維持することを検討すべきである。
沖縄県が、本島面積の半分を占める北部を産科無医地区にした上で医師確保に努力するのではなく、セーフティネットを張りなおし維持しつつ医師確保に努力することを強く希望する。